1.年をとると、誰でも軟骨がすり減る

どんな人も加齢には逆らえず、加齢と共に膝や関節の軟骨はすり減っていきます。ただ、すり減り方はその部位に負担がかかるような仕事や生活だったり、過体重、病歴などによって違ってきます。

 

今回のテーマであるコンドロイチンやグルコサミンは体内で生成される物質ですが、加齢と共に生成する力が低下していきます。

 

コンドロイチンやグルタミンの量が減少すると、近くにある軟骨、あるいは骨同士が触れ、摩耗し始めます。この段階で痛みが出て、受診すると、よくある変形性膝関節症と診断されることが非常に多くあります。

ここで注意していただきたいのは、膝が痛いからといってすべてコンドロイチンやグルコサミンの不足とは限らないということです。

リウマチなど他の疾患が原因、あるいは痛みの原因がいくつも絡み合っていたりしていることもあるため、「なぜ、痛いのか」ということを受診で明らかにする必要があります。

 

では、軟骨の状態を健全に保つために重要なコンドロイチン、グルコサミンについて解説致します。

 

2.コンドロイチンとは?

コンドロイチンはネバネバした粘性物質であるムコ多糖類に分類されます。

 

(囲み記事)ムコ多糖類:ムコとは粘液の意味であり、タンパク質である証拠のアミノ基を持っている。多糖類とは糖がいくつか連なる集合体。従って、ムコ多糖類とは糖とタンパク質が結合したもので、糖タンパクともいう。水晶体にも存在し、目薬の成分としても活用されている。

 

コンドロイチンのようなムコ多糖類は結合組織や軟骨に存在して、軟骨などが定位置に留まることができるよう、潤滑剤のような働きをしています。コンドロイチンが十分にあれば、隣り合わせの骨などが近寄り過ぎたりすることなく、クッション的な役割を担っています。

 

2-1. コンドロイチンが減少すると……

水分の保持が困難になり、そのためにクッション(弾力)効果も失われ、軟骨の摩耗が始まります。それが膝であれば膝の痛み、腰であれば腰痛という形で出てくるわけです。

眼の中のコンドロイチンが減れば、ドライアイになることも。

 

2-2. コンドロイチンの効果

軟骨がすり減って骨同士が接触を起こすと、痛みが出てきます。コンドロイチンは軟骨間の空間を維持し、痛みの症状を改善させることができます。

 

また、有害な活性酸素やコレステロールを取り除き、メタボや高血圧を予防します。スキンケアの方面では、コンドロイチンの高い水分保持力が肌の乾燥を防ぎ、ハリツヤを与えてくれます。

その他、目薬に配合することでドライアイの改善も期待され、腎疾患や骨粗鬆症の予防、改善にも有効と考えられています。

 

2-3. コンドロイチンを含む食品

オクラ、納豆、ヤマイモなどネバネバ系食品に多く含まれています。サプリメントにはコンドロイチンが含まれるサメの軟骨が多く使用されています。

 

3.グルコサミンとは?

グルコサミンは軟骨の構成成分でアミノ糖といわれる物質です。グルコース(ブドウ糖)にアミノ基が結合しています。

前述したコンドロイチンの前駆体はグルコサミンです。グルコサミンもコンドロイチン同様、加齢とともに減少していきます。

 

前駆体とは?

前駆体:ある目的物質に向かう化学反応でその目的物質が生成される前の物質のこと

 

3-1. グルコサミンが減少すると……

グルコサミンは軟骨の構成成分。加齢とともに減少していくため、軟骨がすり減っていきます。

 

関節の骨と骨がぶつからないように存在している軟骨の構成成分であるグルコサミンが減少するわけですから、軟骨がやせ細っていきます。やがて、骨と骨がぶつかり合うようになると、痛みがでてきて、さらには骨が変形してくることも珍しくありません。

 

3-2. グルコサミンの効果

グルコサミンは軟骨の摩耗を予防します。また、軟骨の細胞などの新陳代謝を活発にし、ダメージを受けた軟骨を修復、再生させる効果があります。

また、軟骨を丈夫にし、強い負荷や衝撃から守ってくれるため、痛みが軽減されてスムーズな動きが可能になります。

その他、抗炎症作用の働きもあって、痛みの緩和にも有効です。

 

3-3. グルコサミンを含む食品

ヤマイモ、オクラ、フカヒレなどに含まれています。サプリメントにはグルコサミンが豊富なカニの甲羅やエビの殻を成分にしています。

但し、カニの甲羅などでアレルギーが出現した経験のある方、あるいは予測できる方は避けてください。

 

3-4. 糖尿病患者さんはグルコサミンを使わないほうがいい?

