1.ムカデについて

ムカデは非常に種類が多く、日本だけでも約130種いるといわれています。
ムカデは、冬の間は冬眠していますが、冬以外の季節にはほぼ活動しています。ジメジメした場所を好み、雨が多く降る時期などに活動が活発になります。夜行性なので、夜寝ている間に噛まれてしまうケースもあるようです。はじめに出てきたように、土いじりをしている際にかまれることもあります。

何もしなければ普通は噛まれませんが、気づかずに触れてしまったなど何らかの刺激を与えると、ムカデは自分の身を守るために攻撃をします。

 

2.ムカデに噛まれた際の症状

ムカデの顎には、セロトニン、ヒスタミンなどの成分を含んだ厄介な毒が含まれています。(毒性の強さについては、ムカデによって違いがあります。)
そのため、ムカデに噛まれると、激痛とともに、ズキズキした痛み、赤く腫れる、かゆみなどの炎症を起こします。発熱やめまい、吐き気などの全身症状が出ることもあります。普通、痛みは数時間程度でひきます。

 

しかしまれに、急性のアレルギー症状のひとつで、短時間で全身に症状があらわれるアナフィラキシーショックを起こすことがあります。これはハチにさされたときに起きることのあるアナフィラキシーショックとも似ていて、血圧の低下や意識障害を伴い、命に関わることがありますので、医療機関にかかるなど緊急に治療することが重要です。とくに二度目にムカデに刺された場合には、アナフィラキシーショックが起きやすいので注意しましょう。

3.ムカデに刺されたときの対処

3-1 ムカデに噛まれた患部を熱いお湯で洗う

ムカデの毒は、神経毒でたんぱく質の成分で構成されているため、熱に弱いという性質があります。そのため、お湯(43度~46度程度)をかけることによって、毒の効力を弱めることができるといわれています。ただし、お湯といっても、火傷しないように注意が必要です。

 

ハチ等の毒は、針で刺し注入されますが、ムカデの毒は噛まれた皮膚表面に付着するため、直後に洗い流すことによって、毒の広がりを抑えることができるとされています。

3-2 ムカデの毒を口で吸い出さない

ムカデの毒は、皮膚表面に付着しているため、口で吸い出そうとすると、口の中に毒を入れてしまうことになります。すると、毒が原因で、口の中、喉や気道に炎症を起こしてしまう可能性があります。そのため、毒を口で吸い出さないように注意しましょう。

4.ムカデに刺されたときに効果的なお薬の選び方

ムカデに噛まれたときの症状に合わせて、「腫れなどの炎症をおさえる成分」「症状を悪化させないようにする化膿止め成分」「かゆみをおさえる成分」に着目して、お薬を選ぶと良いでしょう。ここでは市販薬の塗り薬の成分をご紹介します。

 

4-1 腫れなどの炎症を抑えるステロイド剤と非ステロイド剤

炎症を抑える成分としては、主に抗炎症作用の高い「ステロイド剤」と「非ステロイド剤」の2つがあります。

強い毒性をもつムカデに噛まれたときなど、腫れがひどい場合には、抗炎症作用の高いステロイド剤のお薬が有効です。ただし、噛まれた場所が、顔まわりなど皮膚が薄い場合には、非ステロイド剤の方が良いでしょう。

 

市販薬に含まれるステロイドの成分例:

(→比較的効力が強いとされるもの)
フルオシノロンアセトニド、吉草酸ベタメタゾン、吉草酸酢酸プレドニゾロン、酪酸ヒドロコルチゾンなど

 

市販薬に含まれる非ステロイドの成分例:

グリチルリチン酸、ウフェナマートなど
症状を悪化させないようにする化膿止め成分
患部から細菌が入り、化膿すると、症状が悪化したり、症状が長引いてしまうことがあります。そのため、化膿をおさえる成分を含むお薬も有効です。

 

市販薬に含まれる化膿止めの成分例:

フラジオマイシン、オキシテトラサイクリン、イソプロピルメチルフェノールなど

4-2 かゆみをおさえる成分

ムカデに刺されると、炎症とともにかゆみを伴うことも多くあります。掻いてしまい皮膚を傷つけないようにかゆみをおさえることも大切です。

 

市販薬に含まれるかゆみをおさえる成分:
ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン、リドカイン、ジブカインなど

5.ムカデに噛まれたときに効果的な市販薬

市販薬には、前述でご紹介した成分が複数配合されているものがあります。ここでは、代表的な市販薬の一例をご紹介します。
様々な市販薬が販売されていますので、実際には、薬剤師に症状を相談し、適切なお薬を選んでもらうようにしましょう。

フルコートf 第2類医薬品/田辺三菱製薬

ステロイドの成分であるフルオシノロンアセトニドと、化膿止めの成分であるフラジオマイシン硫酸塩を配合しています。
かゆみをおさえる成分は含まれていませんが、炎症をおさえ、化膿をおさえるお薬として高い効果が期待できます。

ベトネベートN軟膏AS 第2類医薬品/第一三共ヘルスケア

ステロイドの成分であるベタメタゾン吉草酸エステルと、化膿止めの成分であるフラジオマイシン硫酸塩を配合しています。
かゆみをおさえる成分は含まれていませんが、炎症をおさえ、化膿をおさえるお薬として高い効果が期待できます。

ムヒアルファEX 第2類医薬品/池田模範堂

ステロイドの成分であるプレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル、かゆみをおさえるジフェンヒドラミン、クロタミトン、化膿止めの成分イソプロピルメチルフェノールなど、まさに今回ご紹介した3つの作用を期待できる市販薬です。

6.ムカデに噛まれたら、早めに医療機関へ!

今回、ご紹介した内容はあくまでも応急処置です。症状が悪化したり、長引いてしまう可能性がありますので、早めに医療機関を受診し、正しい処置をしてもらうことが大切です。

 

症状によっては、市販薬だけでは対処できない場合があります。とくにアナフィラキシーショックは要注意で、蕁麻疹、かゆみの他、くしゃみ、息切れ、咳などの呼吸器症状、腹痛、嘔吐のような消化器症状、さらには意識消失などがあれば、直ちに医療機関にかかる必要があります。

 

特に、全身への症状がみられる場合や、小さなお子様、ご高齢の方の場合は注意が必要です。

7.おわりに

ムカデに刺されたときの対処法と、効果的なお薬の選び方について参考になりましたでしょうか?

 

いざ、ムカデに噛まれると、痛みとともに焦ってしまい、どうして良いか分からなくなってしまうこともあるかもしれません。ましてや、自分の子供がそうなってしまうと尚更です。今回の記事を参考に、少しでも落ち着いて対処していただけますと幸いです。