目次
手のひらのかゆみに効く市販薬によく含まれている成分
まずこの3つの成分について、それぞれの特徴を見ていきましょう。
①:クロタミトン

一般的に鎮痒薬(ちんようやく)と呼ばれる薬で、その名の通りかゆみを鎮める作用があります。かゆみを鎮める作用は、皮膚に軽い刺激感(温感)を与えることで、この刺激がかゆみの感覚を紛らわせていると考えられています。
また、この刺激感は短時間でなくなることが多いですが、塗ったときに痛みがある場合や、傷やジュクジュクした部位への使用は避けましょう。軽いかゆみのある人、すぐにかゆみを鎮めたい人におすすめの成分です。
②:ジフェンヒドラミン

この薬は、抗ヒスタミン薬という分類に入る薬です。 ヒスタミンは皮膚に存在する肥満細胞という細胞からから分泌され、かゆみを引き起こします。これをブロックするのが抗ヒスタミン薬です。
抗ヒスタミン薬は、ヒスタミンが作用するために結合が必要なH1受容体へフタをすることで、ヒスタミンの作用を抑えています。ジフェンヒドラミンはその中でも痒みを抑える作用が強く、蕁麻疹や虫刺されなどによく使用される成分になります。
③:プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル

長い成分名ですが、これはいわゆる「ステロイド」に分類される薬です。ステロイドは、炎症を起こしている部位に塗ることで、抗炎症作用を発揮します。
炎症とは、かゆみを伴う赤い発疹・水疱・ただれなどで、ステロイドはこの炎症を引き起こす物質の生成を抑えたり、炎症部位の血管を収縮させて患部の赤みを鎮めるといった作用があります。
その中でも、プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルは、「アンテドラッグステロイド」と呼ばれ、患部では炎症を鎮める作用がありますが、体内では分解される体にやさしいステロイド成分となります。
手のひらのかゆみを緩和できる市販薬の選び方・ポイント
一時的な軽めの痒みや蕁麻疹などには鎮痒薬や抗ヒスタミン薬などのかゆみ止め、炎症を伴う強いかゆみにはステロイド薬を選ぶとよいでしょう。
また、かゆみの原因が「乾燥肌」であれば、保湿剤を継続的に使用しましょう。
ポイント①:一時的な軽めのかゆみを治療する

一時的な軽めのかゆみを治療したいとき、薬としては「鎮痒薬」、「抗ヒスタミン薬」が配合されている塗り薬を選ぶとよいでしょう。
また剤型としては、手のひら全体に塗り広げやすい「クリーム」を使用するのがおすすめです。「見た目には炎症はひどくないけれど、かゆみを今すぐ抑えたい」そんな方におすすめです。
加えて、リドカインという局所麻酔薬の成分もかゆみ止めとして効果を有しますが、かぶれを起こしやすことが知られているため、注意してください。
ポイント②:炎症のある強いかゆみを治療する

炎症を伴う強いかゆみ、これにはステロイド外用薬が効果を発揮します。炎症が続いているとかゆみも続いてしまうものです。
手のひらに赤みのある発疹、水ぶくれ、ひび割れなどの炎症があるとき、ステロイドが入っている塗り薬を選ぶとよいでしょう。ステロイド外用薬の使い方のコツは、炎症を起こしている部分だけに、やさしく塗布することです。少量をゴシゴシ擦るように塗ってはいけません。
広い範囲に炎症を起こしてい場合や、膿みがあるときには皮膚科へ受診してください。
ポイント③:乾燥肌によるかゆみを予防する

湿疹のない乾燥肌でもかゆみは起こります。手にひらは家事や水仕事、摩擦などの刺激によってどうしても乾燥しがちです。
また、最近では新型コロナウイルスの流行により、手洗いやアルコールによる手指消毒の回数が多くなって、より乾燥しやすくなっています。
もちろん感染対策は重要ですので、乾燥しがちな手をしっかりケアすることが大切です。そこで手を乾燥から守るためにおすすめの塗り薬をご紹介します。
【厳選】手のひらのかゆみを緩和するのにおすすめの市販薬 9選
ここに記載したものはあくまで一例ですが、ひとつの判断材料として参考にしてみてください。
ポイント①:一時的な軽めのかゆみを治療する市販薬 3選
かゆみを緩和するための成分、「クロタミトン」、「ジフェンヒドラミン」を含有する市販薬です。その中でも塗り広げやすいクリーム剤で日常生活で利用しやすいものを選びました。それぞれ少しずつ特徴が違うので、ご自身にあったものを選びましょう。

