やけどをした際、流水で十分に冷やしたつもりでも、時間が経つと再び痛み出すことがあります。
なぜ冷却処置を行っても痛みがぶり返してしまうのでしょうか。
使用時の注意点やポイント
自分に合った薬を選んでも使い方が間違っていると効果が半減したり、逆に悪化させてしまうことがあります。
やけどを早くきれいに治すために、必ず守っていただきたいポイントを解説します。
水ぶくれを潰さない・刺激を避ける
やけど治療において最も大切なルールのひとつが「水ぶくれ(水疱)は絶対に潰さない」ことです。水ぶくれの中にある液体(浸出液)には、傷を治すための成分が含まれており、水ぶくれの皮自体が患部を雑菌から守っています。
無理に潰してしまうとそこから細菌が入り込み、化膿したり治りが遅くなる原因になります。
もし自然に潰れてしまった場合は、薄皮を無理に剥がさず、その上からたっぷりと軟膏を塗り、清潔なガーゼで保護してください。
顔やデリケート部位への使用注意
顔や首、陰部などの皮膚は、手足に比べて非常に薄く、薬の吸収率が高いという特徴があります。そのため、腕や足には使える薬でも、顔には刺激が強すぎる場合があります。
特に、抗生物質やステロイドが含まれている軟膏を顔に使用する際は注意が必要です。
目の周りへの使用は眼圧上昇などのリスクがあるため、基本的には避けるか眼科用軟膏を使用すべきです。
顔のやけどに関しては、跡が残ると美容的な問題も大きいため、自己判断せず早めに皮膚科を受診することをおすすめします。
子ども・妊婦・高齢者の使用可否
やけどに使用できる外用薬の多くは子どもから高齢者まで、使用できるものが多いです。特にワセリンや酸化亜鉛、紫雲膏などは成分が穏やかであるため、年齢を問わず使うことができます。
ただし、ステロイド成分には注意が必要です。ステロイドは一般的に強さによってstrongest(最も強い)〜weak(弱い)の5段階に分類されていますが、市販薬に使用されるステロイドは、strong(強い)〜weak(弱い)の作用が穏やかな成分に限られています。
2歳未満の子どもや皮膚の薄い顔の表面に使用する場合は、medium(普通)もしくはweak(弱い)のいずれかが望ましいです。商品によって、使用可能な年齢が異なるので、必ず使用前に確認しましょう。また、やけど市販薬の多くは、姙娠中や授乳中でも使用できますが、必ず使用前に用法用量とあわせて使用上の注意を確認してください。使用可否について迷った際は、医師や薬剤師に相談しましょう。
『やけど』『市販薬』に関するQ&A

やけどや市販薬について、よくある質問とその回答をまとめました。やけどの痛みややけど跡で悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
適切な冷却はやけど治療の基本ですが、氷を直接患部に当てたり、氷水で長時間冷やしたりすると、組織が凍傷を起こすことがあります。凍傷は細胞が凍結することで組織が損傷する状態で、やけどとは逆のメカニズムですが、同様に組織破壊を引き起こします。特に子どもや高齢者は皮膚が薄く、凍傷を起こしやすいため注意が必要です。
また、長時間の過度な冷却は血流を極端に低下させ、組織への酸素や栄養供給を妨げるため、かえって治癒を遅らせることがあります。適切な冷却時間は15分から30分程度で、水温は15度から25度程度が理想的です。流水または水で濡らしたタオルで優しく冷やし、氷は使用しないようにしましょう。
やけどのケアにおいて「保湿」は非常に重要ですが、使うものを選ばなければなりません。 治療中のやけどに対して、化粧水や乳液、香料入りのクリームなどを使うのはNGです。これらに含まれる添加物が傷口を刺激し、炎症を悪化させるおそれがあります。
治療段階の保湿としては、患部の保護効果も期待して刺激の少ない白色ワセリンなどの油性成分を使用しましょう。やけど跡ケアには、ヘパリン類似物質などの保湿剤を使って皮膚を柔らかくすることが推奨されます。
やけど跡を残さないためには、受傷直後の初期対応と、その後の継続的なケアが重要です。まずは、できるだけ早く患部を冷却することがポイントです。15〜30分しっかり冷やすことで、皮膚の深部まで熱が及ぶのを防ぎ、将来的な瘢痕形成のリスクを抑えることができます。
次に、感染を防ぐことが大切です。感染が起きると炎症が長引き、瘢痕が残りやすくなります。水ぶくれは潰さず、傷口は清潔に保ち、必要に応じて抗菌薬を含む外用薬を使用してください。
さらに、治癒後の紫外線対策も欠かせません。やけど後の皮膚は色素沈着を起こしやすいため、数ヶ月間はきちんと日焼け止めなどのUVケアを徹底しましょう。
まとめ

やけどを冷却しても痛みが続く場合は、皮膚の深部に熱が残っていたり、炎症が進行している可能性があります。
まずは15〜30分の適切な冷却が基本ですが、それでも痛みが和らがない場合は、Ⅱ度以上のやけどであることが考えられ、早めの適切な対応が求められます。
やけどは日常生活の中で誰にでも起こり得るケガですが、正しい知識を身につけておくことで、痛みを軽減し、跡を残しにくくすることができます。本記事の内容を参考に、万が一のときに落ち着いて対処できるよう備えておきましょう。