1.アルメタ軟膏とは?

アルメタ軟膏はステロイドの塗り薬で、効果は5段階中の4段階(マイルド)に分類されています。剤形は軟膏のみです。

 

1-1.  アルメタ軟膏 成分・作用

アルメタ軟膏は、アルクロメタゾンプロピオン酸エステルというステロイドの薬(副腎皮質ホルモン剤)が含まれています。

ステロイドが入った塗り薬は、アトピーをはじめとするアレルギー症状を和らげることでよく知られています。

 

 

私たちの身体には、外から有害な物質が体内に入ると、それを排除しようとする免疫システムが常に働いています。

免疫システムは私たちが生きていく上で不可欠なものなのですが、免疫システムの作動には個体差があります。

免疫システムが過剰に作動してしまう人は花粉、ホコリ、あるいは卵、小麦粉など、大体の人がスルーできるような物質でさえも排除しようとします。

このときに辛いアレルギー症状が出現するわけです。

 

ステロイドは、過剰な免疫システムを鎮める働きをもっています。

その他に血管を収縮させたり、細胞の増殖を抑える働きもあります。

ステロイドが他の薬と比べ、炎症を抑える力が強いといわれる由縁は上記のような働きによるものです。

 

1-2.  アルメタ軟膏のステロイドの強さの位置づけ

ステロイドの塗り薬は、下記のように炎症を抑える力の強さ順に5段階に分類されています。アルメタ軟膏は4段階(マイルド)に分類されています。

従って、ステロイドの塗り薬全体から見れば、炎症を抑える力が弱い方になります。

 

1.  ストロンゲスト

2.  ベリーストロング

3.  ストロング

4. マイルド

5.   ウィーク

 

皮膚の炎症の度合いに合わせ、ステロイドの塗り薬を使い分けることで、ステロイドの副作用を極力、抑えることが可能になります。

 

次は、アルメタ軟膏のマイルドさを活用したデリケートな赤ちゃんの肌への塗り方を説明します。

 

2.赤ちゃんとアルメタ軟膏

2-1. 赤ちゃんの肌の特徴

皮膚の状態の褒め言葉に「赤ちゃんの肌みたい」という言い方があります。

スベスベ、ツルツルな赤ちゃんの肌は触っていても気持ちがいいものです。

 

ところが、実は赤ちゃんは体の機能が未熟であると同じように肌も非常に未熟で、デリケートです。皮膚が薄く、ちょっとした油断ですぐに乾燥してしまいます。

その上、まだバリア機能がしっかりしていないため、外部からの刺激を受けやすく、細菌なども容易く体内に入りこんでしまいます。

そのため、薬の吸収率も上がりやすいことを加味して、赤ちゃんの肌には大人が使用するものよりはランクを下げた塗り薬が処方されることがほとんどです。

 

また、アルメタ軟膏は保湿性の高い白色ワセリンなども含まれているため、乾燥しやすい赤ちゃんの肌によく合います。

ただ、マイルドとはいえ、アルメタ軟膏もステロイドが入っている以上、非ステロイドの塗り薬よりは少々、配慮が必要かもしれませんが、きちんとした塗り方であれば、決して恐れることのない薬です。

これから、赤ちゃんの肌にアルメタ軟膏を塗るのに、効果及び安全性の高い塗り方を説明しましょう。

 

2-2. 赤ちゃんの肌への塗り方

アルメタ軟膏は、医師が処方する薬です。

医師はアルメタ軟膏を塗る部位を指定します。従って、指定された以外の部位には塗らないようにしなければいけません。

 

ステロイドの副作用を恐れるあまりに、アルメタ軟膏などが処方されても、少量しか使わず、すぐに止めてしまう、その結果、治りきらないということが多くあります。アルメタ軟膏に問題があるというよりは塗り方に問題があって、再燃を繰り返すことが少なくありません。

 

まず、塗る量ですが、塗る範囲がマチマチですから、塗る量も違ってきますが、少しベタつく程度に塗ると考えてください。

赤ちゃんの肌は薄く、薬の吸収もいいのですりこまず、指で優しく広げていきましょう。赤ちゃんの顔に塗る場合、顔は他の部位以上に薬の吸収がいいため、さらに優しく塗ってください。

 

使い始めて一週間もしないうちに、炎症が治まってきます。

 

ステロイドを怖れ、このあたりで塗らなくなるお母さんが多いのですが、改善されたのはこの時点では肌の表面だけです。肌の奥はまだ、炎症が残っており、しばらくすると、再燃してきます。

 

まずは、この状態を回避しなくてはいけません。

アルメタ軟膏を塗り続けて良くなってきたらすぐに中止するのではなく、塗る回数を減らしていきます(プロアクティブ療法)。

 

たとえば、1日2回、塗っていたのを、よくなってきたら、2日おきに1回塗る、更によくなってきたら、1日おきに一回、もっと良くなってきたら、毎日、1回塗るようにしていきます。その間に再燃するようであれば、前段階の塗る頻度に戻します。

 

