目次
足の甲のぶつぶつに効く市販薬によく含まれている成分
それぞれの成分について解説していきます。
①:抗ヒスタミン剤
何らかの原因で痒みの症状が出ている部分には、アレルギー反応を引き起こすヒスタミンが放出されていると考えられます。ヒスタミンは神経伝達物質の1つで、ヒスタミンH1受容体に作用することで皮膚の痒みなどのアレルギー症状を引き起こします。
抗ヒスタミン剤はH1受容体への拮抗作用によりヒスタミンのはたらきを抑え、アレルギー症状を改善します。抗ヒスタミン剤の塗り薬には、主にジフェンヒドラミンやクロルフェニラミンなどが含まれています。
②:ステロイド剤
ステロイドは細胞の中に入り、炎症に関与する遺伝子に働きかけることで皮膚の炎症を抑えます。
市販の皮膚科の塗り薬には、ベタメタゾン吉草酸エステル、フルオシノロンアセトニド、プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルなどが含まれています。ステロイドの強さのランクは前者2つがストロング、プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルはミディアムです。
足の甲のぶつぶつを緩和できる市販薬の選び方・ポイント
それぞれの場合について以下で説明します。
ポイント①:痒みの緩和を重視する
まだ皮膚がひどく炎症しておらず、とにかく痒い場合には抗ヒスタミン剤の塗り薬がおすすめです。
抗ヒスタミン剤の塗り薬は、ステロイド剤で心配されるような長期使用による悪影響が比較的少ないのもメリットです。
ポイント②:皮膚の炎症の緩和を重視する
皮膚に赤いぶつぶつがあるなど炎症を起こしている場合は、ステロイド剤がおすすめです。皮膚が特に痒くない場合でも使用できます。
ステロイド剤には軟膏とクリームがありますが、クリームはべとつかず使いやすい一方、刺激が強く炎症の起きている部位ではしみる可能性があります。軟膏は保湿力が高く皮膚保護効果があり、乾燥した患部にもジュクジュクした患部にも使うことができます。
ポイント③:掻き壊し部分の修復を重視する
搔き壊しがある場合はステロイド剤と抗生物質の両方が含まれるクリームや軟膏がおすすめです。抗生物質が傷口での菌の増殖や化膿を抑え、ステロイドが皮膚の炎症を緩和させるはたらきをします。
市販薬では、ステロイド剤としてはベタメタゾン吉草酸エステルやフルオシノロンアセトニド、抗生物質としてはゲンタマイシン硫酸塩やフラジオマイシン硫酸塩が含まれています。
【厳選】足の甲のぶつぶつを緩和するのにおすすめの市販薬 9選
ポイント①:痒みの緩和を重視した市販薬 3選
抗ヒスタミン成分をメインとした塗り薬です。痒み止めとして、他にクロタミトンや局所麻酔剤なども含まれます。PR
こんな方に
皮膚症状の範囲が広い方に
すぐに症状を抑えたい方に
のびやすく塗りやすい、乳剤性の軟膏
ジフェンヒドラミン塩酸塩が湿疹やかゆみ等のもとであるヒスタミンのはたらきをおさえ、痒みを和らげます。やわらかく、のびやすい乳剤性軟膏で、広い患部にも塗り広げやすく、使用感がよいのが特徴です。
分類 | 第3類医薬品 |
有効成分(含有量)/主成分(含有量) | 1g中 ジフェンヒドラミン塩酸塩(20mg) |
効果・効能 | 湿疹、皮膚炎、かゆみ、かぶれ、あせも、ただれ、しもやけ、虫さされ、じんましん |
用法・用量 | 1日数回 |
タイプ | 軟膏 |
妊娠中・授乳中の使用 | 使用可能 |
使用が可能な年齢 | 記載なし |
スーッとする成分 | × |
染みるタイプ | × |
色 | 白 |
ステロイドの強さ | × |
薬の匂い | × |
PR
こんな方に
搔き壊しがある方に
かゆみが強い方に
気になるお肌のかゆみに
顔などの敏感な部位のかゆみ、下着かぶれやデリケートゾーンのかゆみにも使えます。ノンステロイドタイプの治療薬。赤ちゃんの湿疹やかぶれにも使うことができます。のびがよく、白残りしにくいクリームタイプです。
分類 | 第3類医薬品 |
