1.そもそもドライアイ(目のかわき)とは?

ドライアイとは、目を守るために欠かせない涙の量が減ったり、涙の質のバランスが崩れることによって、目の表面に障害を引き起こす病気のことです。

 

症状は様々で、目がかわく、目がゴロゴロする、目に不快感を感じる、充血が見られる、痛みがある、などがあり、コンタクトレンズ装着時の痛みや不快感などの症状もドライアイから起きていることがあります。

 

原因としては、日常の環境要因が大きいと考えられており、室内の冷暖房による空気の乾燥やスマホの普及、PC作業の増大によりまばたきが減少している、などが考えられます。また、コンタクトレンズの長期使用や睡眠不足や食生活などの生活習慣の悪化なども原因として指摘されています。さらに、病気(シェーングレン症候群やスティーブスジョンソン症候群など)が原因となり、涙が出なくなる重篤な症状もあります。その他、お薬の影響によって、涙の分泌が低下することもあるなど、ドライアイは多様な原因によって生じます。

 

ドライアイとなり、目がかわいた状態が続くと、目が傷つきやすい環境となり、目に傷がついて、角膜上皮障害を起こしたり、傷口から細菌が感染し、角膜潰瘍など重篤な病気につながる可能性もあります。単なるドライアイと甘くみては絶対にいけません。症状が続いていたり、ひどくなっている場合には、早めに眼科を受診し、検査を行い、原因を特定し、適切な治療を受ける必要があります。

(参考)ドライアイ研究会

 

2.【市販薬】ドライアイに効果がある目薬の選び方

市販薬は、症状が一時的、軽症で、あくまでも一時しのぎ用として使用し、症状が続く場合には、早めに眼科を受診するようにしましょう。そのことをふまえ、ドライアイに効果が期待できる市販薬を解説します。

次章で、病院で処方される目薬を解説しますが、現状、市販の目薬で販売されている目薬で、目に潤いを保つ成分としては、次の2つの成分が主流です。

 

塩化ナトリウム、塩化カリウムなど
涙液の構成成分(人工涙液)で、涙液不足を補い、ドライアイなどの目の乾燥を緩和させるはたらきがあります。

 

コンドロイチン硫酸エステルナトリウム
眼の組織の組成成分で、角膜の修復作用や水分を保持する機能により、涙を角膜上に留め、保護する作用があります。
これらの成分を含む実際の目薬としては次のようなものがあります。

 

ソフトサンティア【第3類医薬品】/参天製薬

参考小売価格:880円

塩化ナトリウム、塩化カリウムを含み、涙液に近い性質を持った人工涙液の目薬です。涙液不足に伴う目のかわき、異物感などの不快な症状を改善します。また、コンタクトレンズに吸着するような成分が含まれていないため、ハード、ソフトともにコンタクトレンズをしたまま点眼しても問題ありません。

ハードコンタクト:○ ソフトコンタクト:○

 

NewマイティアCL-a【第3類医薬品】/千寿製薬

参考小売価格:600円

塩化ナトリウム、塩化カリウムを含む、人工涙液の目薬です。また、栄養成分としてブドウ糖を含んでおり、目の新陳代謝を促進し、疲れた瞳に効果をあらわします。また、こちらは「しみないタイプ」ですが、清涼感があるタイプのシリーズもあります。ハード、ソフトともにコンタクトレンズを着用したまま使用可能です。

ハードコンタクト:○ ソフトコンタクト:○

 

新ロートドライエイドEX【第3類医薬品】/ロート製薬

参考小売価格:1200円

人工涙液の成分を含んでいることに加え、さらに、目にうるおいをあたえるコンドロイチン硫酸エステルナトリウムを含んでおり、目のかわきに優れた効果が期待できます。

ハードコンタクト:○ ソフトコンタクト:×

 

スマイルコンタクトEXドライテクト【第3類医薬品】/ライオン

参考小売価格:600円

人工涙液の成分を含んでいることに加え、目にうるおいをあたえるコンドロイチン硫酸エステルナトリウムを含んでおり、また、高粘度保水成分であるヒプロメロースを含み、うるおいを保持します。

ハードコンタクト:○ ソフトコンタクト:○

 

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ヒアルロン酸ナトリウムを含んでいる市販薬は?