グルコサミンは消化を受けると、グルコース(ブドウ糖)とアミノ酸に振り分けられます。

そのため、グルコースによる血糖上昇が考えられます。

 

実際にグルコサミンを使い、糖尿病高齢者の集団で実験したところ、血糖上昇が見られたという報告があったようです。

その一方で、グルコサミンとコンドロイチンを約3カ月間、服用したところ、HbA1cの有意差はなかったなど、糖尿病患者さんのグルコサミンを使用する指標が定まらない結果となっています。

とはいえ、グルコースとインスリンによる糖代謝は理論的には考えられることから、糖尿病や高血圧、高脂血症の方がグルコサミンを使用する場合は血糖値をはじめとする諸検査の数値変動に注意すべきというのが専門家の意見です。

 

4.医薬品?サプリメント?

日本の場合、コンドロイチンは医薬品とサプリメントがあり、グルコサミンはサプリメントのみとなっています。

 

コンドロイチン

○医薬品:医療用(医師が処方する)には注射液や目薬があります。

市販用(ドラッグストアなどで購入可)には飲み薬や目薬があります。

 

○サプリメント:成分:コンドロイチンが豊富に含まれるサメ軟骨抽出物など

 

グルコサミン

○サプリメント:成分:グルコサミンが豊富に含まれるカニの甲羅やエビの殻など

 

 

コンドロイチンもグルコサミンもそれぞれの特徴や違いをもちながら、軟骨への働きかけについては共通部分があります。

さらに、特記すべきはコンドロイチンとグルコサミンを併せて使用することで、相乗効果が生まれるということです。

 

5.コンドロイチンとグルコサミンの相乗効果

コンドロイチンもグルコサミンも軟骨を健全な状態に保つために、どちらも無くてはならない物質です。

さらに、これらの物質の供給を併せて行うことで相乗効果を期待することができます。

 

前述の内容を大まかに要約しますと、コンドロイチンは水分の保持に働き、グルコサミンは軟骨の構成成分です。同じように軟骨を支える物質ですが、そのサポートの仕方が若干、異なります。

 

コンドロイチンが減少すれば、水分が目減りし、軟骨間の空間が狭くなります。グルコサミンが減ると、軟骨の強度は低下し、すり減ります。また、ダメージを受けた軟骨の修復が困難になります。

どちらも揃うことで、軟骨や骨が定位置におさまり。痛みから解放されることになります。

 

このようなことから、コンドロイチンとグルコサミンが一緒に配合されたサプリメントがたくさん、市場に登場しています。

 

6.コンドロイチン/グルコサミン共に配合されたサプリメント情報(最安値)

○ディアナチュラ グルコサミン・コンドロイチン・ヒアルロン酸 30日分 180粒

……1,166円(税込)

コンドロイチン、グルコサミンだけでなくヒアルロン酸なども配合されています。

 

○小林製薬の栄養補助食品 グルコサミンコンドロイチン硫酸ヒアルロン酸 270mg 240粒……1,725円(税込)

カルシウム、ヒアルロン酸なども配合されています。

 

○井藤漢方 グルコサミン&コンドロイチン 360粒入……2,775円(税込)

関節などの炎症を抑える効果があるデビルズクローエキスというハーブも配合されています。

 

7.まとめ

コンドロイチンやグルコサミンの製品の多さを考えるだけでも、膝、関節の痛みや不調に悩まれる方はかなりおられることがよくわかります。

ただ、膝や関節はとても複雑な構造をしています。

コンドロイチンやグルコサミンの補充だけで解決できない症例も少なくありません。

異常を感じたら、まずは病院を受診し、異常の原因を突き止めることがいちばん重要です。

 

 

特定非営利活動法人医療教育情報センター

グルコサミン

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