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【薬剤師が解説】床ずれに使用できる市販薬|原因から注意点まで解説

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2022/12/29
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厚生労働省の介護保険事業状況報告によると、令和3年10月に地域密着型サービスを受けた人は約90万人にのぼります。できるだけ自宅で過ごしたいという高齢者のニーズにあわせて、地域密着型サービスも拡充されてきて、自宅の介護も楽になってきています。しかし、在宅介護をしていると、床ずれなども発生します。実は、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
床ずれとは、長時間同じ姿勢をとり続けて、圧迫された部分の細胞が死んでしまった状態のことで、特に寝たきりの高齢者では注意が必要です。
床ずれは放置すると治りにくくなり、感染症などを引き起こす原因になることもあります。

この記事では、床ずれの原因や注意点、使用できる市販薬について説明します。ぜひ参考にしてください。

くすりの窓口医師・薬剤師が
選んだ市販薬を紹介

  • 経験① 現場でよく聞かれる質問
    経験① 現場でよく聞かれる質問
    現場で聞かれる薬の効果や副作用、飲み合わせの注意点等をご説明します。
  • 経験② 現場で教える医薬品
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  • 視点① ユーザー目線で解説
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床ずれとは?


医師

野口 哲央さんのコメント

寝たきりになったり車椅子生活など、自由に体を動かせなくなると、体重で長時間圧迫された皮膚が赤くなったり、ただれや潰瘍になったりすることがあります。
これが床ずれで、医療現場では「褥瘡(ジョクソウ)」とも呼ばれます。床ずれでは、ベッドや布団に触れている部分の皮膚、皮下組織、筋肉などの細胞が、圧迫によって細胞が死んでしまっています。自分で寝返りが打てない状況の方であれば、年齢に関係なくおこるのですが、特に寝たきりの高齢者では注意が必要です。
ここでは床ずれとは何が原因なのか。どのような治療・予防が行われるのかについて解説します。

①:床ずれの原因

床ずれになる原因には、次の5つがあげられます。
・圧迫:同じ部位が長時間圧迫され血流が行き届かなくなったため、十分な酸素や栄養が細胞に供給されない。
・牽引:血管が引っ張られるので、圧迫されたときと同じように、皮膚への血流が少なくなってしまう。
・摩擦:衣類や寝具との摩擦で、皮膚の表面がすり減ってしまう。
・湿気:汗、尿、便などの湿気で摩擦が増強される。
・栄養不足:低栄養状態で体脂肪が減り、骨が目立って、クッション性が失われる。特に、タンパク質やビタミンC、亜鉛などの不足が、細胞の修復をさまたげる。
 
健康な人であれば、睡眠中も寝返りを打つなどして、体の位置を変えています。しかし寝たきりになり、体が動かせなくなると、寝具に、骨などが長時間あたったままになってしまいます。こうなると、体重が長時間かかって、圧迫されるので床ずれを起こしやすくなります。床ずれにならないようにするためには、これらの要因を取り除くことが大事です。

②:床ずれの症状

床ずれは以下のように急性期と慢性期に分けられます。
急性期:症状が出てから1〜2週間程度。皮膚の赤み、紫斑、水疱などができる。
慢性期:急性期以降。
 
慢性期は床ずれの傷の深さによって、さらに細かく分類されます。
・浅い床ずれ:皮膚症状は急性期と同様で、新しい皮膚が再生しやすく、1ヶ月程度の短期間での治療が見込まれる。
・深い床ずれ:組織の壊死がみられ、脂肪層や筋肉、ときには骨までが露出していることもある。感染を起こしやすく、治療には数ヶ月から1年以上かかることもある。
 
初期の床ずれは、通常は多少の痛みやかゆみを感じますが、老人など感覚が鈍くなっている人では、症状がひどくなっても、自覚症状がない場合もあります。そのため、介護する側のこまめな観察が欠かせません。
 
このような床ずれは、圧力のかかりやすい骨の突出した部位にできやすく、仰向けでは後頭部、肩甲骨、仙骨部、かかとなど、横向きでは耳、肩、肘、大転子部、くるぶしなどに、おきやすいとされています。

