今回はヒアレインの成分や効果に関してご紹介します。

ヒアレインの有効成分はヒアルロン酸

ヒアレインの有効成分は「ヒアルロン酸」と言う物質です (1)。現在、健康食品や化粧品などにも含まれている成分なので、そちらで耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

ヒアルロン酸とは何か

では、ヒアルロン酸とはそもそも何か?と言えば、広義では糖質の一種です。その中でも、糖分子がいくつも連なってできた「多糖類」と言うグループに属するもので、化学構造の観点からはご飯に含まれるデンプンや、紙の成分であるセルロースに近いものです (2)。

ヒアルロン酸の効果

ヒアルロン酸には、水を保持する効果や組織に弾力を与える効果があります。我々ヒトの身体にも、もともと存在する物質で、皮膚や軟骨など全身に見られます (2)。

このように、ヒアルロン酸は水を保持したり、クッション成分として働いたりします。よって、ヒアルロン酸を目薬として使用すると、目の表面の乾燥を防ぐと共に、物理的なダメージから守ってくれます。こうしたことから、ヒアレインは目の乾燥や傷に対して使用されています (1)。

また、整形外科領域では、変形性関節症や肩関節周囲炎に対して、関節に注入する注射剤として使用されている成分でもあります (3)。

ヒアレイン点眼液の種類【通常の目薬+防腐剤フリーの目薬】

2016年7月現在、日本で販売されているヒアレインは、以下の4種類です (1)。

●ヒアレイン点眼液0.1%
●ヒアレイン点眼液0.3%
●ヒアレインミニ点眼液0.1%
●ヒアレインミニ点眼液0.3%

上2つは、通常のボトルに入った目薬です。これに対して、「ミニ」と名の付く下2つは1回使い切りの製剤です。

なぜ、使い捨てになっているのかと言えば、これらの製剤には「防腐剤」が含まれていないためです。

防腐剤とは、目薬のなかで雑菌が増えないようにする、添加剤の一種です。目薬の大半は水分であり、菌が繁殖しやすいので、通常ボトルのヒアレインを含めたほとんどの目薬に防腐剤が加えられています。

片や「ミニ」製剤は防腐剤を含まないので、開封した目薬がすぐに傷んでしまいます。そのため、常にきれいな目薬を使えるように、使い捨てとしているのです。

ヒアレインの防腐剤による副作用

実は、防腐剤によってアレルギー反応を起こしたり、目の表面がダメージを受けるケースが少なからずあることが知られています (4)。目薬を点す回数が少ない場合は、問題にならないことも多いのですが、使う回数を増やせば防腐剤によるこうした副作用のリスクも増します。

そこで、ヒアレインを頻繁に使わなければならない病気に対しては、防腐剤の入っていない「ミニ」製剤を使用することが望ましいと言えます。

ただし、現状では「ミニ」製剤を使うことができるのは、「シェーグレン症候群」と「スティーブンス・ジョンソン症候群」と言う症候群の場合だけになっています (1)。

これらは、非常に強い目の乾燥を伴うことが多いので、「ミニ」製剤の使用が認められているということです。

ヒアレインの実際の効果

このように、重い目の症状にも使用されるヒアレインですが、実際に使われるのはドライアイや目の傷など、ありふれた病気や症状に対しての場合が多いです。
nito3-1
今一度確認しますと、ヒアレインに期待できる効果は主に次の2つです。

期待できる効果

①目の表面を保護することにより、傷の治りを促す
②目に水分を保持することで、乾燥症状を改善する

生理食塩水や人工涙液とヒアレインの効果比較

ではそれぞれの効果は、実際のところどの程度なのでしょうか。

ヒアレインと似たような効果を持つ薬として、生理食塩水や人工涙液と呼ばれるものがあります。これは、簡単に言えば涙を人工的に作ったものです。これとヒアレインの効果を比較したエビデンスをひも解いてみましょう。

①については、生理食塩水と比較して、ヒアレインを使った場合で傷の治りがよいことが報告されています (5)。

②に関しては、ヒアルロン酸の目薬0.1%製剤は人工涙液と比較して、目の乾燥に関する症状を改善する効果がより高いとするエビデンスがあります (6)。

以上の結果から、ヒアレインには単純に目に水分を補給する以上の効果があると考えられます。

ドライアイなどは、軽症ならば市販の人工涙液で対処することも可能です。しかし、目の表面の状態によってはヒアレインなどによる治療を行った方が、症状の改善や治るスピードの面で有利なこともあります。

目の表面の状態については、肉眼で判断することはできず、眼科での検査が必要です。そのため、目の乾燥や傷などについては、一度眼科で詳しく見てもらうのがおススメです。

まとめ

■ヒアレインの有効成分は「ヒアルロン酸」である
■目の乾燥や傷に対して有効である
■通常の目薬と、防腐剤の入っていないタイプとがある
■単なる目に対する水分補給以上の効果がある

参考文献

(1) ヒアレイン点眼液0.1%/ヒアレイン点眼液0.3%/ヒアレインミニ点眼液0.1%/ヒアレインミニ点眼液0.3% 添付文書 参天製薬株式会社
(2) 上代淑人 監訳 ハーパー・生化学原書第25版 丸善株式会社
(3) アルツ関節液25mg 添付文書 科研製薬株式会社
(4) Stalmans I, et al. Preservative-free treatment in glaucoma: who, when, and why. Eur J Ophthalmol. 2013 Jul-Aug;23(4):518-25. PMID: 23483513
(5) Aragona P, et al. Long term treatment with sodium hyaluronate-containing artificial tears reduces ocular surface damage in patients with dry eye. Br J Ophthalmol. 2002 Feb;86(2):181-4. PMID: 11815344
(6) Simmons PA, et al. Efficacy and safety of two new formulations of artificial tears in subjects with dry eye disease: a 3-month, multicenter, active-controlled, randomized trial. Clin Ophthalmol. 2015 Apr 15;9:665-75. PMID: 25931807
writer_hiramatsu