こんな方に
とにかくかゆみで困っている方に
かゆみによく効いて、使いやすい
有効成分のクロタミトンが5%配合され、温感神経に働きかゆみを軽減します。またリドカインによってかゆみ神経の働きを弱め、ジフェンヒドラミンでかゆみの原因であるヒスタミンの作用をブロックします。ひとひねりで開けやすいキャップも、毎日使うときに便利でおすすめしたいポイントです。
| 分類 | 第2類医薬品 |
| 有効成分(含有量)/主成分(含有量) | <有効成分(1g中)> クロタミトン(50mg)、リドカイン(20mg)、ジフェンヒドラミン(10mg)、トコフェロール酢酸エステル(ビタミンE誘導体)(5mg)、グリチルレチン酸(2mg) |
| 効果・効能 | かゆみ、皮ふ炎、かぶれ、じんましん、虫さされ、しっしん、ただれ、あせも、しもやけ |
| 用法・用量 | 1日数回、適量を患部にぬってください。 |
| 薬・サプリメント・食品のタイプ | クリーム |
| 妊娠中・授乳中の使用 | 使用可能 |
| 使用が可能な年齢 | 記載なし |
| 1回の使用あたりのコスト(目安) | 11円 |
| スーッとする成分の有無 | 〇 |
| 染みるタイプ | 〇 |
| 色 | 白 |
| 薬の匂い | 〇 |

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こんな方に
しみないかゆみどめを探している方に
刺激が少なく、かゆみに効く
有効成分として、かゆみを止めるクロタミトン、ジフェンヒドラミンに加え、皮膚機能を改善するトコフェロール酢酸エステル、炎症と菌を抑えるグリチルレチン酸やイソプロピルメチルフェノールが配合されています。また清涼成分が含まれていないことから、しみたりしない点も特徴です。
| 分類 | 第3類医薬品 |
| 有効成分(含有量)/主成分(含有量) | <有効成分(1g中)> クロタミトン(20mg)、ジフェンヒドラミン(10mg)、グリチルレチン酸(10mg)、イソプロピルメチルフェノール(5mg)、トコフェロール酢酸エステル(5mg) |
| 効果・効能 | かゆみ、皮ふ炎、しっしん、じんましん、かぶれ、あせも、ただれ |
| 用法・用量 | 患部を清潔にしてから、1日数回適量を塗布してください。 |
| 薬・サプリメント・食品のタイプ | クリーム |
| 妊娠中・授乳中の使用 | 使用可能 |
| 使用が可能な年齢 | 記載なし |
| 1回の使用あたりのコスト(目安) | 9円 |
| スーッとする成分の有無 | × |
| 染みるタイプ | × |
| 色 | 白 |
| 薬の匂い | 無香料 |

こんな方に
かゆみ肌の修復を助けたい方に
かゆみに効いて、皮膚の修復を助ける
有効成分にかゆみを止めるジフェンヒドラミンに加え、かゆみ肌を改善するビタミンパンテノール(プロビタミンB5)が配合されているのが特徴です。また保湿成分としてグリセリンなどが含まれ、乾燥肌にも適しています。
| 分類 | 第3類医薬品 |
| 有効成分(含有量)/主成分(含有量) | <有効成分(1g中)>ジフェンヒドラミン塩酸塩(20mg)、パンテノール(プロビタミンB5)(10mg)、トコフェロール酢酸エステル(5mg)、グリチルレチン酸(2mg) |
| 効果・効能 | かゆみ、皮ふ炎、かぶれ、しっしん、じんましん、あせも、しもやけ、虫さされ、ただれ |
| 用法・用量 | 1日数回、適量を患部に塗布してください。 |
| 薬・サプリメント・食品のタイプ | クリーム |
| 妊娠中・授乳中の使用 | 使用可能 |
| 使用が可能な年齢 | 記載なし |
| 1回の使用あたりのコスト(目安) | 7円 |
| スーッとする成分の有無 | × |
| 染みるタイプ | × |
| 色 | 白 |
| 薬の匂い | 無香料 |
ポイント②:炎症のある強いかゆみを治療する市販薬 3選
ステロイドが配合されている市販薬です。炎症を伴うかゆみに効果を期待できます。患部にとどまって薬効を期待できる「軟膏」の薬を選びました。炎症のある部分に1日1~2回、やさしく塗りましょう。また、先述のかゆみ止め薬や保湿薬を手のひら全体に塗った上から、部分的にステロイドを重ね塗りするのもよいでしょう。