③:床ずれの治療

医療機関では、床ずれの治療として外用薬を塗るほか、次のようなことをおこないます。
・体圧の分散:頻繁な体位変換、エアマットなどの使用。
・洗浄とドレッシング:傷の洗浄と壊死組織の除去(デブリドマン)、ドレッシング剤の使用。
・痛みの管理:痛み止めの内服(アセトアミノフェンや非ステロイド性消炎鎮痛剤)
・感染の管理:抗菌薬の塗布、内服、注射など。
・栄養管理:栄養状態の改善。
床ずれが深く大きい場合は、皮膚移植などの手術が行われることもあります。
 
急性期と慢性期の浅い床ずれには、主に傷口の保護と適度な潤いの維持が大切です。
慢性期の深い床ずれには、壊死した組織を取り除き、塗り薬やドレッシング剤で皮膚を再生させ、傷口を小さくする処置がおこなわれます。

④:床ずれの予防


床ずれは早めの治療をすれば、なおりやすいのですが、何よりも予防することが大切です。

予防策としては、以下のようなものがあげられます。
・1〜2時間ごとに体位交換をする。
・皮膚を清潔に保ち、こまめにケアする。
・自分で体を動かせるように、リハビリを行う。
・栄養状態を維持する。


床ずれの治療薬は?使い分けのポイント


床ずれの治療薬は?使い分けのポイント

医療現場においては、床ずれの外用薬は数多く存在し、床ずれの状態により使い分けられています。
治療に用いられる外用薬は、「褥瘡予防・管理ガイドライン(第4版)」で次のように推奨されています。
ただし、ここで紹介する薬は、市販されていないものが多くあります。治療にあたっては医師の指示に従うようにしましょう。

ポイント①:発赤・紫斑がある場合

患部の保護が重視されるため、ドレッシング材の使用が主体となります。外用薬を用いる場合は、アズノール軟膏や亜鉛華軟膏など、創面保護作用の高い油脂性基剤の外用薬を用いてもよいとされています。

ポイント②:水疱ができている場合

水疱が小さい場合は、発赤・紫斑の場合と同様の対応が推奨されています。ドレッシング材を使用する場合は、水泡疱を破らないようにすることが大事です。

ポイント③:びらんや浅い潰瘍ができている場合

びらんや浅い潰瘍がある場合には、傷口の保護に加え、適度に湿潤を保つことも重要となります。
アズノール軟膏、亜鉛華軟膏に加え、上皮形成促進を期待して、プロスタンディン軟膏やアクトシン軟膏、リフラップ軟膏などを使用してもよいとされています。

ポイント④:滲出液がある場合

滲出液が多い場合は、カデックス軟膏、ユーパスタコーワ軟膏が推奨されています。また少ない場合は感染創ではゲーベンクリーム、非感染創ではオルセノン軟膏などを用いてもよいとされています。

ポイント⑤:感染や炎症がみられる場合

床ずれの傷に感染や炎症が見られる場合は、カデックス軟膏、ゲーベンクリーム、ユーパスタコーワ軟膏などの感染制御作用を有する外用薬が推奨されています。
使用の際には、創部をしっかりと洗浄して清潔にすることが大切です。


【厳選】軽度の床ずれを改善するのにおすすめの市販薬 3選


床ずれ治療の基本は、患部の保護と適度な潤いを保つことです。
特に重症化させないために、患部の保護が重要です。
褥瘡予防・管理ガイドラインでも、保護効果の高い白色ワセリンや白色ワセリンを使った外用薬がよく使われるとされています。
床ずれを改善するための外用薬の多くは医師による処方が必要ですが、白色ワセリンは薬局やドラッグストアでも購入可能です。床ずれに使用できる外用薬も種類は少ないですが市販されています。
皮膚にわずかな赤みがある程度の床ずれであれば、このような市販薬と体位変換を頻繁に行うことで様子をみてもいいでしょう。
ここでは、軽度の床ずれにおすすめの市販薬3選をご紹介します。

薬剤師おすすめ

アクセス数1位

協和新薬株式会社

コーフル

最安値 1,487 (税込)

ビタミンA、D2が皮膚の再生を助ける

収れん、消炎効果のある酸化亜鉛と殺菌効果のあるアクリノールを配合した油性軟膏です。傷口からガーゼがはがれやすく、ガーゼや包帯の交換も痛みません。
添加物に配合されたビタミンA、ビタミンD2が、新しい皮ふ組織を作るのを助けます。