有効成分(含有量)/主成分(含有量) | 100g中 クロタミトン(10.0g)、ジフェンヒドラミン塩酸塩(1.0g)、グリチルレチン酸(0.5g)、アラントイン(0.2g)、イソプロピルメチルフェノール(0.1g)、トコフェロール酢酸エステル(0.5g) |
効果・効能 | しっしん、かぶれ、かゆみ、虫さされ、じんましん、しもやけ、皮膚炎、あせも、ただれ |
用法・用量 | 1日1~3回 |
タイプ | クリーム |
妊娠中・授乳中の使用 | 使用可能 |
使用が可能な年齢 | 記載なし |
スーッとする成分 | × |
染みるタイプ | × |
色 | 白 |
ステロイドの強さ | × |
薬の匂い | × |
PR
こんな方に
すぐに症状を抑えたい方に
水疱瘡の紅斑・丘疹に
かゆみにしみないクリーム
しみないかゆみ止めなので、顔(目の周りを除く)やかきむしったところ等様々な場所に使えます。局所麻酔剤を5%配合し、かゆみを抑えます。抗ヒスタミン剤配合で、かゆみ、炎症を和らげます。親水性でべたつかず、塗りやすいやわらかなクリームです。
分類 | 第3類医薬品 |
有効成分(含有量)/主成分(含有量) | 100g中 アミノ安息香酸エチル(5.0g)、ジフェンヒドラミン塩酸塩(2.0g)、イソプロピルメチルフェノール(0.1g) |
効果・効能 | かゆみ、かぶれ、湿疹、虫さされ、皮ふ炎、じんましん、あせも、ただれ、 しもやけ |
用法・用量 | 1日数回 |
タイプ | クリーム |
妊娠中・授乳中の使用 | 使用可能 |
使用が可能な年齢 | 記載なし |
スーッとする成分 | × |
染みるタイプ | × |
色 | 白 |
ステロイドの強さ | × |
薬の匂い | × |
ポイント②:皮膚の炎症の緩和を重視した市販薬 3選
痒みの有無に関わらず、皮膚の炎症がある場合にはステロイドの塗り薬を使うことができます。リンデロンとメソッドは軟膏のみご紹介していますが、これらはクリームタイプもあります。ベトネベートの軟膏タイプはステロイドと抗生物質の合剤になるので、後ほどご紹介します。
PR
こんな方に
皮膚のかゆみ・炎症を抑えたい方に
クリームがしみるほどの炎症がある方に
かゆくてつらい皮膚炎に、しみない軟膏
炎症を鎮めるステロイドとグリチルレチン酸、かゆみを抑えるジフェンヒドラミン・クロタミトン・リドカイン、肌を修復するアラントインなど、8種の有効成分を配合。患部に密着してもしみない軟膏です。
分類 | 指定第2類医薬品 |
有効成分(含有量)/主成分(含有量) | 1g中 プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル(1.5mg)、グリチルレチン酸(5mg)、ジフェンヒドラミン塩酸塩(20mg)、クロタミトン(50mg)、リドカイン(20mg)、アラントイン(2mg)、イソプロピルメチルフェノール(1mg)、トコフェロール酢酸エステル(10mg) |
効果・効能 | かゆみ、皮膚炎、湿疹、かぶれ、あせも、虫さされ、じんましん |
用法・用量 | 1日数回、適量を患部に塗擦してください。 |
タイプ | 軟膏 |
妊娠中・授乳中の使用 | 妊婦又は妊娠していると思われる人は使用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください。 |
使用が可能な年齢 | 記載なし |
スーッとする成分 | × |
染みるタイプ | × |
色 | 透明 |
ステロイドの強さ | ミディアム |
薬の匂い | × |
PR
こんな方に
かゆみと炎症がある方に
患部がジュクジュクしている方に
つらいかゆみ、早く治したい皮膚症状に
有効成分ベタメタゾン吉草酸エステルは副腎皮質ホルモンの一つで、炎症をおさえ、かゆみをしずめます。クリームと比べて刺激が少なく、皮膚の保湿・保護作用を目的に使われます。
分類 | 指定第2類医薬品 |
有効成分(含有量)/主成分(含有量) | 1g中 ベタメタゾン吉草酸エステル(1.2mg) |
