1.痛みの種類

「痛み」と聞いて皆さんはどのようなイメージをお持ちですか?痛みにも大きく、3つの種類があります。

 

●侵害受容性疼痛(しんがいじゅようせいとうつう)
一般的な痛みのイメージはこちらだと思います。怪我をした、足をひねった、歯が痛い、喉が痛い、胃が痛い、火傷、筋肉痛など、原因は、体のどこかで炎症がおきている場合がほとんどです。

 

●神経障害性疼痛(しんけいしょうがいせいとうつう)
神経に障害(切断や圧迫)がおきたときにおこる痛みです。侵害性受容性疼痛と比べて、長引いたり、治療が難しいことがあります。

 

●心因性疼痛(しんいんせいとうつう)
身体に問題がないが、心理的、社会的な要因によって起こる痛みです。

 

通常痛みに用いられる痛み止めは、非ステロイド性抗炎症薬と呼ばれる薬です。ステロイドでなく、炎症を和らげる薬という意味で、鎮痛や解熱の作用があります。炎症のあるところで産生され、疼痛や発熱を起こすプロスタグランジンという物質がありますが、これを産生する酵素を阻害するために、これらの物質が作られなくなって、鎮痛や解熱作用を発揮します。

 

痛みの種類に応じて、せっかくお薬を飲んでいても効果がないということもあります。一般には、非ステロイド性抗炎症薬(内服薬や湿布)が効果があるのは、侵害受容性疼痛に対してで、神経障害性疼痛に対してはあまり効果がありません(例外もありますが)。お薬を飲んでいても、症状が改善されない場合は、直ぐに病院を受診し、原因を特定し、治療に専念しましょう。

 

2.困った時は、この痛み止め(市販薬:内用薬)

今回は、侵害受容性疼痛、皆さんが一般にイメージする痛みに対する薬について、実際にドラッグストアに勤める薬剤師に聞いてみた痛み止めの薬についてご説明します。

※実際には、ここで紹介する痛み止めの薬以外にも様々な成分があり、多くの市販薬が販売されています。ご自分の症状にあったお薬を、店舗の薬剤師の方と相談しながら服用しましょう。

 

ロキソニンS(ロキソプロフェン)

処方医薬品であるロキソニンと成分・量が同じで、痛みや熱の原因物質をすばやく抑え、すぐれた鎮痛効果・解熱効果を発揮します。胃への負担が気になる方は、胃を守る成分を配合しているロキソニンSプラスをおすすめします。又、鎮痛補助成分であるアリルイソプロピルアセチル尿素を含み、より鎮痛効果を高めたロキソニンSプレミアムも販売されております。

他にも、ロキソプロフェンの成分を同量含む市販薬があります。


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・ロキソプロフェン錠「クニヒロ」 皇漢堂
・エキセドリンLOX ライオン
・ユニペインL 小林薬品工業  など

添加物に違いがありますが、期待できる効果は同等と考えて良いでしょう。
また、ロキソプロフェンの成分と他の成分が配合されている市販薬があります。


・コルゲンコーワ鎮痛解熱LXα


こちらは、解熱鎮痛成分である、ロキソプロフェンナトリウムと、抗炎症成分であるトラネキサム酸を配合しており、風邪などの発熱やのどの痛みに速く効きます。

 

リングルアイビーα200(イブプロフェン)

処方医薬品であるブルフェン錠200と成分量が同じです。多くのイブプロフェンを含む市販薬は、成分量が150mgで1日3回が通常ですが、こちらは、1錠で200mg含んでおり、4時間以上間隔をあけて、1日3回までの服用ができます。


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ケロリン(アセチルサリチル酸)

1包あたり、アセチルサリチル酸を600mg、鎮痛効果を高めるケイヒ末60mgを配合しています。昔からあるお薬なので、効果も期待でき、安心して飲むことができます。ケロリンと聞くと、銭湯にある黄色いプラスチックの桶を想像しますよね。

 

バファリンプレミアム

イブプロフェン65mg、アセトアミノフェン65mgの2つの成分が1:1で配合されており鎮痛効果を発揮します。また、それに加えて鎮痛補助成分がある無水カフェインとアリルイソプロピルアセチル尿素が配合されています。胃への負担を減らすため、乾燥水酸化アルミニウムゲルも配合されていますので、胃に不安がある方におすすめします。

 

3. 困った時は、この痛み止め(市販薬:外用薬)

続いて、湿布薬やゲル・ローションなどの外用薬として販売されている痛みを抑える市販薬をご紹介します。

 

