目次
足の裏の水ぶくれに効く市販薬によく含まれている成分
どういった成分のものが足の裏の水ぶくれに効果を示すのか、代表的なパターンを紹介します。
①:テルビナフィンなどの水虫対策成分

足の裏の水ぶくれの原因の1つとして挙げられるのが、水虫です。水虫は白癬菌という菌が原因で起こる皮膚疾患で、指の間がジュクジュクしたり、かゆみや炎症を伴うこともあるのが特徴です。
白癬菌は真菌というカテゴリーの菌で、治療には抗真菌薬配合の医薬品を使用します。皮膚科で処方してもらうことが多いですが、市販薬の中にも抗真菌薬が配合された外用剤があり、それらを使って症状の緩和をはかることも可能でしょう。
②:ステロイド・ノンステロイドの抗炎症作用のある成分

水虫ではない何らかのアレルギー反応が原因の水ぶくれの場合に有用なのが、ステロイド配合の外用剤です。ステロイドというと怖いイメージをお持ちの方が多いかもしれません。
しかし、正しく使用することで患部を早くきれいに治すことができて、副作用も抑えることができます。
また、子どもでも使いやすいノンステロイドの商品も販売されています。これらはステロイド配合の医薬品に比べて緩やかな効き目ですが、さまざまな場面で使いやすいなど応用が利くというメリットがあります。
足の裏の水ぶくれを緩和できる市販薬の選び方・ポイント
もっとも重要なのは、水虫が原因かそれ以外が原因かを判断することです。判断がつかない場合は受診をおすすめします。
ポイント①:水虫対策を重視する

水ぶくれの原因が水虫であると断言できるのなら、水虫の原因である白癬菌を殺菌することで症状の緩和が見込めます。
代表的な市販薬の成分には「テルビナフィン」「ブテナフィン」などがあり、多くの商品では水虫特有のかゆみやかさかさを緩和する成分も一緒に配合しているのが特徴です。
水虫が原因ならこれらの抗真菌薬を根気よく使用することで効果が期待できますが、水虫でない場合は塗布しても効果がないため、水虫かどうか判断に困る場合はいちど専門家にご相談いただくのがおすすめです。
ポイント②:症状の緩和を重視する

水ぶくれに加えてかゆみや炎症を伴う場合は、症状を抑える成分を配合した医薬品を選びましょう。
市販薬ではステロイド配合のものや、ノンステロイドでもかゆみ・炎症を抑える成分のものが販売されています。何らかのアレルギー反応が原因の軽い症状なら、ステロイド配合の軟膏を数日使えば改善することが多いです。
一方、水虫など感染由来の症状の場合、ステロイド配合の軟膏を使用すると悪化する場合があるため、注意が必要です。
ポイント③:保湿と保護を重視する

何らかのアレルギーなどが原因でも、症状がごく軽ければ保湿・保護のみで改善する場合もあります。医薬部外品の中には、保湿有効成分が配合されたクリーム・ローションなどが存在するため、手厚く保湿ケアする場合はそれらを選ぶのをおすすめします。
保湿ケア成分として実績のあるヘパリン類似物質や、炎症を抑える有効成分のグリチルレチン酸などの成分が目印になるでしょう。
なお、医薬部外品の商品では水虫を改善することはできないため、水虫の疑いがある場合は選ばないようにしてください。
【厳選】足の裏の水ぶくれを緩和するのにおすすめの市販薬 9選
成分・剤形が多く悩んでしまうという場合は、薬剤師や登録販売者に相談して、一緒に選んでみてください。
ポイント①:水虫対策を重視した市販薬 3選
まずは水虫に効果がある薬を具体的に紹介します。抗真菌成分に加え、かゆみ止め成分が数種類含まれているのがこのカテゴリーの商品の特徴です。塗り薬のほか、液剤やスプレー剤など変わったタイプの医薬品も販売されています。

こんな方に
水虫によるかゆみが強い方に
しっかり塗り込みたい方に
7つの有効成分配合で症状を緩和する
ブテナフィンという白癬菌に効果がある抗真菌成分に加え、水虫特有のかゆみやかさかさに効果的な成分が配合されたクリームです。角質層に浸透し、白癬菌を殺菌します。塗ったときにスーっと清涼感があり、使用感がお好みの方も多いかもしれません。
分類 | 指定第2類医薬品 |
有効成分(含有量)/主成分(含有量) | <1g中> ブテナフィン塩酸塩(10mg)、ジブカイン塩酸塩(2mg)、クロルフェニラミンマレイン酸塩(5mg)、グリチルレチン酸(2mg)、l-メントール(20mg)、クロタミトン(10mg)、イソプロピルメチルフェノール(3mg) |
効果・効能 | 水虫、いんきんたむし、ぜにたむし |
用法・用量 | 1日1回、適量を患部に塗布 |
タイプ | クリーム剤 |
妊娠中・授乳中の使用 | 妊娠中:相談すること 授乳中:使用可能 |
使用が可能な年齢 | 記載なし(乳幼児は相談すること) |
スーッとする成分の有無 | 〇 |
染みるタイプ | × |
コンタクト装着での使用 | - |
色 | 白 |
薬の匂い | 記載なし |

