目次
AGAとは?
AGAの主な原因の多くは、テストステロンという男性ホルモンが毛根にある5αリダクターゼという酵素によりジヒドロテストステロン(DHT)というホルモンに変換されます。
そのDHTが毛包と呼ばれる毛根の部分にくっつくと、TGF-βやDKK1という蛋白を誘導し、毛母細胞の増殖が抑制されるため、それが髪の毛の成長を妨げ薄毛や脱毛の原因となります。
AGAによって薄毛や脱毛が進行するかどうかは、5αリダクターゼの活性度が関係しており、人によって異なります。
髪の毛の成長期間は通常2~6年ですが、DHTはそれを数ヶ月~1年と大幅に短くします。多くのAGAはこのDHTによる影響と言われています。
AGAって治療で治るの?
内服薬ではこの5αリダクターゼという酵素を阻害したり、外用薬では頭皮の血流を改善し髪の毛の成長期を延長することで、発毛を促進したり抜け毛を減らしたりすることで、AGAを治療することが多いです。
治療方法の種類

治療方法は大きく分けて『内服薬』『外用薬』『その他』の3種類があります。
・内服薬
内服薬のメリットは、外用薬と比べ効果が高く、効果が現れやすいことです。約半年ほどで効果が現れます。
デメリットとしては、基本的に医師の診察のもと処方が必要であり、外用薬よりもやや費用が高額になりやすいことや、稀に副作用として性欲減退、勃起障害(ED)、肝機能障害などを起こすことがあることです。
・外用薬
外用薬のメリットは、ドラッグストアやネットでも買うことができ気軽に治療を始められることです。約半年ほどで効果が現れます。
デメリットとしては、皮膚の弱い方や敏感なかたはかゆくなったりかぶれたりする可能性があることです。しかし、添加物や防腐剤フリーなどの商品もありますので、きちんと選べばデメリットを減らすことはできます。
・その他
その他の治療としては光線療法と呼ばれる頭皮に光をあてて発毛を促すものや、植毛術という手術で頭皮に髪の毛を移植する方法があります。
いずれも内服薬や外用薬で効果が乏しい場合に選択肢として考えることが多く、費用も高額になりやすいという特徴があります。
治療薬の種類