ボルタレンEXテープ

炎症を抑えるジクロフェナクナトリウムを配合し、優れた鎮痛効果を発揮します。24時間効果が持続するため、1日1回の使用で効果が期待できます。テープの他に、ゲル、ローション、スプレータイプも販売されています。


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ロキソニンSテープ

医療用でも使用される成分であるロキソプロフェンナトリウムを配合し、優れた鎮痛効果が期待できます。市販薬として新しいお薬ですので、要指導医薬品に分類され、店頭で、薬剤師の情報提供が義務付けられています。テープの他に、パップ、ゲルタイプも販売されています。

※要指導医薬品は、第1類医薬品の中でも特にリスクが高いもので、ネットでの販売が禁じられています。そのため、薬剤師がいる薬局・ドラッグストアでの店舗でしか購入することができません。


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フェイタス5.0

鎮痛消炎成分であるフェルビナクが多く含まれており、又、貼り心地、清涼感を高めるためにメントール、又、血行を促進するビタミンE等が配合されています。他に、温感タイプのものも販売されています。

4.飲み薬と湿布薬などの外用薬はどちらが良い?

基本的に、痛みが局所であり、症状が急性の場合には、局所に即効性がある外用薬をおすすめします。湿布などで皮膚がかぶれやすい方や、痛みが広範囲の場合は、飲み薬が適します。

 

非ステロイド性抗炎症薬には、鎮痛の他に解熱作用もありますが、風邪などの発熱に対して解熱作用を期待する場合にも飲み薬が用いられます。飲み薬と湿布薬は併用しても通常は問題ありません。

5.困った時はこの痛み止め(処方医薬品)

症状、痛みの種類、痛みのレベルに応じて、医療の場では、様々なお薬があります。一般的な幅広い痛みに対して処方される非ステロイド性消炎鎮痛薬、又、その他にも、さらに鎮痛効果の高い、弱オピオイド鎮痛薬、強オピオイド鎮痛薬があります。ここでは、非ステロイド性抗炎症薬についてどんな薬があるか、ご紹介します。

 

病院で処方される代表的な非ステロイド性抗炎症薬

・ボルタレン(主成分:ジクロフェナクナトリウム)
・セレコックス(主成分:セレコキシブ)
・ハイペン(主成分:エトドラク)
・ロキソニン(主成分:ロキソプロフェン)
・カロナール(主成分:アセトアミノフェン)
・ブルフェン(主成分:イブプロフェン)
・セルタッチ(主成分:フェルビナク) 

 

上記の中で、現在、市販薬の飲み薬として発売が承認されている成分は、ロキソプロフェン、アセトアミノフェン、イブプロフェンです。又、外用薬としては、ジクロフェナクナトリウム、フェルビナクを含む市販薬もあります。

 

 

6.痛み止めの注意点

6-1 痛み止めで注意が必要な副作用

痛み止め(非ステロイド性抗炎症薬)は、効果が期待できるお薬であるほど、副作用のリスクもあります。副作用としては特に、胃腸障害、とりわけ胃粘膜への負担があります。

程度には個人差がありますが、軽い胃の痛みから、激痛により立ち上がれなくなる方もいらっしゃいます。そのため、胃腸が弱い方や消化潰瘍の方は、服用には注意が必要です。長期に連用していると腎機能障害をきたすこともあります。

セレコックスはCOX-2阻害薬といわれる新しいタイプの薬で、従来の消炎鎮痛剤に比較して胃腸の副作用が少ないとされていますが、それでも注意が必要です。


心配な方は、


・空腹時での服用を避ける
・胃薬と一緒に服用する
・胃を保護する成分が一緒に配合されているようなお薬を選択し、服用する


などの対策をしましょう。

6-2 痛み止め(非ステロイド性抗炎症薬)を服用しても効果がない場合

痛み止めを服用しても効果がない場合に、自己判断で、服用する量を多くしたり、複数のお薬を同時に飲むようなことは絶対にしないようにしましょう。


早めに医療機関を受診し、原因を特定し、適切な治療を受けることが重要です。骨や神経の疾患が原因となっている可能性があります。より鎮痛効果の高いとされている、弱オピオイド鎮痛薬、強オピオイド鎮痛薬は、市販では販売されておらず、医師の指示のもと服用しなければなりません。

7.おわりに

軽度な痛みの症状で原因が分かっているような場合、市販薬を購入し、一時的に様子をみられるのは良いとは思います。

 

ただ、痛みにも様々な原因がありますので、原因が他にある場合、お薬をいくら飲んでも全く効果がでない場合もあります。そのため、数日お薬を飲んでみても、痛みが改善しない場合は、手遅れになる前に早めに病院を受診し、原因を特定して、適切なお薬を医師に処方してもらうようにしましょう。