こんな方に
水虫が原因の水ぶくれがある方に
患部に触れず塗布したい方に
ピンポイントで塗布できる抗真菌薬
テルビナフィンという抗真菌薬が主成分の医薬品です。そのほか、かゆみや炎症を抑える効果がある成分も配合されています。ピンポイントアプリケーターというノズルを採用しており、患部に触れずに直接塗布できるのが特徴です。
分類 | 指定第2類医薬品 |
有効成分(含有量)/主成分(含有量) | <100g中> テルビナフィン塩酸塩(1g)、クロタミトン(5g)、グリチルレチン酸(0.5g)、l-メントール(2g) |
効果・効能 | 水虫、いんきんたむし、ぜにたむし |
用法・用量 | 1日1回、適量を患部に塗布 |
タイプ | 液剤 |
妊娠中・授乳中の使用 | 妊娠中:相談すること 授乳中:使用可能 |
使用が可能な年齢 | 記載なし(乳幼児は相談すること) |
スーッとする成分の有無 | 〇 |
染みるタイプ | × |
コンタクト装着での使用 | - |
色 | 透明 |
薬の匂い | 記載なし |

こんな方に
短時間でしっかり塗布したい方に
靴や靴下によるムレが気になる方に
簡単に広範囲に塗布できるスプレータイプ
抗真菌薬テルビナフィンに加え、かゆみを解消する成分が配合された商品です。スプレー剤で、患部に直接噴霧して使用します。患部に直接触れずに塗布できること、パウダーインでさらっとした使い心地なので、べたつきやムレが気になる方に適しています。
分類 | 指定第2類医薬品 |
有効成分(含有量)/主成分(含有量) | <100g中> テルビナフィン塩酸塩(1.0g)、イソプロピルメチルフェノール(1.0g)、クロルフェニラミンマレイン酸塩(0.5g)、クロタミトン(1.0g)、リドカイン(2.0g)、グリチルレチン酸(0.5g) |
効果・効能 | 水虫、いんきんたむし、ぜにたむし |
用法・用量 | 1日1回、適量を患部に噴霧 |
タイプ | スプレー剤 |
妊娠中・授乳中の使用 | 妊娠中:相談すること 授乳中:使用可能 |
使用が可能な年齢 | 記載なし(乳幼児は相談すること) |
スーッとする成分の有無 | × |
染みるタイプ | × |
コンタクト装着での使用 | - |
色 | 透明~白 |
薬の匂い | 〇(せっけんの香り) |
ポイント②:症状の緩和を重視した市販薬 3選

こんな方に
症状を素早く抑えたい方に
かゆくてかきむしってしまった方に
抗菌薬配合のステロイドの軟膏で症状を緩和
フルオシノロンというステロイド成分配合の塗り薬です。かきむしってしまうことで症状の長期化を招いたり、傷跡が残ってしまうような状況を予防してくれます。抗菌薬も配合しており、患部の細菌が増えてしまうのを防ぐ効果もあります。
分類 | 指定第2類医薬品 |
有効成分(含有量)/主成分(含有量) | <1g中> フルオシノロンアセトニド(0.25mg)、フラジオマイシン硫酸塩(3.5mg) |
効果・効能 | 化膿を伴う次の諸症: 湿疹、皮膚炎、あせも、かぶれ、しもやけ、虫さされ、じんましん 化膿性皮膚疾患(とびひ、めんちょう、毛のう炎) |
用法・用量 | 1日1~数回、適量を患部に塗布 |
タイプ | 軟膏剤 |
妊娠中・授乳中の使用 | 妊娠中:相談すること 授乳中:使用可能 |
使用が可能な年齢 | 記載なし |
スーッとする成分の有無 | × |
染みるタイプ | × |
コンタクト装着での使用 | - |
色 | 白 |
薬の匂い | 記載なし |