こんな方に
炎症によるかゆみのある方に
炎症によるかゆみを抑えて治療する
有効成分のプレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルは「アンテドラッグステロイド」と呼ばれ、患部では炎症を鎮める作用を発揮しますが体内では分解される、体にとってやさしいステロイド薬です。その薬効の強さは中間の「ミディアム」に分類されます。またかゆみを抑えるクロタミトンやリドカイン、肌の修復をたすけるアラントイン、患部を殺菌するイソプロピルメチルフェノールも配合されています。
| 分類 | 第2類医薬品 |
| 有効成分(含有量)/主成分(含有量) | <有効成分(1g中)> プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル(1.5mg)、イソプロピルメチルフェノール(1mg)、リドカイン(10mg)、クロタミトン(50mg)、アラントイン(2mg) |
| 効果・効能 | 湿疹、かぶれ、かゆみ、皮フ炎、じんましん、あせも、虫さされ |
| 用法・用量 | 1日数回、適量を患部にぬってください |
| 薬・サプリメント・食品のタイプ | 軟膏 |
| 妊娠中・授乳中の使用 | 医師、薬剤師または登録販売者に相談 |
| 使用が可能な年齢 | 記載なし |
| 1回の使用あたりのコスト(目安) | 22円 |
| スーッとする成分の有無 | × |
| 染みるタイプ | × |
| 色 | 無色透明 |
| 薬の匂い | 〇 |

こんな方に
炎症や手荒れのある方に
炎症のある手荒れを治療する
有効成分のプレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル(アンテドラッグステロイド)と、グリチルレチン酸が患部の炎症を鎮め、クロタミトンでかゆみを抑えます。またアラントインやトコフェロール酢酸エステルが皮膚の修復をたすけ、イソプロピルメチルフェノールが殺菌作用を発揮します。患部を保護する軟膏タイプなので、冬場の手湿疹やかぶれにもおすすめです。
| 分類 | 第2類医薬品 |
| 有効成分(含有量)/主成分(含有量) | <有効成分(1g中)> プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル(1.5mg)、グリチルレチン酸(5mg)、クロタミトン(50mg)、アラントイン(2mg)、トコフェロール酢酸エステル5mg、イソプロピルメチルフェノール(1mg) |
| 効果・効能 | しっしん、かぶれ、皮膚炎、じんましん、あせも、かゆみ、虫さされ |
| 用法・用量 | 1日数回、適量を患部に塗布して下さい。 |
| 薬・サプリメント・食品のタイプ | 軟膏 |
| 妊娠中・授乳中の使用 | 医師、薬剤師または登録販売者に相談 |
| 使用が可能な年齢 | 記載なし |
| 1回の使用あたりのコスト(目安) | 12円 |
| スーッとする成分の有無 | × |
| 染みるタイプ | × |
| 色 | 白色~微黄色 |
| 薬の匂い | 〇 |

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こんな方に
炎症によるつらいかゆみのある方に
しっかり炎症を抑えるステロイド薬
有効成分のベタメタゾン吉草酸エステルが、皮膚の炎症によるかゆみを抑えます。ベタメタゾン吉草酸エステルはステロイド外用薬の中でもストロングに分類されます。狭い範囲にある、赤みや腫れといった炎症部位に対して、部分的に塗布することで炎症を鎮め、その効果を発揮します。
| 分類 | 第2類医薬品 |
| 有効成分(含有量)/主成分(含有量) | <有効成分(1g中)> ベタメタゾン吉草酸エステル1.2mg |
| 効果・効能 | しっしん、皮ふ炎、あせも、かぶれ、かゆみ、しもやけ、虫さされ、じんましん |
| 用法・用量 | 1日1回~数回 適量を患部に塗布してください |
| 薬・サプリメント・食品のタイプ | 軟膏 |
| 妊娠中・授乳中の使用 | 医師、薬剤師または登録販売者に相談 |
| 使用が可能な年齢 | 記載なし |
| 1回の使用あたりのコスト(目安) | 22円 |
| スーッとする成分の有無 | × |
| 染みるタイプ | × |
| 色 | 白色~微黄色 |
| 薬の匂い | 〇 |
ポイント③:乾燥肌によるかゆみを予防する市販薬 3選
保湿薬の成分では、ヘパリン類似物質、白色ワセリンがおすすめです。保湿を目的とする場合にはヘパリン類似物質がおすすめです。症状に合わせて1日1~4回ほど、毎日続けて塗りましょう。ただし、皮膚が傷ついているときは、皮膚を保護するために白色ワセリンを使用するのも良いでしょう。