効果・効能 | しっしん、皮ふ炎、あせも、かぶれ、かゆみ、しもやけ、虫さされ、じんましん |
用法・用量 | 1日1回~数回 適量を患部に塗布してください。 |
タイプ | 軟膏 |
妊娠中・授乳中の使用 | 妊婦又は妊娠していると思われる人は使用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください。 |
使用が可能な年齢 | 記載なし |
スーッとする成分 | × |
染みるタイプ | × |
色 | 透明 |
ステロイドの強さ | ストロング |
薬の匂い | × |
PR
こんな方に
がまんできない痒みのある方に
べとつかない塗り薬をお探しの方に
かゆみをしずめ、湿疹など皮膚症状を改善
ステロイド成分のベタメタゾン吉草酸エステルが、しっしん、かぶれ等の皮膚の炎症を和らげます。のびがよく、ベタつかない使い心地のよいクリーム剤です。
分類 | 指定第2類医薬品 |
有効成分(含有量)/主成分(含有量) | 100g中 ベタメタゾン吉草酸エステル(0.12g) |
効果・効能 | しっしん、皮膚炎、あせも、かぶれ、かゆみ、しもやけ、虫さされ、じんましん |
用法・用量 | 1日1~数回、適量を患部に塗布して下さい。 |
タイプ | クリーム |
妊娠中・授乳中の使用 | 妊婦又は妊娠していると思われる人は使用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください。 |
使用が可能な年齢 | 記載なし |
スーッとする成分 | × |
染みるタイプ | × |
色 | 白 |
ステロイドの強さ | ストロング |
薬の匂い | × |
ポイント③:掻き壊し部分の修復を重視した市販薬 3選
痒み・掻き壊しがある場合に、ステロイド剤と抗生物質が合わさった塗り薬を使うことができます。PR
こんな方に
ひどい炎症・かゆみのある方に
皮膚炎、かぶれ、皮膚トラブルの原因に
フルオシノロンアセトニドはストロングランクの外用ステロイド で、抗炎症作用により、赤み、腫れ、かゆみを抑えます。軟膏剤は刺激が少なく、皮膚を保護する作用や水分の蒸発を防ぐ保湿作用もあるので、ジュクジュクした患部にもカサカサした患部にも適しています。
分類 | 指定第2類医薬品 |
有効成分(含有量)/主成分(含有量) | 1g中 フルオシノロンアセトニド(0.25㎎)、フラジオマイシン硫酸塩(3.5㎎(力価)) |
効果・効能 | 化膿を伴う次の諸症:湿疹、皮膚炎、あせも、かぶれ、しもやけ、虫さされ、じんましん 化膿性皮膚疾患(とびひ、めんちょう、毛のう炎) ※ウイルスや真菌による感染部位には使用できません |
用法・用量 | 1日1~数回、適量を患部に塗布してください。 |
タイプ | 軟膏 |
妊娠中・授乳中の使用 | 妊婦又は妊娠していると思われる人は使用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください。 |
使用が可能な年齢 | 記載なし |
スーッとする成分 | × |
染みるタイプ | × |
色 | 透明 |
ステロイドの強さ | ストロング |
薬の匂い | × |
PR
こんな方に
皮膚炎を掻き壊している方に
傷口が化膿している方に
化膿をともなう湿疹、皮膚炎に
テラ・コートリル®軟膏aは優れた抗炎症作用を示すヒドロコルチゾン(副腎皮質ステロイド)とグラム陽性菌および陰性菌などに広い抗菌力を示すオキシテトラサイクリン塩酸塩を配合。化膿をともなう湿疹・皮膚炎に効果的です。
分類 | 指定第2類医薬品 |
有効成分(含有量)/主成分(含有量) | 1g中 オキシテトラサイクリン塩酸塩(30mg(力価))、ヒドロコルチゾン(10mg) |
効果・効能 | 化膿を伴う次の諸症: 湿疹、皮膚炎、あせも、かぶれ、しもやけ、虫さされ、じんましん、化膿性皮膚疾患(とびひ、めんちょう、毛のう炎) |
用法・用量 | 1日1~数回、適量を患部に塗布するかガーゼなどにのばして貼付してください。 |
