1.海外旅行に持って行くべき薬とは?

1-1. これだけは持って行くべき薬 3選

1週間程度の旅行の場合、日本で飲み慣れている「痛み止め、風邪薬(総合感冒薬)、整腸剤」の3種類を持って行くと安心です。

①痛み止め

飲み慣れた薬を「約3日分」用意する。頭痛、歯痛、生理痛にも効き、解熱剤としても使えます。

②風邪薬(総合感冒薬)

海外では気候の変化や不規則な睡眠時間などが原因で風邪をひきやすいので、自分の使い慣れた風邪薬を「約3日分」準備すると良いでしょう。

③整腸剤

旅行先の水が合わなかったり、慣れない食事で胃腸に負担がかかることがあります。「約1週間分」用意しましょう。

 

この3種類を飲み切っても、「症状が変わらない、症状がひどくなる」際には、無理をせず「現地の医療機関」を受診した方が良いでしょう。

1-2. 飛行機に持ち込めない薬

海外に向かう場合「日本国内で処方されている薬」で、自分自身が「旅行中に使用する程度の量」に関しては、基本的に機内への持ち込みは可能です。

空港

ただしインスリン注射など「針」が付いた薬剤や一部の薬に関しては、空港の保安検査場での提示や医師の処方箋が必要となる場合があります。航空会社により異なる場合もありますので、あらかじめ自分が搭乗する航空会社への問い合わせを検討することやホームページなどで調べることをお勧めします。

 

参考)
全日本空輸(ANA)ホームページ「病気やケガをされているお客様へ」
日本航空(JAL)ホームページ「JAL プライオリティ・ゲストサポート」

 

日系航空会社はホームページなども非常に詳しく、持病を持つ方や高齢者の方にとって安心感も高いと考えられます。

 

また、日本から出発する機内に持ち込むことは出来ても、旅行先での入国や出国の際にも注意が必要です。日本では全く問題にならない薬でも、海外では「違法薬物」とされてしまう場合があります。特に「白い粉薬」は麻薬と疑われる(間違われる)ことがあり、注意が必要です。海外の保安検査場や税関などで「何のために所持しているか?違法薬物ではないか?」と問われる可能性があります。

 

市販薬であれば、自分で「英語」などで薬の説明をできるようにしておきましょう。また、「箱や包装などのパッケージ」も持って行くと良いでしょう。対応は国ごとに違いがありますから、心配な方は旅行先の「大使館」などに問いあわせることも検討しましょう。

 

1-3. 持病がある場合は?

持病で通院し、毎日処方薬を飲んでいる方は、「旅行日数分+1週間分の予備」を持参しましょう。

 

「1週間」という日数にも意味があります。もし滞在国などで、テロや事件、自然災害が発生した場合は、ご自分が直接の被害に遭わずとも移動手段が一時的に途絶える可能性があります。さらに搭乗予定の「飛行機の遅延や欠航」、「旅行会社などのミス」により足止めされることも想定されます。様々な事態が発生したとしても「1週間」という期間があれば、事態も解決の方向に向かい、移動が再開され、代替手段も見つかる可能性も高くなります。

 

あまり大量に予備を持って行くと、個人使用ではなく「売買目的」と現地で疑われる恐れもありますので、「1週間分の予備」程度にとどめておく方が安心です。

 

「旅行日数+1週間分の予備」があれば、現地で足止めされたとしても、慌てて「現地の医療機関」に受診しなくても、気持ちに余裕を持って対応出来ます。荷物の遅延、行方不明(ロストバゲージ)などのトラブルも起こり得るため、「手荷物(機内持ち込み)」として手元に持っておくことが安心です。

 

先の市販薬と同様に、保安検査場や税関で薬の所持目的を問われる可能性もあるため、「医師による英文診断書」や「英文での処方薬リスト」を持っておくと良いでしょう。

 

2.海外での薬の飲み方はココを注意!

持病があって薬を飲んでいる人にとっても海外旅行は夢ではありません。実際に欧米ではペースメーカー使用者や人工透析を受けている人でも海外旅行を楽しんでいます。ただし、注意すべき点もあります。

 

まず主治医に「海外旅行の渡航国や滞在日数」などの旅行内容を相談し、「薬の飲み方や過ごし方」などについてアドバイスを受けましょう。その上で旅行内容の変更が必要であれば、医師のアドバイスに従い計画を立て直しましょう。

 

主治医もあまりに旅行の直前に相談されてしまうと、困ってしまいます。最低でも旅行出発の1か月前か計画している段階で相談することをお勧めします。

2-1. 時差によって、薬の飲み方は変わる?