こんな方に
乾燥をしっかり予防したい方に
保湿力の高い保湿成分
有効成分のヘパリン類似物質は、乾燥肌の治療薬として、高い有効性を示します。保湿、血行促進、抗炎症の3つの作用があり、子どもからお年寄りまで、全身に使用できる薬です。
| 分類 | 第2類医薬品 |
| 有効成分(含有量)/主成分(含有量) | <有効成分(1g中)> ヘパリン類似物質(3mg) |
| 効果・効能 | 手指の荒れ、ひじ・ひざ・かかと・くるぶしの角化症、手足のひび・あかぎれ、乾皮症、小児の乾燥性皮ふ、しもやけ(ただれを除く)、きず・やけどのあとの皮ふのしこり・つっぱり(顔面を除く)、打身・ねんざ後のはれ・筋肉痛・関節痛。 |
| 用法・用量 | 1日1~数回、適量を患部にすりこむか、又はガーゼ等にのばして貼ってください。 |
| 薬・サプリメント・食品のタイプ | クリーム |
| 妊娠中・授乳中の使用 | 使用可能 |
| 使用が可能な年齢 | 記載なし |
| 1回の使用あたりのコスト(目安) | 28円 |
| スーッとする成分の有無 | - |
| 染みるタイプ | × |
| 色 | 白 |
| 薬の匂い | 〇 |

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こんな方に
乾燥によるかゆみでお困りの方に
乾燥によるかゆみを治療する
乾燥肌を修復する成分であるヘパリン類似物質とパンテノール、それに加えてかゆみ止め成分クロタミトンとジフェンヒドラミンを配合。乾燥肌による痒みにしっかり効果を発揮します。
| 分類 | 第2類医薬品 |
| 有効成分(含有量)/主成分(含有量) | <有効成分(1g中)> ヘパリン類似物質(3mg)、パンテノール(10mg)、ジフェンヒドラミン(10mg)、クロタミトン(50mg) |
| 効果・効能 | かゆみを伴う乾燥性皮ふ(老人・成人の乾皮症、小児の乾燥性皮ふ) |
| 用法・用量 | 1日1~数回、適量を患部に塗布してください。 |
| 薬・サプリメント・食品のタイプ | クリーム |
| 妊娠中・授乳中の使用 | 使用可能 |
| 使用が可能な年齢 | 記載なし |
| 1回の使用あたりのコスト(目安) | 21円 |
| スーッとする成分の有無 | - |
| 染みるタイプ | × |
| 色 | 白 |
| 薬の匂い | 〇 |

こんな方に
傷ついたお肌の保護に
全身どこでも使える保護薬
白色ワセリンが被膜となって傷ついた皮膚をしっかり保護します。肌から水分が蒸発することを防ぐフタのような役割で、うるおいを保ちます。そしてフタは乾燥や水分、その他の外部刺激からお肌を守ります。
| 分類 | 第3類医薬品 |
| 有効成分(含有量)/主成分(含有量) | <有効成分(1g中)> 白色ワセリン(1g) |
| 効果・効能 | 手足のヒビ、アカギレ、皮膚のあれ、その他皮膚の保護 |
| 用法・用量 | そのままを患部にうすく塗って下さい。 |
| 薬・サプリメント・食品のタイプ | 軟膏 |
| 妊娠中・授乳中の使用 | 使用可能 |
| 使用が可能な年齢 | 0歳から |
| 1回の使用あたりのコスト(目安) | 11円 |
| スーッとする成分の有無 | - |
| 染みるタイプ | × |
| 色 | 無色透明 |
| 薬の匂い | 〇 |
【比較一覧】この記事で紹介している市販薬
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市販薬を使用するときのポイントや注意点について
市販薬も「薬」、適切な使い方をしないと効果を十分に発揮できないだけでなく、副作用や症状の悪化でつらい思いをしてしまうことがあります。
そうならないようにするために、使用するポイントや注意点について事前に知っておきましょう。
使用するときのポイント・副作用はあるの?

