1.ボルタレンってどんなお薬?

現在こそ、ボルタレンの貼り薬やぬり薬はドラッグストアなどで市販され、簡単に入手できますが、かつてはボルタレンの貼り薬やぬり薬は医師が処方するお薬で市販されていませんでした。

 

今日では、安全性が認められ、第二類医薬品の枠で市販が可能になりました。

ただ、飲むボルタレンは現在も医療用医薬品であり、医師が処方するお薬であるため、依然として市販されていません。

 

1-1. ボルタレンに含まれる成分

ボルタレン(商品名)の成分はジクロフェナク(一般名)で、NSAIDsといわれる非ステロイド性鎮痛消炎剤です。ロキソニンやアスピリンなどもNSAIDsですが、現在のところ、ジクロフェナクが一番、効果が強いといわれています。

 

1-2. ボルタレンの作用機序

PG(プロスタグランジン)といわれる痛みや発熱を発生させる物質があります。アラキドン酸からCOX(シクロオキシゲナーゼ)という酵素によって生成されますが、ボルタレンの成分であるジクロフェナクがCOXの働きを抑え、PGの生成を阻害します。よって、痛み、炎症は消失し、熱も下がるというわけです。

 

ところで、、NSAIDsよりも安全性が高いといわれる「アセトアミノフェン」という鎮痛剤があります。

このアセトアミノフェンが入った貼り薬やぬり薬はありません。

なぜでしょうか?

アセトアミノフェンの作用機序は一応、NSAIDsと同じような作用機序(詳細はいまだに不明)ですが、鎮痛や解熱効果はあっても抗炎症効果は非常に弱いといわれています。

従って、炎症性の強いリウマチや打撲、捻挫などは炎症を抑える力のないアセトアミノフェンでは効果が出にくく、炎症を抑える力が強いボルタレンの成分のようなNSAIDsが貼り薬として適しています。

ただ、15歳未満の小児には使用できません(インドメタシンは11歳未満使用不可)

 

ところで、ボルタレン製品にはテープ剤とかゲル、ローションといったいくつかの剤形があります。

それぞれの剤形の特徴を把握することで、どのボルタレン製品を選択すればいいのかがわかってきます。

 

 

2.貼り薬:パップ剤・テープ剤の違い

貼り薬にはパップ剤とテープ剤があります。

2-1. パップ剤(ボルタレン製品にはありません)

パップ剤のパップはオランダ語で「粥」という意味です。薬剤に水分を含ませてあり、少し厚くなっています。そのため、貼ると、冷たく感じますが、時間経過とともに水分が蒸発し、冷感は減少して効果も減弱。そのため、適時に貼りかえる必要があります。

 

肌への密着度があまりありませんが、その分、肌への刺激が緩和され、敏感肌の方は後述するテープ剤よりは使いやすいでしょう。ただ、密着度が低いため、剥がれやすく、また、関節部位など、屈曲する部位には貼りにくいデメリットがあります。ネットやテープで固定しなくてはいけないときもあります。

 

パップ剤は成分の薬効だけでなく、冷却効果も加わって急性症状(強い痛み、腫れなど)を抑えます。

2-2. テープ剤

テープのように薄い貼り薬です。非常に密着度が高く、よく動く部位や屈曲する関節などに貼っても剥がれにくくなっています。そのため、効果も持続し、長時間、使用することができます。

デメリットとしては密着度が高いため、剥がれにくく、剥がすときに皮膚へのダメージが出現しやすいこと。

また、長時間の使用で皮膚が痒くなったり、かぶれやすくなるので皮膚のバリア機能が十分ではない子供やバリア機能が低下している敏感肌の人、高齢者には不向きの場合があります。

テープ剤の成分は鎮痛消炎効果のあるNSAIDsが含まれているものが多く、慢性的、持続的な痛み、炎症を抑えます。その他、スポーツをした後の筋肉痛もOK。ただ、筋トレや激しいスポーツをした翌日以降におきる筋肉痛などは筋肉ができる(筋肥大)痛み(遅発性筋肉痛)であることが多く、ストレッチやマッサージなども効果的です。

 

3.塗り薬:ゲル剤・ローション剤・スプレー剤の違い

ぬり薬の剤形は色々ありますが、ボルタレン製品ではゲル剤・ローション剤・スプレー剤が揃っています。

3-1. ゲル剤

ゲル剤はコロイド溶液(※)の粘度が高まって(流動性を失う)ゼリー状になったものです。

皮膚に塗り始めると、体温でゲル剤の温度が上がり、半液体化 (ゾル)し、より広く塗りやすくなります。

冷感もありますが、急性症状の場合はより冷却力の強いパップ剤がおススメです。

(※)コロイド溶液(ゾル):光を通してみたとき、光の入った通路が濁って見える(チンダル現象)液体。例として牛乳、せっけん水、泥水

 

