前編では、飲み薬の違いについてお伝えしました。
後編では、ロキソニンおよびボルタレンの外用剤と市販薬の比較についてお伝えいたします。

貼り薬

貼り薬は、俗に「シップ」と呼ばれることの多い、あのタイプの薬です。貼りつけることによって、その部位だけに薬を作用させることを目的としたものです。貼り薬にもいろいろな種類がありますが、ロキソニンおよびボルタレンに関連するのは、以下の2つの剤形です (1)。

● パップ剤:水に溶けやすい高分子と有効成分を混合したものを、布などに張り付けたもの
● テープ剤:薄いプラスチックフィルム上に、有効成分を薄く塗りつけたもの

パップ剤は、「シップ」という言葉を聞いたときに、皆さんが連想するであろう形の薬です。やや厚みがあって、柔らかく、外側が布で覆われている、あれです。貼りつける面に水分を多く含むので、保湿効果に優れていること、水分により皮膚を柔らかくすることで、有効成分が吸収されやすい点が利点です。反面、分厚く目立つ点が欠点です。

一方で、テープ剤の方はもっと薄い貼り薬です。見た目はペラペラで、まさしく「テープ」といった趣です。薄くて目立ちにくいのがメリットと言えます。

これら2つの貼り薬のうち、ロキソニンにはパップとテープの両方が (2, 3)、ボルタレンにはテープ剤のみがあります (4)。

塗り薬

貼り薬と同じく、使用した部位だけに効果を発揮するタイプです。これまたいろいろな種類がありますが、ロキソニン及びボルタレンに関連するのは、以下の2つの剤形です (1)。

● ローション剤:有効成分を水かそれに近い成分に溶かす、または分散させたもの
● ゲル剤:水やそれに近い成分を、高分子などで半固形化したもの

要するに、どちらも水っぽい塗り薬と言うことができます。ゲルの方は半分固体、という形状なので、広がりにくく狙った場所にだけ塗りやすいと言えます。

ロキソニンにはゲルが (5)、ボルタレンにはローションとゲルの両方があります (6, 7)。ゲルを使用する場合の注意点として、いわゆる「すり込む」ことをしない、というものがあります。

通常の軟膏やクリームであれば、すり込むことで有効成分が吸収されやすくなるケースがありますが、ゲルの場合にこれをすると、薬が消しゴムのカスのようになって、はがれてしまいます。

したがって、ゲルを塗るときは、サッと1回だけ撫でるよう薄く塗り伸ばすのが好ましいといえます。

坐剤

お尻から挿入する薬です。子供に使う薬、というイメージがあるかもしれませんが、成人でも使う場合があります。というのも、坐剤には以下のような利点があるからです (1)。

● 吸収が比較的早い
● 飲み薬と比較して、薬が分解されにくい

ボルタレンには坐剤があります (8)。使用できる症状や病気は限られますが、飲み薬が苦手な方で、ボルタレンを使用する必要がある方は一度相談してみるといいかもしれません。

市販薬

平成28年7月4日現在、ロキソニンの市販薬は、飲み薬だけ販売されています。具体的には、以下の3種類です (9)。

● ロキソニンS:ロキソプロフェンのみ。医療用のロキソニン錠をそのまま市販薬にしたもの
● ロキソニンSプラス:ロキソプロフェン+酸化マグネシウム。胃薬である酸化マグネシウムを加えたもの。胃が荒れやすい人向け
● ロキソニンSプレミアム:ロキソプロフェン+アリルイソプロピルアセチル尿素+無水カフェイン+メタケイ酸アルミン酸マグネシウム。痛み止め成分が3種類配合された製品。効き目を重視する人向け

いずれも、有効成分であるロキソプロフェンは、医療用のロキソニン錠と同じ量が含まれているので、同じ感覚で服用できます。

ロキソニンの市販外用薬は、以下の4種類が平成28年7月27日より発売予定になっています (10)。詳しい情報はまだ明らかになっていない部分も多いですが、おそらく医療用医薬品と同じ有効成分量になると予想されます。

一方、ボルタレンの市販薬は外用剤のみとなっています。製品ラインナップは以下の通りです (11)。

● ボルタレンEXテープ
● ボルタレンEXテープL
● ボルタレンEXローション
● ボルタレンACローション
● ボルタレンEXゲル
● ボルタレンACゲル
● ボルタレンEXスプレー

より広い範囲に使用する場合に適している、スプレータイプがあるほかは、基本的に医療用医薬品と大きな差はありません。
■ 貼り薬としては、ロキソニンにはテープとパップが、ボルタレンにはテープのみがある
■ 塗り薬としては、ロキソニンにはゲルが、ボルタレンにはゲルとローションがある
■ ボルタレンには坐剤もある
■ 市販薬には、ボルタレンが外用のみが、ロキソニンには飲み薬のみがある
■ ロキソニン外用剤の市販薬が、近日発売予定である

参考文献

(1) 瀬崎仁 他 編集 薬剤学第4版 廣川書店
(2) ロキソニンパップ100mg 添付文書 第一三共株式会社
(3) ロキソニンテープ50㎎/ロキソニンテープ100㎎ 添付文書 第一三共株式会社
(4) ボルタレンテープ15㎎/ボルタレンテープ30㎎ 添付文書 ノバルティスファーマ株式会社
(5) ロキソニンゲル1% 添付文書 第一三共株式会社
(6) ボルタレンローション1% 添付文書 ノバルティスファーマ株式会社
(7) ボルタレンゲル1% 添付文書 ノバルティスファーマ株式会社
(8) ボルタレンサポ 添付文書 ノバルティスファーマ株式会社
(9) 第一三共ヘルスケア ロキソニンSシリーズホームページ http://www.daiichisankyo-hc.co.jp/site_loxonin-s/ 2016.7.4 access
(10) 厚生労働省ホームページ 要指導医薬品一覧表 http://www.mhlw.go.jp/bunya/iyakuhin/ippanyou/newyoushidou.html 2016.7.4 access
(11) グラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケア・ジャパン株式会社 ボルタレンEX/ACシリーズホームページ http://www.voltaren-ex.jp/ 2016.7.4 access