こんな方に
ステロイド配合の医薬品でしっかり治したい方に
剤形を選びたい方に
かゆみや炎症を抑えるステロイド配合軟膏
スイッチOTCという、医療用医薬品から市販薬へ転用されたステロイド成分配合の軟膏です。湿疹や虫刺されなど医療の現場でも幅広く使われてきた成分です。軟膏のほか、クリームや液剤も市販されています。患部に合わせて選んでみてください。
分類 | 指定第2類医薬品 |
有効成分(含有量)/主成分(含有量) | <1g中> ベタメタゾン吉草酸エステル(1.2mg) |
効果・効能 | しっしん、皮ふ炎、あせも、かぶれ、かゆみ、しもやけ、虫さされ、じんましん |
用法・用量 | 1日1回~数回、適量を患部に塗布 |
タイプ | 軟膏剤 |
妊娠中・授乳中の使用 | 妊娠中:相談すること 授乳中:使用可能 |
使用が可能な年齢 | 記載なし |
スーッとする成分の有無 | × |
染みるタイプ | × |
コンタクト装着での使用 | - |
色 | 白 |
薬の匂い | 記載なし |

こんな方に
ノンステロイドの商品をお探しの方に
症状が比較的軽めの方に
赤ちゃんから大人まで家族全員で使える軟膏
ステロイド成分無配合の、比較的優しい組成の塗り薬です。名前の通り、赤ちゃん向けに市販されているものではありますが、かゆみ止め成分や殺菌効果がある成分はしっかり配合されており、大人でも使用することができます。
分類 | 第3類医薬品 |
有効成分(含有量)/主成分(含有量) | <10g中> ビタミンA油(10mg)、エルゴカルシフェロール(0.01mg)、トリクロロカルバニリド(30mg)、ジフェンヒドラミン(50mg)、酸化亜鉛(1,000mg) |
効果・効能 | おむつかぶれ、あせも、湿疹、皮膚炎、ただれ、かぶれ、かゆみ、しもやけ、虫さされ、じんま疹 |
用法・用量 | 1日1〜2回適量を患部に塗布 |
タイプ | 軟膏剤 |
妊娠中・授乳中の使用 | いずれも使用可能 |
使用が可能な年齢 | 0歳以上 |
スーッとする成分の有無 | × |
染みるタイプ | × |
コンタクト装着での使用 | - |
色 | 白 |
薬の匂い | 記載なし |
ポイント③:保湿と保護を重視した市販薬 3選

こんな方に
カサカサ肌の方に
大容量の商品をお探しの方に
健康なお肌に整えるビタミン配合クリーム
ヒアルロン酸などのうるおい成分を配合したクリームです。そのほか、炎症を抑える有効成分やビタミン類を配合しており、お肌に合えば全身に使用することも可能です。120gのボトルは大容量ですが、さらに大容量のポンプも販売されており、家族で使いやすい商品です。
分類 | 指定医薬部外品 |
有効成分(含有量)/主成分(含有量) | <1g中> トコフェロール酢酸エステル (2mg)、グリチルレチン酸(2mg)、dl-カンフル(8mg)、グリセリン(0.4g) |
効果・効能 | ひび、あかぎれ、しもやけ |
用法・用量 | 1日数回適量をよくすり込んで使用 |
タイプ | クリーム |
妊娠中・授乳中の使用 | いずれも使用可能 |
使用が可能な年齢 | 0歳以上 |
スーッとする成分の有無 | 〇 |
染みるタイプ | × |
コンタクト装着での使用 | - |
色 | 黄色 |
薬の匂い | 〇(dl-カンフルの香り) |

こんな方に
敏感肌の方に
子どもの保湿に使いたい方に
低刺激処方が特徴の全年齢向け保湿ミルク
ミノンシリーズの特徴に、低刺激処方というものがあります。添加物やアレルギーの原因物質を極力カットしており、敏感肌の方でも使いやすい組成でしょう。この保湿ミルクは足の裏はもちろん、全身に使用可能です。さらっとした使い心地が特徴です。
分類 | 医薬部外品 |
有効成分(含有量)/主成分(含有量) | グリチルレチン酸ステアリル(含有量記載なし) |
効果・効能 | 皮ふの乾燥を防ぐ、皮ふにうるおいを与える、皮ふを保護する、肌あれ、あれ性、あせも・にきびを防ぐ、日やけ・雪やけ後のほてりを防ぐ |
用法・用量 | 適量を手にとり、顔やからだの気になる部分になじませる |
タイプ | リキッド |
妊娠中・授乳中の使用 | いずれも使用可能 |
使用が可能な年齢 | 0歳以上 |
スーッとする成分の有無 | × |
染みるタイプ | × |
コンタクト装着での使用 | - |
色 | 白 |
薬の匂い | 記載なし |