・内服薬
内服薬は主に3種類あり、5αリダクターゼを阻害しDHTの産生を防ぐことでAGAを改善する「フィナステリド」や「デュタステリド」と、毛乳頭細胞を刺激し髪の毛の成長を促す「ミノキシジル」があります。
このうちAGAで推奨される内服薬は「フィナステリド」と「デュタステリド」です。「ミノキシジル」は血圧低下のリスクがあるためあまり推奨されていません。
・外用薬
外用薬は様々な種類のものがありますが、その中でも特に効果のある成分は「ミノキシジル」と「アデノシン」です。
外用薬の「ミノキシジル」は内服薬とは異なり血圧低下のリスクは低く、頭皮に直接塗ることで効果が得やすいため使われることが多いです。
フィナステリド
頭皮において、テストステロンをジヒドロテストステロン(DHT)に代謝する5αリダクターゼⅡ型を阻害することで、抑制されていた毛母細胞の増殖を戻し髪の毛を増やします。
| 分類 | 医療用医薬品 |
| 治療薬のタイプ | 錠剤 |
| 服用・使用回数 | 1日1回1錠 |
| 妊娠中・授乳中の服用 | 女性への適応なし |
| 保険適用 | 保険適用なし |
| 薬の使用期間(目安) | 半年以上 |
デュタステリド
頭皮において、テストステロンをジヒドロテストステロン(DHT)に代謝する5αリダクターゼⅠ・Ⅱ型の両方を阻害することでフィナステリドよりも強い効果を発揮し髪の毛を増やします。
| 分類 | 医療用医薬品 |
| 治療薬のタイプ | 錠剤 |
| 服用・使用回数 | 1日1回1錠 |
| 妊娠中・授乳中の服用 | 女性への適応なし |
| 保険適用 | 保険適用なし |
| 薬の使用期間(目安) | 半年以上 |
ミノキシジル(外用薬)
毛乳頭細胞や毛包周囲の血流改善、細胞成長因子を誘導することで成長期間の短縮を改善し、髪の毛を増やします。
| 分類 | 第1類医薬品 |
| 治療薬のタイプ | 外用薬 |
| 服用・使用回数 | 1日2回 |
| 妊娠中・授乳中の服用 | 使用不可 |
| 保険適用 | 保険適用なし |
| 薬の使用期間(目安) | 半年以上 |
アデノシン(外用薬)
毛乳頭細胞において増殖因子を促進することで、髪の毛の成長を促します。細くなってしまった髪の毛を太くすることで薄毛を予防したりAGAを改善します。
| 分類 | 医薬部外品 |
| 治療薬のタイプ | 外用薬 |
| 服用・使用回数 | 1日2回 |
| 妊娠中・授乳中の服用 | 使用不可 |
| 保険適用 | 保険適用なし |
| 薬の使用期間(目安) | 半年以上 |
自分に合う薬の見つけ方
内服薬は、
・洗髪の時に脱毛が増えてきた
・同年代の人と比べて明らかに髪の毛が薄い
・前頭部が後退してきたり、頭頂部の肌が目立ってきたと感じている
といった方におすすめです。
外用薬は、
・抜け毛の予防をしたい
・髪の毛が細くなりハリやコシがなくなってきた
・薄毛というほどではないけど髪の毛が気になる
こういった方は外用薬がおすすめです。
症状が軽い方は外用薬、そうでない方は内服薬から始めるようなイメージです。内服薬や外用薬でも効果がない場合は光線療法や植毛術を考えてもいいでしょう。
気になるAGA治療の費用は?

AGA治療は基本的には自費診療であり保険適用はないため全額自己負担となります。
内服薬は薬代だけでなく、診察代や検査料も含まれるため相場は月約15,000~30,000円といわれています。フィナステリドやデュタステリドの薬代だけであれば月約5,000~10,000円程度です。
外用薬は薬代だけなので、月約4,000~8,000円となります。
光線療法や植毛術は十数万~数十万円とクリニックによって非常に幅があり、高額になることが多いです。
AGA治療って何処で受けられる?

AGA治療はAGA専門クリニック以外にも、皮膚科や美容皮膚科、美容外科などでも治療を受けられます。
病院を選ぶときのポイントは
AGAの診断は難しいものではありませんが、一部にはAGA以外の脱毛症(円形脱毛症)などが合併していることもあります。女性の場合は鉄や亜鉛といった微量元素が欠乏していることで脱毛症となる場合があります。
AGA治療をしても効果が乏しい場合はほかの脱毛症の可能性もありますので、きちんと診察や検査ができるところがおすすめです。
AGA治療の効果は3か月から6か月ほどかかります。また、一度AGAが改善されても治療をやめてしまうとまた再発してしまうことが多いです。
ですので、診察代や検査料、薬代などがいくらくらいかかるのかをチェックしてみてください。
AGA治療は数か月から年単位での治療となるため、医師との相性やアクセスのしやすさなどは重要です。実際に通ってみないと雰囲気や対応などわからないところはありますが、口コミや評判などを参考にしてみるといいと思います。
また、最近ではオンライン診療に対応したクリニックも増えており、薬も自宅まで郵送してくれるところも増えてきています。日中仕事で忙しく受診する暇がない方はこういったクリニックも選択肢となるでしょう。
AGA専門病院と一般病院の差は?

AGA専門病院が一般病院より優れている点としては、やはり治療方法の種類や、治療実績の豊富さです。
オーソドックスな治療でも効果が乏しい場合には他の治療に変更したり併用することもあります。途中でクリニックを変えなくてもいいように、治療方法や治療実績の多いクリニックや病院を選ぶのがおすすめです。
AGA治療で後悔しないためのポイントとは?