タイプ | 軟膏 |
妊娠中・授乳中の使用 | 使用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください。 |
使用が可能な年齢 | 記載なし |
スーッとする成分 | × |
染みるタイプ | × |
色 | 透明 |
ステロイドの強さ | ミディアム |
薬の匂い | × |
PR
こんな方に
かゆみがあり、搔き壊しがある方に
傷口が化膿している方に
化膿を伴う湿疹、皮膚炎の治療薬
ベタメタゾン吉草酸エステル(ステロイド成分)が、しっしん、かぶれ等の皮膚の炎症にすぐれた効き目を発揮します。抗菌作用を有する抗生物質フラジオマイシン硫酸塩を配合しています。患部を保護する油性基剤なので、じゅくじゅくした患部にもおすすめです。
分類 | 指定第2類医薬品 |
有効成分(含有量)/主成分(含有量) | 100g中 ベタメタゾン吉草酸エステル(0.12g)、フラジオマイシン硫酸塩(0.35g) |
効果・効能 | 化膿を伴う次の諸症:湿疹、皮膚炎、あせも、かぶれ、しもやけ、虫さされ、じんましん 化膿性皮膚疾患(とびひ、めんちょう、毛のう炎) |
用法・用量 | 1日1~数回、適量を患部に塗布して下さい。 |
タイプ | 軟膏 |
妊娠中・授乳中の使用 | 妊婦又は妊娠していると思われる人は使用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください。 |
使用が可能な年齢 | 記載なし |
スーッとする成分 | × |
染みるタイプ | × |
色 | 白色半透明 |
ステロイドの強さ | ストロング |
薬の匂い | × |
【比較一覧】この記事で紹介している市販薬
しっしん・かゆみの薬の売れ筋ランキングもチェック!
なお、ご参考までに、しっしん・かゆみの薬のAmazon、Yahoo!ショッピング、楽天の売れ筋ランキングは、以下のリンクからご確認ください。
使用するときのポイントや注意点について
使用するときのポイント・副作用はあるの?
ご紹介した塗り薬は1日数回、決められた回数使うものです。お風呂あがりや手洗いの後など、手を清潔にした後にも塗っておきましょう。
市販の塗り薬にも、痒み・発疹といった皮膚症状の副作用が起こることがあります。薬を塗ったことで症状が悪化したように感じた場合はすぐに使用を中止しましょう。
ステロイド剤は長期間の使用は想定されていません。しばらく使っても改善がみられない場合は病院に行くようにしてください。また、傷のある部分には抗生物質とステロイド剤の合剤を使いましょう。ステロイド剤のみだと、傷の治癒が遅れたり悪化する可能性もあります。
こんなときは病院へ
市販の塗り薬を使っても改善がみられなかったり悪化した場合は、皮膚科を受診してより自分の症状に合った薬を処方してもらうことをおすすめします。
また、市販の塗り薬でかぶれるなど副作用が現れた場合も、その薬の使用を中止し皮膚科を受診して医師の指示を仰いでください。
『足の甲のぶつぶつ』に関するQ&A
足の甲のぶつぶつについて、よくある質問をまとめました。
しかし、子どもの発疹は重症な疾患の1症状である場合もあるので、経過には十分注意してください。全身にぶつぶつが広がるようであれば小児科・皮膚科を受診するようにしましょう。
足の甲にできる場合もないとは言い切れませんが、あまり多い例ではないので、原因がよく分からない場合は皮膚科を受診した方がよいと考えられます。
しかし、搔き壊しがある場合には傷口の悪化や傷口にしみることが心配されるので、おすすめでません。
まとめ
足の甲にぶつぶつができると、違和感でつい触ってしまいたくなるかもしれません。
しかし治りが遅くなってしまうので、過度に触らないようにして自然治癒を待つか、ステロイド剤や抗ヒスタミン剤の塗り薬を塗って炎症を抑えるようにしましょう。市販の塗り薬を使う場合は、商品選びにこの記事を参考にしてみてください。
※掲載内容は執筆時点での情報です。