目次
薬を飲み忘れることによって考えられるデメリット

薬を飲み忘れてしまうと、メリットが得られないだけでなく、いくつものデメリットが考えられます。
定期的に使用している薬剤が入ってこなければ、体内の血中濃度が一定でなくなる他、期待される効果も発揮できません。
たかが飲み忘れと軽視せず、考えられるデメリットも認識してください。
薬の効き目が出ない
薬の効き目が出るためには、薬剤が有効血中濃度に達していなければなりません。そのため、飲み忘れることによって薬剤が血中で効果を発揮できる領域まで達していなければ効果が得られなくなります。
ただし、慢性的な疾患で継続して使用している場合、1回飲み忘れたからといって効果がゼロになるわけではないため、うっかり飲み忘れても焦らなくても大丈夫です。
副作用が起こりやすくなる
薬の飲み忘れは、効き目が出ないだけでなく、副作用への影響も考えられます。例えば、抗生物質を飲み忘れることで抗菌効果が低下するだけでなく、耐性菌も起こりやすくなってしまいます。
また、糖尿病の薬剤は飲むタイミングも非常に重要となります。そのため、食直前の薬剤を飲み忘れて食後に服用することで、薬効を得られないだけでなく、低血糖や動悸、痙攣などを引き起こすことも考えられます。
病気が悪化する
薬の飲み忘れが頻繁になると、安定していた薬剤の血中濃度が低下して薬の効果が現れない血中濃度になってしまいます。薬剤の有効血中濃度を下回ると、期待される効果が得られずに疾患が悪化してしまう可能性があります。
今まで安定していた病気であれば、たまに飲み忘れた程度で急激に悪化することは考えにくいですが、度重なる飲み忘れには注意が必要です。
薬が余る
薬が余っていくことで手元の薬剤が増えすぎると、どれを飲めばいいのか・どれを飲んだのか分からなくなることがあります。また、治療中に薬剤が変更になった場合などは、薬を飲み間違えるリスクも高まります。
手元に薬がたまってしまった、他の薬剤との数が合わなくなってしまったなどのトラブルが発生した場合は、かかりつけ薬局・薬剤師に相談すると解決の手伝いをしてくれます。
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薬を飲み忘れた際の対応

では、薬を飲み忘れてしまった場合はどのように対応すればよいのでしょうか。
「薬」と一言でいっても、作用持続時間や特性によってさまざまです。
対処法の目安としては、1日の服用回数を参考にするとよいでしょう。何時間空けるべきかも目安として記載したため参考にしてみてください。
1日1回飲む薬の場合
1日1回の服用方法の薬剤の場合は、基本的に効果が1日続くようにできています。そのため、飲み忘れに気づいたらすぐに服用しましょう。
しかし、次の服用時点までの時間が短い場合は、1回分は飛ばして、翌日からまた服用を開始してください。1日1回、朝に服用する薬剤の場合は、午前中であれば飲み忘れに気づいた時に服用するべきですが、午後になってしまった場合はスキップして翌朝からまた飲みはじめましょう。
目安として、1日1回飲む薬の場合は次の服用までには8時間以上の間隔が必要です。
しかし、例外として起床時に服用する骨粗鬆症の薬剤など特別な飲み方をする場合はこれに当てはまりません。
また、利尿剤や睡眠剤、下剤なども夜や寝る前など服用時点が厳密に決まっている薬剤なので服用時間を厳守してください。
1日2回飲む薬の場合
1日2回飲む薬剤の場合は、基本的に次の服用までには5~8時間の間隔が必要です。薬の種類にもよりますが、しっかり服用間隔があけられる場合は、飲み忘れに気が付いた時点で服用しましょう。
抗インフルエンザ薬や、抗ウィルス薬など1回目を早く服用した方がいい薬剤もあるため、患っている病気に合わせた対応が大切です。
1日3回飲む薬の場合
1日3回飲む薬剤の場合は、1回飲み忘れてしまうと、次の服用までの時間によって飲むか飲まないかが決まります。飲み忘れに気が付いた時点で、次の服用まで4時間以上の間隔がある場合はすぐに服用しましょう。
しかし、次の服用までの間隔があまりない場合は1回分の服用は飛ばします。
なお、1日3回飲む薬でも、糖尿病の薬には「食直前」という服用方法の薬剤があります。そのような薬剤は、飲み忘れて食事をしてしまった場合は服用することができません。
また、「食直後」という飲み方の薬剤も、食事をして時間が経った場合は適切な効果が得られなくなります。
不安な場合は医師・薬剤師に相談を