分類 第3類医薬品
有効成分(含有量)/主成分(含有量) 100g中;
アクリノール(0.5g)、酸化亜鉛(5g)
添加剤として、白色ワセリン、タルク、モクロウ、パラフィン、カンフル、ビタミンAアセテート、ビタミンD2、を含む。
効果・効能 火傷(やけど)、切疵(きりきず)、擦過傷(すりきず)、凍傷、乳ぎれ、汗疱(初期のあせも)、皮ふのただれ、床ずれ、くつずれ、汗疹(あせも)、潰瘍、湿疹、肛門周囲炎、会陰裂傷、口唇周囲炎、臍帯脱落後のびらん
用法・用量 1日2~3回患部に適量をすりこむか,又はガーゼにのばして貼ります。
薬・サプリメント・食品のタイプ 軟膏
妊娠中・授乳中の使用 使用可能
使用が可能な年齢 年齢制限なし
包装規格 90g
小売希望価格(税込) 2,640円
ステロイドの有無 ×
抗炎症成分の有無
殺菌成分の有無

薬剤師おすすめ
大木製薬

コーフルS 30g

最安値 935 (税込)

この商品の最安値はこちら! 楽天で見る 935円(税込) 送料要確認

ゾロ目の日クーポン争奪戦 Yahoo!ショッピングで見る 1,280円(税込) +送料別

肌の新陳代謝を活発にするビタミン成分配合

有効成分アクリノールと酸化亜鉛に加え、皮膚の再生を助けるビタミンA,ビタミンD2,皮ふの浸透性を高めるビタミンE,スクワランを配合。4つの基剤、スクワラン、オリブ油、白色ワセリン、セタノールが皮膚を保護し保湿します。

分類 第3類医薬品
有効成分(含有量)/主成分(含有量) 100g中;
アクリノール(500mg),酸化亜鉛(:5,000mg)
添加物としてビタミンA油,エルゴカルシフェロール,ジパルミチン酸ピリドキシン,トコフェロール,dl-カンフル,スクワラン,オリブ油,白色ワセリン,セタノール,香料を含む
効果・効能 湿疹,汗疱,あせも,皮膚のただれ,床ずれ,肛門周囲炎,口唇周囲炎,臍帯脱落後のただれ,靴ずれ,火傷,すり傷,外傷,乳ぎれ,会陰裂傷,凍傷
用法・用量 1日1回~数回、患部に塗布 又は貼用する。
薬・サプリメント・食品のタイプ 軟膏
妊娠中・授乳中の使用 使用可能
使用が可能な年齢 年齢制限なし
包装規格 30g
小売希望価格(税込) 1,320円
ステロイドの有無 ×
抗炎症成分の有無 ×
殺菌成分の有無

薬剤師おすすめ
健栄製薬

白色ワセリンP 500g

最安値 611 (税込)

皮膚の荒れや傷口を保護して乾燥から守る

軟膏基剤としても使われる白色ワセリンが、ヒビ、アカギレや肌荒れ、床ずれを起こした肌を保護。水分の蒸発を防ぎ、乾燥など外部の刺激からお肌を守ります。

赤ちゃんにも使える成分で、口周りや目元をはじめ全身に使用可能です。

分類 第3類医薬品
有効成分(含有量)/主成分(含有量) 1g中;日局白色ワセリン(1g)
効果・効能 手足のヒビ、アカギレ、皮ふのあれ、その他皮ふの保護
用法・用量 そのままを患部にうすく塗ってください。
薬・サプリメント・食品のタイプ 軟膏
妊娠中・授乳中の使用 使用可能
使用が可能な年齢 年齢制限なし
包装規格 500g
小売希望価格(税込) 1,716円
ステロイドの有無 ×
抗炎症成分の有無 ×
殺菌成分の有無 ×


商品比較表


商品名

協和新薬株式会社コーフル

アクセス数1位

大木製薬コーフルS 30g

健栄製薬白色ワセリンP 500g

最安値

1,487円(税込)

送料:別 Yahoo! 詳細を見る

935円(税込)

送料:要確認 楽天 詳細を見る

611円(税込)

送料:別 Yahoo! 詳細を見る
特徴 ビタミンA、D2が皮膚の再生を助ける 肌の新陳代謝を活発にするビタミン成分配合 皮膚の荒れや傷口を保護して乾燥から守る
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市販薬を使用するときのポイントや注意点について


市販薬を使用するときのポイントや注意点について

床ずれの治療には、発生直後の急性期のうちに、原因を取り除き慢性化を防ぐことが大切です。
そこで、床ずれに市販薬を使用する場合の注意点について解説します。

使用するときのポイント・副作用はあるの?

