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キンカンとムヒ、効果が強いのはどっち?成分と特徴を薬剤師が解説

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2024/2/20
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虫刺されの薬として有名なキンカンとムヒ。どちらも共に長い歴史を持つことで有名です。おそらく、どちらかは常備してあるご家庭が多いのではないでしょうか。

しかし、この2つの薬の違いを理解されている方は少ないように思います。

普段、何気なく使っているこのキンカンとムヒ、比べると一体どちらの方が効果は強いのでしょうか。薬の成分を見ながら効果を比べてみましょう。

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キンカンについて


薬剤師

村岡 祐菜さんのコメント

キンカンとムヒの話をする前に、まずはキンカンについて見ていきます。

キンカンの成分と特徴

①成分
アンモニア水、l-メントール、d-カンフル、サリチル酸、トウガラシチンキ

②効能効果
虫さされ、かゆみ、肩こり、腰痛、打撲、捻挫

③特徴
キンカンは虫刺されの薬というイメージが強いですが、効能効果を見ると「肩こり、腰痛、打撲、捻挫」と記載されていることが分かります。ちょっと不思議ですね。

キンカンに含まれている成分は、一般的な虫刺されの薬に含まれている成分とは異なります。かゆみの原因となるヒスタミンの働きを抑える成分は含まれていません。では、何が含まれているのでしょうか。

キンカンに含まれている成分は、皮膚に刺激や清涼感を与えるもの。さまざまな刺激を皮膚に与えることによって、知覚神経を麻痺させてかゆみを感じなくさせているのです。神経を麻痺させるのでかゆみだけでなく、肩こりや腰痛などの痛みにも効くというわけです。


ムヒについて


薬剤師

村岡 祐菜さんのコメント

次はムヒについて掘り下げて見ていきます。ひとくちでムヒと言ってもいくつか種類があるため、ここでは、ムヒの中でも代表的な液体ムヒとムヒSについて、ご説明していきます。

液体ムヒの成分と特徴

①成分(100mL中)
デキサメタゾン酢酸エステル(25mg)、ジフェンヒドラミン塩酸塩(2.0g)、l-メントール(3.5g)・dl-カンフル(1.0g)、グリチルレチン酸(0.2g)イソプロピルメチルフェノール(0.1g)

②効能効果
かゆみ、虫さされ、皮ふ炎、かぶれ、じんましん、しっしん、しもやけ、あせも

③特徴
液体ムヒとムヒSの大きな違い、それはステロイド剤が入っているか、入っていないかというところです。液体ムヒにはステロイド剤が入っており、ムヒSには入っておりません。

ここで言うステロイドとは、成分の1番上に記載されているデキサメタゾン酢酸エステルのこと。炎症を抑える働きがあるので、虫に刺されて赤く腫れているところを落ち着かせてくれます。

デキサメタゾン酢酸エステル以外に、グリチルレチン酸というステロイドと比べると弱めの抗炎症剤も含まれています。



他には、かゆみの原因物質となるヒスタミンの働きを抑えるジフェンヒドラミン、清涼感によってかゆみを抑えるl-メントールとdl-カンフル、殺菌効果のあるイソプロピルメチルフェノールも配合。かゆみと赤みの両方を抑え、殺菌もしていきます。

液体ムヒはステロイド成分を含むため、同じ部位に使用する場合は、使用できる期間に制限があるのも特徴です。顔面に使う場合は2週間以内、その他の部位だと4週間以内となっています。これは、ステロイドを長期連用することで、さまざまな副作用が起こりやすくなってしまうためです。

ムヒSの成分と特徴


①成分(100mL中)
ジフェンヒドラミン(1.0g)、グリチルレチン酸(0.3g)、l-メントール(5.0g)、dl-カンフル(1.0g)、イソプロピルメチルフェノール)(0.1g)

②効能効果
かゆみ、虫さされ、かぶれ、しっしん、じんましん、あせも、しもやけ、皮ふ炎、ただれ

③特徴
成分と効能効果の両方を液体ムヒと比べてみると、液体ムヒに含まれていたデキサメタゾン酢酸エステルがムヒSには入っていないこと、そして効能効果に「ただれ」が追加されていることが分かります。



デキサメタゾン酢酸エステル以外の成分は、すべて液体ムヒに入っていたものと同じです。

ただし、含まれている成分量は少々違います。液体ムヒと比べると、ジフェンヒドラミンの量は2.0gから1.0gに減少。グリチルレチン酸は0.2gから0.3gに増えています。このことから、かゆみを抑える効果、炎症を抑える効果は液体ムヒより低いことが分かります。

l-メントールは3.5gから5.0gに増えているので、清涼感は増加。l-メントールの量が増えているものの、全体的に液体ムヒよりも効果が弱くなっています。

キンカンとムヒ、効果が強いのは?