1日の服用回数での飲み忘れ対応は、あくまで一般的な目安です。
薬によっては、飲み忘れた場合に異なる対応が必要なケースもあります。
そのため、特殊な薬を飲んでいたり、自己判断に迷うことがあったりと不安がある場合は医師や薬剤師に相談してください。
骨粗鬆症の治療薬などは、飲み忘れ場合は、薬剤の性質から翌日へ持ち越すことがあります。
対応が分からないときには、ご自身での判断は避けて専門家の指示を仰いでください。
飲み忘れを防ぐためのアイデア
薬の飲み忘れを防ぐためには、いくつかのアイデアや方法があります。
自分に合ったアイテムを使用すると、うっかり飲み忘れを予防することが可能です。
どのようなアイデアがあるのか、詳しくご紹介します。
アラームやリマインダーアプリの活用
スマホのアプリには、薬の飲み忘れを防ぐためのアプリがたくさんあります。服薬スケジュールを管理できるものや、服用時間になるとアラームで教えてくれるもの、残薬をチェックしてくれるものなどさまざまなタイプがあるため、使いやすい機能を選ぶとよいでしょう。
飲み忘れが多い人は、アラームで服薬を教えてくれるサービスがおすすめです。
おくすりカレンダーの活用
お薬カレンダーは、1回分の薬剤をポケットに入れることができる壁掛けの便利なアイテムです。簡易なものなら100円ショップでも購入できます。しっかりした作りのタイプが希望であれば、薬局で注文・取り寄せも可能です。
曜日ごとに仕切られたポケットに1回分の薬を入れておくと、一目瞭然で飲み忘れに気づけます。また、家族が見てもすぐにわかるため、声掛けによる飲み忘れ防止にも役立つでしょう。
壁にかけるタイプ以外にも、お薬ボックスのような箱型のものや引き出しタイプもあるため、ライフスタイルに合わせて選べます。
薬を一包化してもらう

医師の診察や薬局での投薬のタイミングで薬の一包化を相談してみるのもおすすめです。
薬剤を1回分ずつ分包してもらうことで、飲み忘れや飲み間違いを予防することができ、薬がなくなることも防げます。
特に、1回で飲む錠数が多い方や、飲むタイミングが1日に複数回ある方は、一包化を希望することで負担が軽減するでしょう。
薬局にお願いすると、薬袋に日付を印字してくれるところもあります。
ただし、一包化の場合は通常の調剤料にプラスの料金が発生するため、あらかじめ薬剤師に相談しておくと安心です。
「薬の飲み忘れ」に関するQ&A

薬の飲み忘れについてよくある疑問や質問をまとめました。
飲み忘れた場合でも、慌てず冷静に対処すれば大体問題はありません。
もしもの場合でも、パニックにならないように、対応方法や基礎知識を事前に確認しておきましょう。

飲み忘れ分も飲まなければいけないと感じるかもしれませんが、一気に2回分を服用することで急激に血中濃度が上がってしまいます。
そうすると、薬物の治療域を超えて、副作用が発生する領域に行ってしまうことが考えられます。
しかし、抗生剤や厳密に飲み方が決められたステロイドなどの薬剤をうっかり飲み忘れてしまった場合は、気づいた時点で医師や薬剤師に指示を仰いでください。


薬の処方は、その時の症状に合わせているため、時間が経った薬をまた具合が悪くなったときに自己判断で使用するのは危険です。
その時の症状に合ったのもを随時服用してください。
しかし、慢性疾患で薬が変わらない場合は、残薬の古い方から服用してもかまいません。薬が手元に多く余って困るときは、薬剤師に相談すると整理してくれます。


しかし、抗生物質は途中でやめてしまうと効果に影響するだけでなく、耐性菌の問題にも関わるため処方分を飲み切ることが大切です。
また、血圧や糖尿病など、慢性的な病気で薬剤を使用している場合は、医師に飲み忘れた回数や、飲まなかった時期の体調などを報告してください。医師・薬剤師は、薬が処方された場合はしっかり飲んでいることを前提に話をするため、飲み忘れが多い場合は自己判断で解決せず、正確な情報を伝えることが重要です。

まとめ

適切に使用すれば効果が得られる「薬」ですが、使い方を間違えるとリスクにもなり得ます。
最大限の効果を期待しつつ、いかに適正に使うかを知っておくことが、副作用の発現を抑えて効果を得るポイントです。
自己判断で誤った使い方をしないよう、事前に飲み忘れ時の対応をかかりつけ医師や薬剤師に確認しておくことをおすすめします。
薬によっては、食事の影響を受けるもの、食品やサプリメントとの相互作用に注意するものなどもあるため、不安がある場合は必ず専門家に確認してから服用してください。
参考文献
※掲載内容は執筆時点での情報です。























