1.そもそも口内炎とは?

口内炎とは、頰(ほお)の内側や唇(くちびる)の裏、歯茎、舌などの口の中の粘膜部分に出来る炎症のことをいいます。

ひとくちに口内炎といっても、物理的な刺激、栄養不足、疲れやストレス、細菌、ウイルスなど様々な原因が考えられ、原因によって症状が変わってきます。

一般的に口内炎で多く見られ、市販薬で対応できるのは、「アフタ性口内炎」です。円形状の白っぽい出来物が口の中にでき、食事の度に痛みが出たり、しみたりします。栄養不足や身体の疲れ、ストレス、免疫力が低下することによって起こると考えられています。

その他にも、ウイルスが原因となって起こる「ウイルス性口内炎」、粘膜に物理的刺激(傷など)を与えたことによって起こる「カタル性口内炎」、タバコに含まれているニコチンが原因で起こる「ニコチン性口内炎」、特定の食べ物や薬などが原因で起こる「アレルギー性口内炎」などがあります。これらの口内炎では、原因に沿った治療が必要です。

症状によっては、短期間で自然治癒するものもありますが、他の病気が原因で発症しているケースなどもあり、単なる口内炎だからとあなどってはいけません。

 

2.口内炎で困った時に!市販薬15選

口内炎にも様々な原因が考えられるため、症状が続く、ひどい場合には早めに病院を受診することが大切です。市販薬は、症状が一時的、軽症で、あくまでも一時しのぎ用として使用するようにしましょう。

そのことをふまえて、口内炎に効果が期待できる市販薬を解説していきます。

2-1. 病院でも処方される代表的なお薬(ステロイド成分)

病院で処方されるお薬(医療用医薬品)で、口内炎に対して一般的に処方されるお薬のひとつが、トリアムシノロンアセトニドとよばれるステロイド成分を含むものです。ステロイドには、抗炎症作用があり、口の中の炎症を抑え、口内炎による痛みを和らげる効果を期待することができます

 

口の中にステロイドを塗るというと、たまに不安になってしまう方がいらっしゃいますが、ご安心下さい。トリアムシノロンアセトニドは、比較的弱いステロイドで、口の中に塗っても安全なように口腔用の塗り薬として開発されています。万が一、飲み込んだとしても少量でしたら心配はいりません。

但し、漫然と使用を続けるのではなく、必要な期間のみの使用にするようにしましょう。

 

どの市販薬が良いか決められない場合には、こちらのお薬を選ぶと良いでしょう。しかし、感染性の口内炎が疑われる場合や、口の中に感染を伴っている方など口内炎のタイプによっては使用できませんので、よくお薬の注意書きを読み、ご自身に当てはまらないかを確認し、守るようにしましょう。

 

患部に直接塗る(口腔用軟膏)タイプと、貼るタイプのお薬があります。

 

 

直接塗る(口腔用軟膏)タイプ

①ケナログA口腔用軟膏【指定第2類医薬品】/ブリストルマイヤーズ

医療用医薬品であるケナログ口腔用軟膏と成分が同じです。抗炎症作用をもつトリアムシノロンアセトニドを含んでおり、口内炎、舌炎に効能があります。こちらは、塗るタイプのお薬で、1日1〜数回使用できます。小児においても、保護者の管理のもと、使用しても問題ありません。

 

その他の直接塗るタイプの市販薬
・オノフェロ口内炎軟膏【指定第2類医薬品】/協和薬品工業
・トラフル軟膏PROクイック【指定第2類医薬品】/第一三共ヘルスケア    
など

 

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

ワンポイントアドバイス

 

塗った後、飲食を控えた方が成分の浸透が良いので、食後につけることをおすすめします。まずは、歯みがき、うがいなどで口の中を清潔にし、ティッシュ等で口の中の水分を軽くふきとります。
指先、もしくは綿棒等でケナログをとり、患部を覆うように塗ります。1日数回ですので、毎食後や寝る前に塗るとよいでしょう。

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

 

直接貼るタイプ

②アフタッチA【指定第2類医薬品】/佐藤製薬

ステロイド成分であるトリアムシノロンアセトニドを含む、シール型の丸い形をしており、貼るタイプのお薬です。患部に貼ることで、徐々にお薬が放出し、患部に作用します。自然に溶けていきます。貼るタイプなので、飲み込んでしまうということがなく、局所に作用を期待できます。1回1錠、1日1〜2回使用します。5才以上の小児で使用することができます。

その他の直接貼るタイプの市販薬
・トラフルダイレクト【指定第2類医薬品】/第一三共ヘルスケア
・口内炎パッチ大正クイックケア【指定第2類医薬品】/大正製薬  
など

 

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

ワンポイントアドバイス

 

患部が唾液で濡れていると、うまく貼りつかないことがあるため、ティッシュ等で水分を軽く拭き取ります。お薬を貼る際には、鏡をみて行うようにします。

指先に少量の唾液をつけて、貼り付けない面側に指先をあて、お薬を指にくっつけます。次に、お薬の貼り付け面が口内炎を覆うように慎重に貼ります。しっかり張りつくまで押さえます。

※貼り付け面とそうではない面の裏表があり色分けされているため、よく注意しましょう。指先で貼りづらい場合には、綿棒などを使用することもおすすめです。

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

 

2-2. 飲み薬で炎症をおさえたい(トラネキサム酸)

こちらも医療用医薬品としても使用される成分で、トラネキサム酸があります。炎症を引き起こす起因物質であるプラスミンのはたらきをおさえることによって、炎症をおさえ、痛みや腫れを鎮める作用があります。医療の場では、炎症をおさえる作用から、のどの痛みや腫れなどに使用されることが一般的です。こちらは、飲み薬(錠剤)となっています。