キンカンとムヒの成分や特徴を見てみると、この2つの薬はまったく違うところに作用して効果を発揮していることが分かります。一体、どちらの方が効果は強いのでしょうか。

この2つを比べた場合、ムヒの方が効果は強いと言えます。なぜそう言えるのか、理由は以下の通りです。

・かゆみの原因となるヒスタミンの働きを抑える成分が入っている。
・炎症を抑える成分が入っている。
・殺菌成分が入っている。

キンカンは知覚神経を麻痺させてかゆみを感じなくさせるもの。一方でムヒはかゆみを引き起こす物質の働きを抑えたり、炎症を抑えたりする成分によって虫刺されを治療していくもの。さらには、殺菌成分まで入っています。

液体ムヒの方が、かゆみの原因からしっかり働きかけること、炎症を抑え殺菌もしてくれることから、キンカンよりも効果が高いと言えます。

その他のかゆみ止めの市販薬



ドラッグストアで虫刺されの薬を見ていると、キンカンやムヒ以外にも多くの薬があることが分かります。他には、どのような薬があるのでしょうか。

キンカンのように、知覚神経に働いてかゆみを感じなくさせる薬というのは、他にはないと思っていただいて問題ありません。

しかし、液体ムヒやムヒSと似たようなものは多く存在します。中にはこれらのムヒのシリーズよりもより強力に虫刺されに効くものもあります。

例えば、液体ムヒアルファEX。こちらには液体ムヒよりも強いステロイドが配合されています。

市販で取り扱いのあるステロイドの強さは、ストロング、ミディアム、ウィークの3種類。液体ムヒに含まれているデキサメタゾン酢酸エステルの強さは、一番下のランクのウィーク、液体ムヒアルファEXに含まれているプレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルは真ん中のランクのミディアムに分類されます。

ランクが上のステロイドほど、炎症を抑える効果も高いため、液体ムヒアルファEXの方が効果は高いのです。


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なお、ご参考までに、虫刺されの薬のAmazon、楽天の売れ筋ランキングは、以下のリンクからご確認ください。



このようなときは病院へ




以下のような症状がある場合は、市販薬で対処せずに病院を受診しましょう。

・刺された部位が強い痛みを伴う場合
・腫れがひどい場合
・広範囲を刺された場合
・呼吸困難や血圧低下などのショック症状が見られた場合

他にも、刺された部位がいつもと違うなと感じた場合や、市販のかゆみ止めを1週間程度使っても症状が治まらない場合も、受診しましょう。

『キンカンとムヒ』に関するQ&A




キンカンとムヒについて、よくある質問に回答します。

キンカンとムヒシリーズの違いについて解説しましたが、まだ疑問が残る方もいらっしゃるでしょう。ぜひQ&Aで疑問を解決してください。

Q&A①:目の上を刺された場合はどうすればいいですか?

薬剤師

村岡 祐菜さんのコメント

ほとんどの虫刺されの薬には、l-メントールなどの清涼感をもつ成分が含まれています。そのような薬を塗ってしまうと、とてもしみるので目の上にはおすすめできません。

では、清涼感を持つ成分が入っていないものなら使っていいのかというと、そうでもありません。市販で手に入る薬のほとんどは目の周りに使用する場合には注意が必要です。

ステロイドが入っている薬だとなおさら、目には注意が必要でしょう。そのため、目の上を刺されてしまった場合は基本的に病院での対処となると考えておいた方が良いでしょう。

どうしても、市販薬で対処したいという方は、イハダのプリスクリードiという商品でしたらお使い頂けます。ステロイド剤不使用でかゆみと炎症を抑えていくものです。ただし、腫れがひどい場合はこちらの薬では対応が難しいので、やはり病院を受診した方が良いでしょう。

Q&A②:値段が高いほうが効き目がありますか?

薬剤師

村岡 祐菜さんのコメント

値段が高いから効き目があるとは限りません。

同じ成分でもメーカーによって値段が違ったり、配合されている成分の数が多いと値段が高くなったりします。成分が多いから効き目もあるというわけではなく、症状に合った成分が含まれているかどうかが重要です。ぜひ購入前に薬剤師や登録販売者にご相談ください。

Q&A③:キンカンとムヒはどちらの方が効きますか?

薬剤師

村岡 祐菜さんのコメント

軽い虫刺されであれば、キンカンでもムヒでもかゆみを抑えられます。かゆみが強い場合は、かゆみの原因物質が放出されるのを抑える成分が含まれているムヒの方がおすすめです。

まとめ




キンカンやムヒなど、たくさんの虫刺されの薬が今は簡単に手に入ります。「いつも使っているからこれにしよう」と、成分を確認せずに薬を使っても、症状の度合いによっては薬の効果が十分に現れないこともあります。ご自分の症状に合わせて薬を選んでいくことが、虫刺されの症状を抑える秘訣です。

今回比較しましたキンカンとムヒでしたら、軽い虫刺されならキンカン、かゆみがひどい場合はムヒS、かゆみと共に赤みも伴う場合は液体ムヒを選ぶと良いでしょう。

※掲載内容は執筆時点での情報です。

  • 村岡 祐菜 薬剤師

    執筆・監修者

    2018年3月 千葉大学 薬学部 薬学科卒業 2018年4月〜2022年5月 薬局薬剤師業務 (正社員:1年半、派遣社員:半年、パート社員:約2年) ※薬局薬剤師は今後も不定期で継続予定です 2021年1月〜現在 フリーライター(個...

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