1.ルルの種類
「ルル」は、第一三共ヘルスケアが発売している風邪薬のブランドです。
2018年7月現在、以下の医薬品が発売されています。この他に「医薬部外品」の商品も発売されていますが、今回は医薬品についてのみ解説します。
1-1. 「ルルA」シリーズ
・新ルルA錠s
・新ルルAゴールドs
・新ルルAゴールドDX
1-2. 「ルルアタック」シリーズ
・ルルアタックFX a
・ルルアタックEX
・ルルアタックNX
1-3. その他の「ルル」
・ルルかぜ内服液
・ルル内服液
・ルルのどスプレー
・ルルメディカルドロップ
・新ルル点鼻薬
2.それぞれの商品の成分と特徴
2-1. 「新ルルA」シリーズ
「新ルルA」シリーズは、風邪薬「ルル」を代表するシリーズで、熱、のどの痛み、鼻、咳、痰の全ての症状に有効な成分が配合されているのが特徴です。
新ルルA錠s
「新ルルA」シリーズのスタンダードとなる商品で、風邪の諸症状を抑える以下の成分がバランス良く配合されています。
【配合成分と作用】
・解熱鎮痛成分の「アセトアミノフェン」により、熱を下げ、頭痛・喉の痛みを和らげます。
・抗アレルギー成分の「クレマスチンフマル酸塩」により、鼻水・くしゃみを抑えます。
・鎮咳成分の「ジヒドロコデインリン酸塩」「ノスカピン」により、咳を鎮めます。
・交感神経を刺激する「dl-メチルエフェドリン塩酸塩」により、気管支を広げて咳を鎮めます。
・去痰成分の「グアヤコールスルホン酸カリウム」により、痰を切れやすくします。
・中枢神経を刺激する「無水カフェイン」により、頭が重い感じや疲労感を和らげます。
・ビタミンB1誘導体の「ベンフォチアミン」により、エネルギー産生を促し、消耗した体力の回復を助けます。
新ルルAゴールドs
「新ルルA錠s」の配合成分を元に、改良された商品です。
「新ルルA錠s」の去痰成分「グアヤコールスルホン酸カリウム」に変わり、より強い「ブロムへキシン塩酸塩」が、さらに鼻水を抑える成分「ベラドンナ総アルカロイド」が配合されています。
その他は「新ルルA錠s」と同成分になっています。
新ルルAゴールドDX
「新ルルAゴールドs」をさらに改良したのが「新ルルAゴールドDX」です。
「新ルルAゴールドs」の成分に加え、炎症を抑える「トラネキサム酸」が配合されているため、喉の痛みを抑えるのに優れています。
鎮咳成分の「ノスカピン」は配合されていません。
それぞれどう使い分ければいい?
総合風邪薬「新ルルA」シリーズには3つの商品があることがわかりました。
では、この3商品をどのように使い分けすれば良いのでしょうか?
・咳、喉の痛み、痰、鼻水、発熱の症状が同じぐらいの強さで出ている場合は、バランスよく有効成分が配合されている「新ルルA錠s」
・特に鼻水、痰、咳の症状が辛く、発熱、喉の痛みを伴う場合は、「新ルルAゴールドs」
・さらに、喉の痛みも強い場合には「新ルルAゴールドDX」
このように使い分けすれば良いでしょう。
新ルルゴールドDXの取扱店舗を見る
2-2. 「ルルアタック」シリーズ
「ルルアタック」シリーズは風邪の諸症状のうち、特に強い症状に対して効き目が発揮されるように、有効成分が配合されてます。
それぞれの症状に合った「ルルアタック」を選択できるようになっているのが特徴です。
ルルアタックFX a
「発熱・さむけ」を強く感じ、喉の痛み、鼻水、鼻づまりを伴う風邪に適しています。
【特徴的な成分と作用】
・解熱鎮痛成分の「アセトアミノフェン」「イソプロピルアンチピリン」により、熱を下げ、頭痛・喉の痛みを和らげます。
・末梢の血管を広げ血行を良くする「ショウキョウ末」により、発汗・解熱を促進します。
・抗炎症作用の「グリチルリチン酸」により、喉や鼻の粘膜の炎症を鎮めます。
・抗アレルギー成分の「クレマスチンフマル酸塩」により、鼻水・くしゃみを抑えます
ルルアタックEX
「喉の痛み」を強く感じ、発熱、咳、鼻水、鼻づまりを伴う風邪に適しています。
【特徴的な成分と作用】
・炎症を強く抑える「トラネキサム酸」により、喉の痛みを鎮めます。
・解熱鎮痛成分の「イブプロフェン」により、熱や喉の痛みを抑えます。
・去痰成分の「ブロムへキシン塩酸塩」により、痰の排出を促します。
・抗アレルギー成分の「クレマスチンフマル酸塩」により、鼻水・くしゃみを抑えます。
・鎮咳成分の「ジヒドロコデインリン酸塩」により、咳を鎮めます。
・交感神経を刺激する「dl-メチルエフェドリン塩酸塩」により、気管支を広げて咳を鎮めます。