使用するときのポイントとして注意してほしいのが、「塗る回数」、「塗る量」、「剤型」、「塗る部位」です。
「塗る回数」は薬の箱や添付文書に記載があるのでそちらを確認してください。例えば、ステロイド薬は1~2回塗ることが基本的な使い方です。これ以上塗ると、体内に吸収されて問題になることがあるので、必ず守りましょう。
「塗る量」の目安として「FTU(Finger Tip Unit)」というものがあります。1FTUは、軟膏・クリームでは成人の人差し指の先端から第一関節まで出した量、これが成人の「手のひら2枚分」の面積に塗布する量の目安になります。極端に少なく塗っている方もいらっしゃるので注意してください。
続いて「剤型」です。具体的には、クリームはさらっとして塗り広げやすい長所がある反面、刺激性があったり水で落ちやすいなどの短所があります。それに対して軟膏は、刺激が少なく水で落ちにくく効果が長続きする反面、ベタベタした使用感や塗り広げにくいなどの短所もあります。
これらの特徴をうまく取り入れて、手のひら全体にはクリーム、ポツポツと赤くなっている部位には軟膏を使用するなど、工夫して使用するとよいでしょう。
最後に「塗る部位」です。今回ご紹介した保湿薬のヘパリン類似物質は、出血を起こしやい人や、ただれてジュクジュクしている部位には塗ることを避けてください。
またステロイドに関して、その薬効の強さに適した塗る部位があることを知っておいてください。手に塗るのに適したステロイドを、顔や陰部などに塗ってはいけません。また水虫や膿んでしまっている部位、蕁麻疹にも適していません。使用部位や目的に合った薬を選ぶことが大切です。
もしわからないこと、心配なことがあれば薬剤師へ相談しましょう。
こんなときは病院へ

市販薬で治療するより、病院を受診した方がよい場合があります。以下の項目にひとつでも該当する方は、病院を受診してください。
<かゆみが起きたとき>
・発熱や倦怠感・関節痛を伴っている(感染症、薬物アレルギー、肝障害などの可能性)
・何かの薬剤を使ったあとに起こった(薬疹の可能性)
・眼や口など粘膜にも症状がある(スティーブンス・ジョンソン症候群の可能性)
・真っ赤に腫れあがっている(蜂窩織炎、深部静脈血栓症の可能性)
・広い範囲に水疱ができていたり痛みがある(ヘルペスや帯状疱疹の可能性)
・広い範囲や痒みがあったり発疹や皮膚炎がひどい(症状が改善しにくい可能性)
・ジュクジュクしてただれていたり膿んでいる(感染症の可能性)
・1か月以上にわたって改善と悪化を繰り返している(アトピー性皮膚炎の可能性) ・皮膚がボロボロとはがれる(乾癬の可能性)
<市販薬を使ってから>
・5~6日市販薬を使ってもよくならない
・薬を使用してから症状が悪化した
・副作用かもしれない症状が起こった
『手のひらがかゆいとき』に関するQ&A

手のひらがかゆいときに気になることをQ&A形式でまとめました。
こちらに記載したものは一般的な回答になるため、もし心配なことがあれば一人で悩まず薬剤師へ相談したり、近くの皮膚科の先生に相談しましょう。

また、アレルギーによっても手湿疹は起こります。原因として染毛剤やシャンプーなどが多いですが、中にはスマホやアクセサリー類に含まれるニッケルが原因の場合もあります。症状が改善しない場合は、皮膚科で検査を受けることをおすすめします。


肝臓ではビリルビンという物質を処理していますが、肝硬変などで肝臓の機能が低下するとそれが処理しきれなくなり、体にたまってしまいます。その結果、手や全身にかゆみが生じることがあるのです。


その他にも、乾燥や物理的な刺激、食べ物など様々な要因が知られているので、なかなか症状が治らない場合は、病院で確認することが大切です。

まとめ

いかがだったでしょうか。 市販薬で手のひらのかゆみを抑える方法をご紹介しました。
「こんなときは病院へ」を十分確認した上で、市販薬を購入する際も薬剤師へ相談することをおすすめします。最後まで読んでいただきありがとうございました。手のひらのかゆみで悩む人が、一人でも減ることを願っています。
参考文献
・アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2021(公益社団法人日本皮膚科学会、一般社団法人日本アレルギー学会)
・重篤副作用疾患別対応マニュアル 薬剤による接触皮膚炎(厚生労働省)
・OTC医薬品の比較と使い分け(児島悠史 著、羊土社)
・現場で役立つOTC医薬品の特徴と選び方(吉岡ゆうこ 著、ナツメ社)
・薬局OTC販売マニュアル 臨床知識から商品選びまで分かる(鈴木伸悟 著、日経BP)
※掲載内容は執筆時点での情報です。
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西川 隆一 薬剤師
執筆・監修者プロフィールはこちら薬剤師として総合病院に約10年間勤務し、がん専門薬剤師、緩和薬物療法認定薬剤師を取得。2020年よりがん患者さん向けに情報発信を開始。現在、保険薬局で勤務しながら株式会社Ribbons Baseを運営。書籍 超リテラシー大全...