 

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

ワンポイントアドバイス


症状によっては、前述で記載した、ステロイド成分を含む市販の塗り薬や貼り薬と合わせて使用しても問題ありません。

ただし、トラネキサム酸は、かぜ薬などに含まれていることが多いため、かぜ薬を合わせて飲まれる場合には、成分が重複しないように飲み合わせに注意しましょう。

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

 

①アスゲンT錠【第3類医薬品】/日邦薬品工業

抗炎症作用をもつトラネキサム酸を含んでいます。その他にも炎症をおさえる生薬成分であるカンゾウ乾燥エキスや、皮膚や粘膜の機能を正常に働かせるビタミンB2 、ビタミンB6及びビタミンCも配合されています。

 

その他のトラネキサム酸を含む市販薬
・トラフル錠【第3類医薬品】/第一三共ヘルスケア
・ハレナース【第3類医薬品】/小林製薬
・オロファニックTX錠【第3類医薬品】/協和薬品工業

 

2-3. うがい薬やトローチで症状を和らげたい(アズレンスルホン酸ナトリウム)

うがい薬やトローチの購入を考えたいときは、こちらの成分に着目下さい。

ステロイド成分と比較すると抗炎症作用が劣りますが、抗炎症作用があり安全性が比較的高い成分で、アズレンスルホン酸ナトリウムがあります。口内炎の炎症を鎮め、痛みを和らげる作用が期待できます。塗り薬をはじめ、うがい薬やトローチ、液剤などのタイプがあります。

 

①水溶性アズレンうがい薬【第3類医薬品】/浅田飴

うがい薬タイプです。抗炎症作用があるアズレンスルホン酸ナトリウムを含み、口の中の炎症をはじめ、のどの痛みや炎症をおさえる作用が期待できます。1日数回使用します。

 

②パブロントローチAZ【第3類医薬品】/大正製薬

トローチタイプです。抗炎症作用があるアズレンスルホン酸ナトリウムをはじめ、グリチルリチン酸ニカリウム、殺菌剤のセチルピリジニウム塩化物水和物を含んでいます。5才から使用することができます。

 

③チョコラBB口内炎リペアショット【第3類医薬品】/エーザイ

液剤のスプレータイプです。抗炎症作用があるアズレンスルホン酸ナトリウムと、殺菌効果のあるセチルピリジニウム塩化物水和物を含んでいます。

 

④パープルショット30ml【第3類医薬品】/白金製薬

液剤のスプレータイプです。抗炎症作用があるアズレンスルホン酸ナトリウムを含みます。メントールを配合しており、使用後は口の中がすっきりした感覚です。

2-4. 口内炎を予防したい(ポピドンヨード)

口内炎の原因となるような菌に対して、口の中の感染予防や口の中の消毒として用いられる成分として、ポピドンヨードがあります。ヨウ素を酸化させた成分で、ヨウ素を緩やかに遊離することで、殺菌消毒作用を示します。主に、うがい薬として用いられます。

 

①イソジンうがい薬【第3類医薬品】/シオノギヘルスケア

うがい薬というと、のどのイメージが強いですが、口の中全体の殺菌・消毒効果を期待して、予防的に用いられます。

3.こんなときは病院へ

3-1. 病院のお薬のほうが、効果が高い?

一概に病院のお薬のほうが、効果が高いというわけではありませんが、病院のお薬では種類が豊富で、原因や症状に合わせた治療が可能です。また、医師の診察によって、適切な治療を受けることができます。

 

多くの口内炎の市販薬の説明文書で記載されているとおり、一般的に、市販薬の対象となる口内炎は、栄養不足や身体の疲れ、ストレス、免疫力が低下することによって起こると考えられている「アフタ性口内炎」です。

 

口内炎の症状が長期で続いていたり、ひどくなっている場合など、その他の原因が考えられる口内炎の場合、病院を受診し、原因を特定することと、原因に応じたお薬、抗菌薬、抗真菌薬、抗ウイルス薬などによる治療が必要となってきます。そのため、市販薬では対処することができません。

 

3-2. こんなときは早めに病院を受診しましょう

第1章で説明しましたとおり、口内炎と言っても様々な原因が考えられます。口内炎の原因によっては、市販薬で対処が難しい場合があります。症状が続く場合には、自己判断で市販薬の使用を続けるのではなく、早めに医療機関を受診するようにしましょう。

 

特に、下記の症状がみられる場合には、早めに医療機関を受診するようにしましょう。

 

・1−2日間、市販薬を使用しても症状が悪化している
・1週間程度市販薬を続けていても症状が変わっていない
・白い出来物が、口の中に広がっている[ガンジダ感染症の疑い]
・口内炎の患部に黄色い膿がみられる[細菌感染症の疑い]
・口の中に小さい水ぶくれが多発している。口の中以外の唇、皮膚にも水ぶくれや発疹がみられる。発熱や、だるさなどの全身症状がみられる[ウイルス感染症の疑い]
・口の中に歯槽膿漏や歯肉炎など感染症を伴っている[ステロイド剤を使用すると症状が悪化する可能性あり]

 

4.まとめ

今回は、口内炎でお悩みの方で、多くの市販薬の中からどれを買えば良いか分からないという方のために、効果的な市販薬の選び方について解説しました。

 

口内炎に効果が期待できる市販薬においても、様々な成分のものがあります。ぜひ、今回の記事を参考にご自身の目的によって使い分けをしていただければと思います。詳しくは、店頭の薬剤師の方に相談するようにしましょう。

 

但し、症状がひどい場合や続く場合には、早めに医療機関を受診しましょう。