ルルアタックNX
「鼻水・鼻づまり」を強く感じ、発熱、咳、喉の痛みを伴う風邪に適しています。
【特徴的な成分と作用】
・「ベラドンナ総アルカロイド」により、鼻水の分泌を抑えます。
・抗アレルギー成分の「クレマスチンフマル酸塩」により、鼻水・くしゃみを抑えます。
・解熱鎮痛成分の「イブプロフェン」により、熱や喉の痛みを抑えます。
・ビタミンB2の「リボフラビン」により、鼻や喉の粘膜を正常化します。
2-3. その他の「ルル」
ルルかぜ内服液
風邪の初期に効く「葛根湯」のエキスを、飲みやすい内服液にした商品です。
汗をかいておらず、寒気があり、頭痛、肩や首のこり、筋肉痛がある場合に適しています。
ルル内服液
風邪の初期に効く「麻黄湯」のエキスを、飲みやすい内服液にした商品です。
汗をかいておらず、寒気が強く、発熱・咳が出ていて、関節が痛む場合に適しています。
ルルのどスプレー
ジェルタイプの喉に直接スプレーする薬です。
「アズレンスルホン酸ナトリウム水和物」が、喉の粘膜に直接作用し炎症を抑えます。
液体タイプよりも長く患部にとどまるため、より効果的です。
ルルメディカルドロップ
飴玉のように口の中で溶かし、服用する商品です。5歳以上の小児から服用できます。
オレンジ・グレープ・はちみつレモンの3つの味が発売されています。どの味でも効果に変わりはありません。
咳を抑える「dl-メチルエフェドリン塩酸塩」、痰を切る「グアヤコールスルホン酸カリウム」、抗菌作用のある「セチルピリジニウム塩化物水和物」が配合されています。
新ルル点鼻薬
鼻の粘膜に直接噴霧する点鼻薬です。良く鼻をかんでから使用します。
血管を収縮させ鼻づまりを抑える「ナファゾリン」、抗アレルギー作用のある「クロルフェニラミンマレイン酸塩」、痒みなどの不快感を抑える「塩酸リドカイン」、鼻腔内の菌の繁殖を抑える「ベンゼトニウム塩化物」が配合されています。
3.何歳から使用できる?
それぞれの商品には、以下のように使用可能年齢が設定されています。
お子さんが使用する際にはご注意ください。
3-1. 「ルルA」シリーズ
・新ルルA錠s:12歳以上
・新ルルAゴールドs:12歳以上
・新ルルAゴールドDX:7歳以上
3-2. 「ルルアタック」シリーズ
・ルルアタックFX a:7歳以上
・ルルアタックEX:15歳以上
・ルルアタックNX:15歳以上
3-3. その他の「ルル」
・ルルかぜ内服液:15歳以上
・ルル内服液:15歳以上
・ルルのどスプレー:年齢制限なし
・ルルメディカルドロップ:5歳以上
・新ルル点鼻薬:15歳以上
4.使用する上での注意
・「ルルアタックFX a」に含まれている「イソプロピルアンチピリン」は、「ピリン系解熱鎮痛成分」に分類されます。過去に「ピリン系解熱鎮痛成分」でアレルギー反応を起こした方は服用できません。
・「クレマスチンフマル酸」を含む商品は、眠気を生じる可能性があるため、服用後は車の運転や危険な機械の操作をしないでください。
対象商品:「新ルルA錠s」「新ルルAゴールドs」「新ルルAゴールドDX」「ルルアタックFX a」「ルルアタックEX」「ルルアタックNX」
・「ジヒドロコデインリン酸塩」を含む商品は、喘息発作による咳には禁忌(服用してはいけない)になっています。気管支喘息をお持ちの方は服用しないでください。
対象商品:「新ルルA錠s」「新ルルAゴールドs」「新ルルAゴールドDX」「ルルアタックEX」「ルルアタックNX」
・「新ルル点鼻薬」には、鼻づまりを抑える「ナファゾリン塩酸塩」が含まれています。即効性があり、効き目がいいので使い過ぎになりがちですが、使い過ぎると効きにくくなるだけでなく、鼻づまりが悪化してしまうことがあります。使用は最小限にとどめ、長期間の使用は控えましょう。
・使用後に、発疹、目や口の周りのただれ、動悸、息苦しいなどの症状がみられる場合は、使用を中止し受診してください。
・3日以上使用しても症状の改善が見られない場合は受診しましょう。
5.おわりに
今回は風邪薬の「ルル」について解説しました。とても有名な市販薬ですが、こんなにも多くの種類が発売されていることを知らなかった方もいるのではないでしょうか?
記事を参考に、それぞれの症状に合った商品を選択していただければ幸いです。
あくまでも市販薬は受診できない方が、受診するまでの繋ぎとして一時的に使用するものです。長期的な使用は避け、使用しても症状が改善されない場合は必ず受診しましょう。