良くなれば、再び、そこから徐々に減らしていきます。

うまくいけば、脱ステロイドも可能になり、保湿剤だけで十分に炎症のない肌を保つことができるようになります。

この方法は赤ちゃんだけでなく、大人にも有効な塗り方です。

 

3.顔や唇とアルメタ軟膏

3-1. ステロイド吸収量が部位によって異なる

肌の厚さは身体の部位によって違ってきます。ステロイドの吸収率も肌の厚さが関係します。

薄ければ、吸収率は高くなり、厚ければ、低くなります。

その状況を数値で表すと、下記のようになります。

 

前腕の内側を基準(1.0)とします。

 

・頭皮  3.5

・頬  13.0

・首   6.0

・腋   3.6

・背中  1.7

・前腕外側 1.1

・手のひら 0.83

・陰嚢   42.0

・足首    0.42

・足の裏   0.14

 

数値が大きいほど、吸収率が高いことを示しています。

頬は13.0ですが、他の部位に比べ、吸収率が高いです。

そのため、顔に対して、医師はステロイドの塗り薬を処方しないか、アルメタ軟膏のようなマイルド以下の軟膏を処方します。

部位別に違うステロイドの塗り薬が処方された場合、上記のようなステロイドの吸収率の違いに基づいているので、指定された以外の部位には塗らないようにしましょう。

 

3-2. 顔や唇への塗り方

顔は他の部位と比べ、薄く、ステロイドの吸収率も高いです。だからといって、顔には全くステロイドの塗り薬は塗れないのかというと、そうではありません。

 

たしかに、強いステロイドの塗り薬(1〜3段階)はNGですが、マイルド(4段階)以下であれば基本的にOKです。

基本的と書かざるを得ないのはやはり、個体差があるから。

あとは「赤ちゃんの肌への塗り方」とほとんど同じです。

 

アトピーやアレルギーが原因で唇やその周辺が荒れた場合もステロイドの塗り薬がよく効きます。

しかし、口唇ヘルペスにはステロイドの塗り薬はNGです。

その理由を次に説明します。

 

4.NG!口唇ヘルペスとアルメタ軟膏

口唇ヘルペスは、唇の病気の中では非常にポピュラーなものです。

ただ、治療薬がステロイドの塗り薬ではありません。

それは発症の機序が異なるためです。

 

なぜ、口唇ヘルペスには、アルメタ軟膏のようなステロイドの塗り薬が使えないのでしょうか?

口唇ヘルペスは「単純ヘルペスウイルス」による感染が引き起こした疾患で、唇の周りに水泡ができます。

免疫力が低下して風邪をひく、熱が出るなどがきっかけで感染、発症することが多いです。

アルメタ軟膏に入っているステロイド薬は、免疫の作用を抑えることで炎症を鎮めていきますが、ヘルペスウイルスを排除する力はありません。

アシクロビルという抗ウイルス薬が有効な病気です。

 

口唇ヘルペスは再発しやすく、薬局でもアシクロビルの入った塗り薬が第一類医薬品(薬剤師による対面販売)の枠内で販売されています。

ドラッグストアなどで唇や唇周辺の炎症に効く薬を探す場合、薬剤師にご相談ください。

再発ではなく、初発の場合は医療機関への受診をおススメいたします。

 

5.注意すべきアルメタ軟膏の副作用

アルメタ軟膏は作用がマイルドで、赤ちゃんの肌や顔にも塗ることができ、使い勝手の良い薬です。

とはいえ、ステロイドが主成分である以上、ステロイドの副作用には注意が必要です。

 

ステロイドの内服や点滴は、副作用が全身症状として出現するのに対して、ステロイドの塗り薬は塗った部位(局所作用)に副作用が出現します。

しかし、その頻度は多くなく、ましてやアルメタ軟膏のようなマイルドな作用のものはさらに副作用の出現率は下がります。

ただ、指示通りに使用しなかった場合、ステロイドざ瘡、ステロイド酒さ、皮膚の萎縮などがみられます。

その他、免疫を抑える働きがあることから、水虫、カンジタ、ヘルペス等の皮膚感染症に罹患しやすくなりますので、医師が指示した使い方、使用量を守ってください。

 

6.アルメタ軟膏は市販で購入できる?

残念ながら、アルメタ軟膏の同成分の製品は市販にはありません。しかし、アルメタ軟膏と同レベルのマイルドの製品はあります。

 

リビメックスコーワ軟膏(興和)

セロナ軟膏(佐藤製薬)

ロバックHi(武田薬品)

 

などがあります。

 

 

7.まとめ

ステロイドの塗り薬は非常に高い治療効果が期待できるにも拘らず、ステロイドを恐れるあまりに医師の指示通りにさえできず、ステロイドの良さを実感できていない人が少なくありません。

 

そんな中、ステロイドを含んでいながら、赤ちゃんの肌や顔にも塗りやすいアルメタ軟膏は、安心して使える塗り薬です。

 

ただ、アルメタ軟膏はステロイドである以上、口唇ヘルペスなど使えない疾患もありますので注意しましょう。