3-2. ローション剤

ローション剤はサラリとしてベタつかず塗りやすい剤形です。アルコール基剤などを添加してあるため、速乾性があります。

 

3-3. スプレー剤

スプレー剤は噴霧剤なので手を汚さずに使え、携帯にとても便利です。デメリットは可燃性があり、また、患部の範囲以上に薬液が付着しやすいので使い過ぎないようにしましょう。

 

では、上記の情報を活用して実際にボルタレン製品を見ていきましょう

 

4.各種の市販ボルタレン外用剤の種類と使用部位の使い分け

ボルタレン製品は第二類医薬品に分類されています。第二類医薬品は第一類医薬品のように薬剤師による直接の指導、説明は必要ありませんが、副作用などの点で注意を要するので、不明な点は説明を求め、解決してから購入しましょう。

 

4-1. 『肩や腰に』ボルタレンEXテープL・ボルタレンEXテープ

テープ剤なので皮膚にしっかりと密着し、24時間、効果が続くため、一日一回の使用でOKです。

寝る前、外出前などに貼るのがおススメです。

 

テープ(7×10cm) 1枚  ジクロフェナク15㎎含有

テープL(10×14cm)1枚  ジクロフェナク30㎎含有

 

ボルタレンの成分であるジクロフェナクが一日量30mg超えないように使用してください。

 

ボルタレンEXテープL・ボルタレンEXテープの副作用や注意点

・ぜん息に罹患している人、薬剤性アレルギーのある人は使用できません。

・テープ剤でかぶれる人は他の剤形に変えてみましょう

その他、15歳未満の小児は使用できないなど、色々な注意がありますので製品に添付してある説明書をよくお読みください。

 

4-2.  『首筋や肩に』ボルタレンEXローション・ACローション

EXローションにはL-メントールが入り、爽快感、効果感がリアルに響きます。一日に3~4回塗るのが適量です。

ボルタレンACロ―ションはL-メントールが入っておらず、無香料です。臭いが気になる人におススメです。

内容量 50g/本

毛が多い部位にもおススメ。ベタつかず、サラリとした使用感です。

 

ボルタレンEX/ACローションの副作用や注意点

・ぜん息に罹患している人、薬剤性アレルギーのある人は使用できません。

・使用量は一週間で50gまで。それ以上の使用は避けてください。

その他、15歳未満の小児は使用できないなど、色々な注意がありますので製品に添付してある説明書を「よくお読みください。

 

4-3. 『膝や関節に』 ボルタレンEXゲル・ACゲル

ボルタレンEXゲルにはL-メントールが含まれ、爽快感、効果感がリアルに響きます。

ACロ―ションは無香料です。臭いが気になる人にはおススメです。

非常に良くよく伸び、ベタツキも少ないので使い勝手のいい製品です。とくに肘や膝などの屈曲部位が痛いときにおススメで、一日、3〜4回塗るのが適量です。

一回に塗る量は「肩・肘・膝」で2~3cm、腰で3~5㎝。しぼりだして塗ります。

 

ボルタレンEX・ACゲルの副作用と注意点

・ぜん息に罹患している人、薬剤性アレルギーのある人は使用できません。

・何度もすりこまないように注意しましょう。ボロボロとはがれおちてしまうことがあります。

その他、15歳未満の小児は使用できないなど、色々な注意がありますので製品に添付してある説明書を「よくお読みください。

 

4-4.  『太ももやふくらはぎに』 ボルタレンEXスプレー

ボルタレンEXスプレーは広範囲に使うことができ、スポーツした後の筋肉痛などに適しています。L-メントールが入っており、爽快感、冷却感も味合えます。

また、手を汚すことなく使えます。一日に3~4回の使用が適量です。

 

ボルタレンEXスプレーの副作用と注意点

・ぜん息に罹患している人、薬剤性アレルギーのある人は使用できません。

・スプレーの噴霧液が予測範囲以上に広がらないように注意しましょう。

その他、15歳未満の小児は使用できないなど、色々な注意がありますので製品に添付してある説明書を「よくお読みください。

 

5.ボルタレン製品の最安値

○ボルタレンEXテープ21枚  1,449円(税込)

○ボルタレンEXローション50g 1,056円(税込)

○ボルタレンEXゲル 50g        1,361円(税込)

○ボルタレンEXスプレー    1,380円(税込)

 

6.まとめ

医療用医薬品だったボルタレンの貼り薬やぬり薬が、ドラッグストアなどでも販売されるようになって久しく経ちます。

安全性が認められているとはいえ、使用方法を間違えれば、副作用に見舞われてしまいます。日頃から自分の体の状態をしっかり把握し、ボルタレン製品を使用しても症状の改善がなければ、早めに受診しましょう。