AGA治療で後悔しないためには、AGA治療の内容やどれくらいの費用と時間がかかるかをあらかじめ知っておくことです。
AGA治療は効果が現れるまで約半年ほどかかります。そのため最初の1~2か月で効果が出ないからといってやめてしまう人がいますが、とてももったいないことです。効果を実感できるまでに時間がかかりますが、焦らずじっくりと治療をしましょう。
そして、AGA治療は効果がでてからもずっと続ける必要があるため、年間を通してどれくらいの費用がかかるかを確認しておきましょう。
AGA治療でよく聞かれるQ&A

ここからはAGA治療についてよくある質問についてお答えします。
いろいろとご説明してきましたが、よくある疑問や不安については、こちらで解決してみてください。

主な副作用としては、性欲減退、勃起障害(ED)、肝機能障害があります。 副作用が出たときは飲み薬を止めて改善するか確認しますが、止めたあとも僅少ではありますが副作用が残ってしまう方もいます。 肝機能障害は初期では症状が出ることがあまりないため、定期的に血液検査で肝機能をチェックすることが必要です。 通院は怠らず、違和感や副作用が出たときは処方元の医師に相談してみてください。
また、注意点としてPSAという前立腺癌の腫瘍マーカーが真の値の1/2に低下することです。前立腺癌の見過ごしにつながる危険性がありますので、前立腺癌健診や、病院受診の際にはAGA治療薬を内服していることを医師や医療スタッフへ伝えましょう。


ただし、フィナステリドのほうが副作用の頻度がやや低いため、心配なかたはフィナステリドから始めて見るのがいいと思います。フィナステリドで効果がなくても、デュタステリドを服用したところ改善する方もいますので、担当の医師とよく相談してみてください。


女性で有効とされているのはミノキシジルやアデノシンの外用薬がありますが、ミノキシジルの外用薬は濃度が1%までのものしか使えませんのでご注意ください。


また、AGAの症状が重症の場合は最初から同時に使うこともあります。


しかしながら、国内で検査されていないものは成分濃度が一定でなかったり、副作用の点で懸念される場合があります。やたら安いものも多くついつい気になってしまいますが、副作用のリスクや健康被害の可能性がありますので、こういった飲み薬はクリニックや病院で処方してもらうことをおすすめします。

まとめ

AGAの特徴や治療などをご紹介しましたが、いかがでしょうか? 最後にもう一度まとめておきましょう。
・AGAの主な原因:ジヒドロテストステロン(DHT)による発毛阻害
・AGA治療の種類と主な薬
内服薬:フィナステリドやデュタステリド
外用薬:ミノキシジルやアデノシン
その他:光線療法や植毛術
・病院や治療の選び方
通いやすい、治療法や治療実績が豊富な病院を選ぶ 外用薬や内服薬から始める どちらも無効なら光線療法や植毛術 AGA治療は時間がかかりますが、根気強く続けることで効果が発揮されます。焦らずじっくりと取り組みましょう!
参考文献
・男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン(2017年版)※最新版│日本皮膚科学会
・Androgen actions on the human hair follicle: perspectives
・The effect of finasteride on prostate specific antigen: review of available data
・ザガーロカプセル0.1mg/ザガーロカプセル0.5mg│添付文書
・Topical adenosine increases the proportion of thick hair in Caucasian men with androgenetic alopecia
※掲載内容は執筆時点での情報です。
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野口 哲央 医師
執筆・監修者プロフィールはこちら医師免許取得し初期臨床研修修了後、大学病院や市中総合病院で手術や外来業務に従事。 現在も医師として総合病院に勤務しながら、ライターとして一般の方に分かりやすく、読みやすい医療に関する情報を提供している。