こんな方に
ヘパリン類似物質を配合した商品をお探しの方に
さらっとした使い心地がお好みの方に
ヘパリン類似物質配合の高保湿ローション
保水成分であるヘパリン類似物質を配合したローションです。お肌を保湿し、乾燥を防ぎます。のびが良いローションタイプですので、時間がないときでも広範囲に塗布できるのが特徴です。赤ちゃんから大人までターゲットを選ばず使用できます。
分類 | 医薬部外品 |
有効成分(含有量)/主成分(含有量) | ヘパリン類似物質、グリチルリチン酸ジカリウム(いずれも含有量記載なし) |
効果・効能 | 肌あれ・あれ性、皮膚にうるおいをあたえる、皮膚の乾燥を防ぐ、皮膚を保護する、肌を整える、 皮膚をすこやかにたもつ、肌をひきしめる、日やけ・雪やけ後のほてりを防ぐ。、かみそりまけを防ぐ、しもやけ・ひび・あかぎれを防ぐ |
用法・用量 | 手のひらに適量をとり、やさしくなじませる |
タイプ | ローション |
妊娠中・授乳中の使用 | いずれも使用可能 |
使用が可能な年齢 | 記載なし(小さな子どもから使用可能) |
スーッとする成分の有無 | × |
染みるタイプ | × |
コンタクト装着での使用 | - |
色 | 白 |
薬の匂い | 記載なし |
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市販薬を使用するときのポイントや注意点について
判断を誤ると症状が悪化する可能性があるため、医薬品・医薬部外品の選び方が重要です。
使用するときのポイント・副作用はあるの?

今回紹介した医薬品・医薬部外品はすべて外用剤です。患部に塗布する際、お風呂上りなどのできるだけ清潔な皮膚に塗布するのがおすすめです。足の裏はムレなどで不衛生になりがちですが、なるべくきれいに保つことで、症状の緩和も期待できるでしょう。
水虫対策の薬、抗炎症作用のある薬、保湿ケアとタイプが異なる商品を紹介しましたので、おすすめな使用方法もそれぞれ異なります。パッケージや添付文書のほか、公式ホームページなども塗布の際に参考にしてみてください。
こんなときは病院へ

副作用もさまざまで、それぞれの商品について確認してから使用していただきたいですが、共通して症状が悪化した場合などはすぐに使用を中止して受診しましょう。
また、一定期間塗布しても改善の兆しがない場合は医薬品の選択を誤っている場合があるため、こちらも中止して受診してください。
いずれの症状の場合でも、皮膚科を受診するのがおすすめです。加えて、水虫かどうか判断しかねるときも、とりあえず市販薬を使用するのではなく、まずは皮膚科に相談するのがベターです。
『足の裏の水ぶくれ』に関するQ&A

足の裏に水ぶくれができてしまった場合によくある相談について、Q&A形式でまとめました。
水ぶくれをつぶしたい、つぶれてしまったなどのお悩みが多いです。セルフケアで解決できることもありますが、基本的にはご自身でつぶすのはおすすめできません。

歩きすぎでできてしまった水ぶくれは比較的大きめのことが多く、歩いているうちにつぶれてしまうことがよくあります。痛みを伴うことが多いのも特徴です。


大きいサイズの水ぶくれを見つけると「つぶしたい!」と思う方も多いかもしれませんが、少し待ってください。衛生的にセルフケアできるのなら良いのですが、足の裏という細菌が繁殖しやすい部位でもあるため、つぶしてしまうとそこから細菌感染を起こしてしまう恐れがあります。
つぶせるほど大きな水ぶくれの場合は、皮膚科で処置してもらうのがおすすめです。


時間がたてば残った皮も自然に剥がれ落ちますが、痛みなどがある場合はワセリンを周囲に塗って傷の保護をしたり、抗菌薬の軟膏を塗布することも可能です。痛みがかなり強い、または患部が化膿してしまったときは我慢せずに皮膚科で診てもらうようにしてください。

まとめ

足の裏の水ぶくれにはさまざまな原因があり、それぞれ対処方法が違うということをお伝えできたでしょうか。
細菌感染を起こしやすい部位のため、判断に悩むことが多いでしょう。特に水虫の場合、原因の白癬菌を退治しなければ治りません。
的確に治療をすすめていくためにも、何が原因の水ぶくれかわからなければ、皮膚科を受診して判断を仰ぐのがおすすめです。大きな水ぶくれの場合でも、自己流でつぶさず清潔を保つように心がけてくださいね。
※掲載内容は執筆時点での情報です。