床ずれで市販薬を使えるかどうかは、患者の状態によっても違います。使用するときには、できれば医師やケアマネージャーに相談してからにしてください。
 
床ずれに使用できる白色ワセリンやコーフル、コーフルSは、赤ちゃんからお年寄りまで使用できる薬です。副作用はほとんどありませんが、使用していても症状が改善しない場合や、悪化する場合には直ちに使用を中止してください。また、感染症を防ぐためにも、使用に際しては患部を清潔にしてから使用してください。

こんなときは病院へ

床ずれは放置するとすぐに進行してしまいます。「床ずれかな?」と思ったときは、すぐに医師の診察を受けましょう。
 
市販薬を使用する場合でも、あらかじめ症状を見慣れた医師やケアマネージャーに説明し、状態をプロの目でみてから、使用するのがおすすめです。症状が改善しなかったり、悪化したりようなら、担当医師に相談してください。
 
床ずれはまず予防することが大切です。しかし在宅で介護する場合、床ずれの管理やケアは、家族に大きな負担がかかります。抱え込まずに、医師や看護師、ケアマネージャーに相談するようにしましょう。


『床ずれ』に関するQ&A


『床ずれ』に関するQ&A

在宅で介護をしているときに、床ずれができてしまうと、どのように対応したらいいのか不安になることでしょう。
ここまでの説明以外にも、疑問や不安に思う点もあるかもしれません。
以下によくある質問をQ&Aとしてまとめました。ぜひご参考にしてください。

「床ずれかな?」と思ったときは、何科を受診すればいいですか?
皮膚科、形成外科、整形外科をはじめ、多くの診療科の医師が、床ずれの治療をしています。何科を受診すればよいか迷ったときは、かかりつけ医や担当のケアマネージャーに相談するといいでしょう。
床ずれにステロイド外用薬は使用してもいいですか?
ステロイド外用薬は皮膚の免疫力を低下させる作用があります。床ずれは感染をおこしやすい状態ですので、床ずれによる感染症状を悪化させるリスクがあるステロイドは使用しません。
床ずれはどのような状態だとなりやすいですか?
寝たきり、けがや体の麻痺により自分で体を動かすことができない場合や栄養不良などで痩せた状態で、骨が飛び出している場所がある方は、床ずれになりやすくなっています。
こまめに体位交換をする、エアマットなど体圧が分散できる寝具を使うなど対応をすれば、発生を予防することができます。
床ずれができていてもお風呂に入っていいですか?
床ずれは患部を洗浄して清潔にするのも大切です。入浴は皮膚を清潔にし、血行も良くなるので、床ずれ改善に役立ちます。
ただし傷口は石鹸やボディソープでは洗わないようにしてください。傷口は洗浄ボトルなどを使って、生理食塩水か水道水で洗浄します。このとき、冷たすぎないようぬるま湯を使うと良いでしょう。
体位変換は何時間おきにすればいいですか?
体位変換は横になっている場合は2時間ごと、座っている場合は30分〜1時間を目安に行うことが推奨されています。適切な体位変換の時間は患者の状態によっても変わってきますので、まずは医師や看護師に相談してください。


まとめ


まとめ

床ずれの原因や治療方法、おすすめの市販薬について解説してきました。
床ずれは早期に適切な治療を行えば、よくなりやすいですが、放置をしたり適切な処置をしなかったりすれば重症化することもあります。一度床ずれがひどくなると、治るまで非常に時間がかかってしまいます。
「床ずれかな?」と思ったときは、早めに医師や看護師、ケアマネージャーに相談し、適切な対処をすることが大切です。
治療薬も患部の状態で使用するものが違ってきます。自己判断で市販薬を使用することは、避けた方が無難です。市販薬を使いたいときは、まずは医師に相談してから使うようにしましょう。

※掲載内容は執筆時点での情報です。

  • 平 博子 薬剤師

    執筆者

    明治薬科大学卒業。 製薬会社の開発、医薬品卸の管理薬剤師を経験後、半年ほど語学留学のため渡英。帰国後は都内の調剤薬局に勤務後、奄美の離島の病院薬剤師として離島僻地医療を経験。 10年前に生まれ故郷の千葉に戻...

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