日本と時差がない地域であれば、基本的に薬を飲む時間は普段通り(日本と同様)で良いでしょう。ただし時差がなくても、食事や生活環境が変わるため、「旅行に夢中になり、薬を飲み忘れる」ことに注意が必要です。

 

時差がある地域への旅行の場合、「①日本時間のまま内服を継続する ②現地生活時間に合わせる」2種類の方法があります。

 

①日本時間のまま内服を継続する

携帯電話やスマートフォンの「時計機能(ワールドクロック)」を活用し、現地時間と日本時間を2つ表示させておき、薬を飲む時間は日本時間に合わせる方法です。

 

例:タイのバンコク(時差-2時間)に旅行する場合
日本で毎朝9時に内服している⇒「時差-2時間の地域(例:タイのバンコク)」
毎朝7時に内服する。

 

②現地生活時間に合わせる

時差が大きく①の方法では薬を飲む時間が睡眠中となり飲めなくなる地域や糖尿病や睡眠薬など食事や睡眠といった生活スタイルに合わせる薬を飲まれている方が当てはまりますが、「時差と飛行時間、内服回数」が関連するので少し複雑になります。欧米への旅行のように「飛行時間が長く、時差も大きい地域」もあれば、アラスカのように「飛行時間は短く、時差だけ大きい地域」もあります。

 

さらに行きや帰りの飛行機機内で薬を飲む必要性もあるので、詳しい飲み方は旅行前にあらかじめ「処方してもらった医師や主治医」に旅行計画と併せて相談することをお勧めします。

 

2-2. 海外で日本の薬が切れたり、紛失した際の対処法は?

外国で日本の処方薬を入手することは困難です。そもそも薬には「商品名」と「成分名」があり、「成分名」が分からないと海外で通じないことに注意が必要です。

さらに海外に比べ、日本で処方されている薬の種類は非常に多いです。日本からの薬のパッケージを海外の医師に見せても役に立たない可能性があります。

準備しておきたいのは、「英文での処方薬リスト」です。

「病名と薬(成分)の名称、1日当たりの内服量、処方した医師の署名」を明記した英文書類を用意しておけば、海外で医療機関を受診し現地の医師に見せれば、「商品名」は違っても日本での処方薬と同様の効果の薬を準備してもらえる安心感があります。「英文での処方薬リスト」に関してはまず、かかりつけの医師に相談してみましょう。

2-3. 海外で医療機関を受診する際の注意事項は?

海外で知らない医療機関を受診することは勇気が必要なことでしょう。

海外で医療を受ける際には、①命に関わる緊急医療 ②命に関わらない緊急医療 の2つの状況が考えられます。

 

①命に関わる緊急医療

交通事故、心筋梗塞、脳卒中などは一刻も早い治療が必要になりますので、迷わず「救急車」を要請するべきでしょう。国によっては日本と異なり「救急車」が有料な場合もあります。「日本人(外国人)旅行者だから、言葉が通じにくい(不得意)から断られる」ことは無いでしょう。緊急の治療が必要と考えられる場合は「救急車」要請を戸惑ってはいけません。

 

②命に関わらない緊急医療

風邪や下痢など直ちに命に関わらない病気の時は、宿泊しているホテルの「ホテルドクター」に相談すると良いでしょう。ホテルドクターが不在のホテルであれば、「フロント」に症状を伝えて、近くのクリニックや救急外来を紹介してもらい受診する方法が安心です。自分達だけで悩むよりも、ホテルや現地の人にも協力してもらいましょう。

3.現地で市販の薬を買う場合の4つの注意点

タイの薬局

風邪薬や頭痛、発熱などで持参薬が手元に無い場合、現地の薬局で買い求めることになるでしょう。国や地域によっては、24時間営業の薬局やドラッグストアがあり、とても便利ですが、購入にあたって注意することもあります。

 

①アスピリン(aspirin)などの主要な薬は、国や製品により箱の表示が異なっていても基本的に成分は同様です。箱や成分の表記で、「現地語表記」のみの薬よりも「現地語と英語が併記」されている薬の方が内容や使用量などを間違えにくいでしょう。また、成分不明の薬や使用期限切れの薬は基本的に避けた方が良いでしょう。

 

②風邪薬をはじめ市販薬は20~40歳の人(成人)を基準に製造されており、小柄な高齢者には量が多すぎることもありますので、通常の半分位にするなど調節しましょう。

 

③日本では市販されていない「抗生物質」が店頭で購入できる国もありますが、適切な治療が遅れてはいけないので、下痢などで乱用することは控えましょう。

 

④もし店頭で自分自身だけで判断しにくい場合は、海外の薬局にいる「薬剤師」に相談しましょう。一般的な旅行先の薬局であれば、「のどが痛いか?熱はあるか? 咳はひどいか? お腹が痛いか? 年齢?」など簡単な英語やジェスチャーで伝わるでしょう。

4.まとめ

「痛み止め、風邪薬(総合感冒薬)、整腸剤」の3種は日本から持って行くと安心!


持病がある方は、「旅行日数+1週間分の予備」を準備すること!


荷物の紛失などに備え、「機内持ち込み(手荷物)」として手元に持っておくこと!


「医師の英文診断書」や「処方薬リスト」などを用意したり、「旅行中の薬の飲み方や過ごし方」を旅行出発の最低1か月前には主治医に相談すること!

 

持病があっても無くても海外に行くことは出来ます。

「旅行前に準備出来ること、旅行中に注意すること」をふまえて、安心安全な海外旅行を楽しみましょう。