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ヒトパピローマウイルス(HPV)とは?|感染経路・症状・ワクチンでの予防方法を解説

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2025/4/25
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ヒトパピローマウイルス(HPV)は、性行為を通じて感染するウイルスで、女性の多くが一度は感染するといわれています。感染しても自覚症状がないケースが多く、気づかないうちに体内でウイルスが長期間残り、病気につながることもあります。
本記事では、HPVの基本的な知識から、治療や予防法、ワクチンの接種対象とスケジュールまで幅広く解説します。HPVについて正しく理解したい方やワクチン接種を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

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ヒトパピローマウイルス(HPV)とは?


薬剤師

篠原 奨規さんのコメント

ヒトパピローマウイルス(HPV)は、女性の多くが一度は感染すると言われており、特に子宮頸がんとの関係が明らかになっています。
発見当初は原因不明だった子宮頸がんですが、1980年代にこのウイルスが主な要因であることが明らかとなり、医療の現場では大きな転換点となりました。HPVにはさまざまな型が存在し、その中にはがんの発症に関わるものも含まれています。

治療方法

HPVに感染しても、体の免疫力によって自然にウイルスが排除される場合がほとんどです。

しかし、長期間にわたってウイルスが体内にとどまると、子宮頸がんなどの病気につながるリスクがあります。子宮頸がんが見つかった場合は、進行度に応じて手術などの治療が行われます。ごく初期の段階であれば、簡単な治療で済むかもしれませんが、進行すると子宮の一部、または全体を切除する場合もあります。その結果、将来的に妊娠が難しくなる可能性もあるでしょう。

感染者の多さと影響

HPVは身近なウイルスであり、気づかないうちに感染していることも少なくありません。

厚生労働省の公式サイトによると、子宮頸部に異常がない女性でも、10〜20%ほどがHPVに感染しているとされています。さらに、性行為の経験がある女性の多くが、生涯に一度は感染すると言われています。なお、子宮頸がんについては、国内で毎年約1万人が診断されており、特に20代以降から発症しやすくなり、40代で最も多く見られる傾向があります。


HPV感染の主な症状とリスク


HPV感染の主な症状とリスク

HPVに感染しても、自覚症状はなく、自然に治るケースがほとんどです。

しかし、一部の型では感染が長く続き、子宮の細胞に異常が起きることがあります。これが「前がん病変」と呼ばれる状態で、放置すると数年かけて子宮頸がんに進行することも少なくありません。

特に注意が必要なのは、初期の子宮頸がんにはほとんど症状がない点です。気づかないうちに進行することがあるため、定期的な検診が大切です。子宮頸がんが進行すると、生理以外の出血や性行為時の出血、おりものの変化、下腹部の痛みなどが見られます。さらに、症状が進むと腰の痛みや排尿時の異常、血の混じった尿などが現れることもあります。


予防方法について


HPVの感染を防ぐためには、HPVワクチンの接種が有効です。特に、子宮頸がんの原因になりやすいHPV16型・18型に対して高い効果があり、子宮頸がんを防げると考えられています。ワクチンの感染予防効果は、少なくとも12年間は持続することも確認されています。

特に、ワクチン接種で気になるのが副反応です。HPVワクチンの接種後に、接種部位の痛みや腫れが起きることがあります。アレルギー症状や神経系の症状など重い副反応が起きることはまれですが、もしも健康被害が生じた場合には、国による救済制度を利用できます。

また、HPV感染によるがんの発症を早い段階で防ぐためには、定期的な子宮頸がん検診も欠かせません。20歳以上の女性には、2年に1回の「子宮頸部の細胞診」が推奨されており、細胞の変化を早期に見つけることが可能です。

加えて、2024年4月からは新たな検診方法として「HPV単独検査法」も一部の自治体で導入され始めています。この方法では、子宮頸部の細胞にHPVが感染しているかどうかを調べる「HPV検査」を先に行い、その結果が陽性だった場合のみ、同じ検体を使って追加の「子宮頸部の細胞診(トリアージ検査)」を実施します。検診の内容や受診できる医療機関は自治体によって異なるため、詳しくはお住まいの市区町村に確認するとよいでしょう。

接種対象とスケジュール

日本では現在、小学6年生から高校1年生相当の女の子を対象に、HPVワクチンを無料で受けられる制度があります。対象となる人は、接種の時期や回数を確認して、忘れずに受けるようにしましょう。

接種できるワクチンは、2価(サーバリックス)、4価(ガーダシル)、9価(シルガード9)の3種類があります。ワクチンの種類や接種を始める年齢によって、必要な回数や間隔が異なります。

たとえば、サーバリックスは3回接種で、1回目のあと1か月あけて2回目、さらにその5か月後に3回目を打ちます。ガーダシルも同じく3回接種で、2回目は2か月あけて、3回目はその4か月後に接種します。

シルガード9は、15歳未満で接種を始める場合は1回目から5か月以上あけて2回目を受けるのみです。ただし、接種間隔が短かったり、15歳以上で始める場合は3回の接種が必要になります。

なお、公費の対象年齢を過ぎてしまっても、自費でワクチンを受けることは可能です。費用は自己負担になりますが、希望する方は医療機関に相談してみてください。

HPVワクチンの接種は、住んでいる市区町村ごとに行われています。接種の方法や予約の仕方は地域によって違うため、詳しくはお住まいの自治体に問い合わせて確認しておきましょう。


『ヒトパピローマウイルス 』に関するQ&A


『ヒトパピローマウイルス 』に関するQ&A

最後に、ヒトパピローマウイルスに関する質問へ回答します。

男性もHPVワクチンを受けるべき?
男性でもHPV感染が心配な方は、HPVワクチンの接種を検討しましょう。

HPVは女性だけでなく男性も感染します。HPVに感染すると、中咽頭がんや肛門がん、尖圭コンジローマなどにつながるため、ワクチンによる予防が効果的です。また、自分を守るだけでなく、パートナーへの感染を防ぐことにもつながります。

2025年4月現在、日本で男性への使用が承認されているHPVワクチンは4価ワクチン(ガーダシル)のみです。なお、男性は任意接種のため、全額自己負担となります。
すでにHPVに感染している場合、ワクチンは意味がある?
HPVにはさまざまな型があり、すでに感染していても、別の型の感染を防ぐ目的でワクチンが使われることがあります。今後の感染リスクを下げるためにも、気になる方は医療機関に相談してみてください。
HPV感染を防ぐためにできることはある?
HPVは性行為を通じて感染するウイルスですが、コンドームだけでは完全に防ぐことはできません。カバーされない皮膚部分からもうつるため、感染を完全に避けるのは難しいとされています。感染を防ぐには、HPVワクチンの接種と、定期的な検診を受けることが大切です。

まとめ


まとめ

ヒトパピローマウイルス(HPV)は、誰にとっても身近なウイルスであり、気づかぬうちに感染していることも少なくありません。多くは自然に排除されますが、一部の型は子宮頸がんなどの病気を引き起こす原因になります。予防のためには、HPVワクチンの接種が有効であり、早期発見には定期的な検診が欠かせません。対象年齢の方は忘れずにワクチンを接種して、HPVの感染予防に努めましょう。

※掲載内容は執筆時点での情報です。

  • 篠原 奨規 薬剤師

    執筆・監修者

    2016年3月  岡山大学 薬学部薬学科卒業 2016年~現在 大手調剤併設ドラッグストアにて勤務

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