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ファモチジンとは|効果・効能
また、医療現場では胃潰瘍や十二指腸潰瘍、急性胃炎、逆流性食道炎などに使われることも少なくありません。持続性にすぐれており、1日1〜2回の服用で済むのも特徴です。
市販薬と処方薬の違い

ファモチジンを含む薬には、薬局やドラッグストアで購入できる市販薬と、医師から処方される医療用医薬品があります。両者の大きな違いは、成分量と使い方です。
市販薬の多くは、1回あたり10mgのファモチジンを含み、胃の不快感や胸やけ、もたれなど軽度な症状の緩和に効果を発揮します。一時的な症状や日常的な胃腸のケアに使われるのが一般的です。
一方、処方薬には10mgや20mgなど、より高用量の製剤があり、医師の判断に基づいて使用されます。胃潰瘍や十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、急性胃炎など、より重い症状や病気の治療にも用いられます。
ファモチジンの副作用
ファモチジンの副作用としては、便秘や下痢、吐き気、頭が重いといった症状が現れることがあります。また、血液検査で白血球の数が減ったり、肝臓の働きを示す値が高くなったりする可能性があります。
また、頻度は低いですが、重い副作用が起こることもあるため注意しましょう。たとえば、息苦しさや発疹、血圧が急に下がるなどの強いアレルギー反応(アナフィラキシー)、再生不良性貧血などの血液の病気が報告されています。発生はまれ(0.1%未満)ですが、重症化の可能性があるため早めの対応が必要です。
副作用を防ぐためのポイント
ファモチジンによる副作用を防ぐためにはどのようにすればよいのでしょうか。
ここからは、ファモチジンの副作用を防ぐためのポイントを解説します。
必要以上に長期間使用しない
ファモチジンを使う際は、決められた服用期間を守りましょう。市販薬では、症状が落ち着いていても、続けて飲めるのは2週間までが目安です。3日ほど服用しても症状がよくならないときは、自分で判断せずに医師や薬剤師に相談しましょう。処方薬として服用する場合は、体の状態や症状に応じて、医師が飲む量や期間を決めます。自己判断で服用を調整しないようにしましょう。
服用中に異常を感じたら医師に相談
ファモチジンを服用している間に、いつもと違う体調変化があれば、服用を中止して医師に相談しましょう。たとえば、発疹やかゆみ、息苦しさ、強いだるさ、めまいなどは副作用のサインかもしれません。ごくまれに重いアレルギー反応や血液の異常が起こることもあるため、「少し気になるな」と感じたら早めに受診しましょう。また、市販薬を使っている場合でも、体調に変化があれば、自己判断せずに薬剤師や医師に相談してください。
腎機能が悪い方は注意
ファモチジンは体内で代謝された後、主に腎臓を通じて排出される性質があります。そのため、腎機能が低下している方では薬が体に残りやすく、血中濃度が上昇して副作用のリスクが高くなりがちです。とくに高齢の方は年齢とともに腎機能が低下している場合も多く、注意が必要です。腎臓に持病がある方は、ファモチジンを使う前に医師へ相談しましょう。こんなときは病院へ
ファモチジンを服用していても症状がよくならない、あるいは悪化していると感じた場合は、早めに医療機関を受診しましょう。特に以下のような症状があらわれたときは、自己判断での継続使用を避け、専門医の診察を受けることが大切です。
・みぞおち周辺の鈍い痛み(心窩部痛)が続く
・食事や飲み物が飲み込みにくい、または飲み込んだ際にむせる
・食後に食べ物が口の中に戻ってくる感じがある
・黒っぽい便やタールのような便が出る(下血)
・血を吐く、または吐いたものに血が混ざる
これらの症状は、消化管の出血など、重い病気が隠れている可能性があります。早めの受診を心がけましょう。
『ファモチジン』に関するQ&A

ここからはファモチジンのよくある質問に回答します。

一方、市販薬の場合は、連続して使えるのは2週間までとされています。症状が改善しないまま服用を続けるのは避け、早めに医療機関を受診しましょう。




その中で、ファモチジンは「H2ブロッカー」という分類にあたる薬です。胃の中で胃酸の分泌を指示する部分に働きかけて、胃酸の出過ぎを抑えるのが特徴です。胃酸が原因で起こる胸やけ、胃の痛み、もたれなどに効果があり、胃潰瘍や逆流性食道炎などの治療にも使われています。

まとめ

ファモチジンは、胃酸の出すぎを抑えることで胃の不快な症状をやわらげる「H2ブロッカー」に分類される薬です。市販薬と処方薬で成分量や使用目的が異なり、日常的なケアから胃潰瘍などの治療まで、幅広く使われています。副作用は少ないとされているものの、まれに重い症状が出ることもあるため、異変を感じた際にはすぐに医療機関を受診しましょう。また、腎機能が気になる方や高齢者は、服用前に必ず医師へ相談してください。
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