 

薬局やドラッグストアで、「ヒアルロン酸ナトリウムを含んでいる市販薬がないか?」と聞かれる方が多くいます。

というのも、病院でドライアイに対して処方される代表的なお薬として、ヒアレイン点眼液(成分:ヒアルロン酸ナトリウム)があるからです。この目薬は、目の表面を保護する作用や、涙液を安定させて、目の乾燥を和らげる作用が期待できます。

実は、市販薬にも、ヒアルロン酸ナトリウムを含む目薬はあるのですが、有効成分としてではなく、液にとろみをつけるための添加物として含んでいるだけで、微量にしか含まれていません。そのため、医療用医薬品であるヒアレイン点眼と同等の効果を期待することはできません。

たまに、ヒアルロン酸ナトリウムを含んでいる市販の目薬を、医療用医薬品と同じような感覚で進めているような情報を目にすることがありますので、ご注意ください。

現状市販薬で処方薬と同様の成分を同程度含むものはありませんので、将来的にスイッチOTC化され、市販薬となることを待ちましょう。

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3.こんなときは病院へ。病院の処方薬と市販薬の違い

3-1. 病院の処方薬と市販薬の違い

病院でドライアイと診断された際に、処方される目薬として、代表的な成分には次のようなものがあります。

 

人工涙液

涙の成分に近い組成で作られている人工涙液です。涙液不足を補うことで、目に潤いを与え、ドライアイによる不快な症状を和らげる作用があります。

 

お薬例:人工涙液マイティア点眼液など

 

ヒアルロン酸ナトリウム

目の表面を保護し、傷の治りを良くする作用や、目に水分を保持し、目の乾燥を和らげる作用が期待できます。代表的なヒアレイン点眼液には、濃度が違う「0.1%」「0.3%」のものがあることや、防腐剤を含まない使い切りタイプのミニ」があります。

 

お薬例:ヒアレイン点眼液、ティアバランス点眼液、アイケア点眼液、ヒアレインミニな点眼液など

 

レバミピド

レバミピドというと、病院で処方される胃のお薬「ムコスタ」が有名です。胃粘膜でのムチンの増加作用と粘膜修復作用に着目されて、点眼液として発売されました。涙の安定性に重要な役割を果たすムチンの産生を促進することで、涙の質を正常化させます。防腐剤を含まない、使い切りタイプです。

 

お薬例:ムコスタ点眼液

 

ジクアホソルナトリウム

涙の安定性に重要な役割を果たすムチンと水分の分泌を増やすことによって、涙液を質的と量的、超側面から改善する作用があります。

お薬例:ジクアス点眼液

 

ご紹介した成分の中で、ヒアルロン酸ナトリウム、レバミピド、ジクアホソルナトリウムを主成分とした目薬は、市販薬では販売されておりません。病院の処方薬と比較すると、市販薬では限られたものしかないことがお分かりいただけるかと思います。

3-2. こんなときは病院へ

第1章で説明したとおり、ドライアイといっても、様々な原因や症状がみられます。その他の病気(シェーングレン症候群やスティーブスジョンソン症候群など)が原因で、涙が出なくなる重篤な症状の場合もあります。また、ドライアイとなり、目がかわいた状態が続くと、目が傷つきやすい環境となり、目に傷がついて、角膜上皮障害を起こしたり、傷口から細菌が感染し、角膜潰瘍など重篤な病気につながる可能性もあります。

 

ドライアイの症状が、一時的な症状なのか、又、目の表面に傷など障害が起きていないかは、専門的な検査なしに判断することはできません。そのため、症状が続く、ひどくなる場合には、自己判断で市販薬の使用を続けるのではなく、早めに医療機関を受診するようにしましょう。

 

特に、下記の症状がみられる場合には、早めに医療機関を受診するようにしましょう。

・市販の目薬を使用していても、症状が変わらない、ひどくなっている
・目の充血がとれない
・目が乾いた状態が続いている
・視界がいつもと違う、見づらい
・目の症状だけでなく、頭痛、吐き気など別の全身症状がでている

など

4.まとめ

今回は、ドライアイについて解説するとともに、市販の目薬、病院で処方されるお薬について解説しました。繰り返しになりますが、ドライアイの症状に対して効果が期待できる市販の目薬は限られたものです。市販薬は、症状が一時的、軽症で、あくまでも一時しのぎ用として使用し、症状が続く場合には、早めに眼科を受診するようにしましょう。

 

今回の記事を参考に、ドライアイについて正しく理解していただき、ドライアイの症状を和らげ、より快適に毎日を過ごしていただけますと幸いです。