目次
腎臓病の食事で最も注意すべきはタンパク質

腎臓病の人が食事で気を付けるべき最大の点は「タンパク質」です。
タンパク質は代謝の過程で尿素やクレアチニンと言った物質に変化します。これらの物質は腎臓から尿としてしか排泄できません。タンパク質の摂取量が多いと尿素やクレアチンも増え、その分腎臓に負担がかかってしまいます。
タンパク質は筋肉や血液、ホルモンなど身体の部品となる重要な栄養素です。タンパク質やタンパク質を構成するアミノ酸は体内で作り出せないため、必ず食事から摂取する必要があります。しかし、腎臓病を治療するためには食事からタンパク質を摂取する量を減らす必要があります。
腎臓病の食事で適切なタンパク質摂取量は?

タンパク質の代謝物は腎臓に負担を掛けます。
しかし全く摂取しないというわけにもいきません。人体はタンパク質の摂取量が極端に不足してしまうと、筋肉を分解してタンパク質として利用してしまいます。その代謝の過程で老廃物が発生し、腎臓に負担をかけてしまいます。
タンパク質の摂取量は腎臓病の種類や進行度合いによって異なりますが、およそ体重1kgあたり0.6gから1gの間に収まります。GFR(糸球体ろ過量)が45から59の間にあるステージ3bの慢性腎臓病の人は1日のタンパク質の摂取量を体重1kgあたり0.6-0.8gに制限します。
| GFR(糸球体ろ過量) によるステージ | 重症度 |
| ステージ1 (GFR>90) | 正常または高値 |
| ステージ2 (GFR 60~89) | 正常または軽度低下 |
| ステージ3a (GFR 45~59) | 軽度~中等度低下 |
| ステージ3b (GFR 30~44) | 中等度~高度低下 |
| ステージ4 (GFR 15~29) | 高度低下 |
| ステージ5 (GFR<15) 5D | 末期腎不全(ESKD) |
タンパク質だけではなく、エネルギー摂取量も気にする必要があります。エネルギー摂取量が不足すると、足りない分を補うために筋肉などからタンパク質が分解されます。
この場合でも代謝物として尿素やクレアチニンが作られ、腎臓の負担になります。適切なエネルギー量はBMIが22のときの標準体重をもとに計算されます。
ただし、年齢や体重によっては上下します。
カリウム、ナトリウムの過剰摂取に注意!

ナトリウム、カリウムは共に人体に必要なミネラルの一種です。ナトリウムは主に食塩(塩化ナトリウム)の形で摂取されています。
成人の体内では、ほとんどが細胞の外の体液(細胞外液)に含まれています。細胞外液の浸透圧を調節して、細胞外液量を保つなどの役割を持っています。過剰摂取により体内で多くなると浮腫(むくみ)や高血圧の原因となり、全身の様々な部位で不調が現れます。また、高血圧は腎臓病の症状を進めてしまうため、負の相関関係があります。
カリウムは細胞内液の浸透圧を調節して一定に保つ働きがあります。また、神経の興奮性や筋肉の収縮に関わっており、体液のpHバランスを保つ役割も果たしています。
通常は大量に摂取した場合でも体内の調節機構が働くので、過剰になることはまれであると言われています。腎機能が低下した場合などに起こる高カリウム血症は最悪の場合、不整脈から心停止を引き起こすことがあるため、とても怖い病気です。
ナトリウムの制限

腎臓は、ナトリウムを排泄する重要な器官です。しかし、腎臓病を発症するとナトリウムを排泄する機能も低下するため、塩分を過剰に摂取すると体内にナトリウムが残ってしまいます。ナトリウムが体内で多くなると浮腫(むくみ)や高血圧の原因となり、全身の様々な部位で不調が現れます。
また、高血圧は腎臓病の症状を進めてしまうため、負の相関関係があります。
腎臓病でも高血圧でも治療のためにはナトリウムを制限する必要があります。現在、厚生労働省では1日当たりの塩分の摂取量を男性8g、女性7gとしています。しかし、腎臓病と高血圧を予防・治療するためには1日6g未満を目標とし、できれば3-6g程度にすることが重要です。
塩分を制限すると最初のうちは味が薄く感じ物足りないと思いますが、出汁や柑橘類、香辛料などを使って味にバリエーションを持たせましょう。
カリウムの制限

カリウムも腎臓によって排泄されます。腎機能が低下してカリウムが排泄されなくなると血液中のカリウム濃度が高まり、高カリウム血症の危険性が高まります。高カリウム血症は最悪の場合、不整脈から心停止を引き起こすことがあるため、とても怖い病気です。
慢性腎臓病の場合はステージによってカリウムを制限するかどうかが、制限する場合はどの程度かが決まります。ステージ3bから1日2000mg以下のカリウムの制限がはじまりステージ4を超えると1日の摂取量は1500mg以下となります。
食事をサポートする商品 5選
レナジーbit
最安値 2,659円 (税込)

この商品の最安値はこちら! Amazonで見る 2,659円(税込) 送料要確認
楽天カード利用でポイント5倍 楽天で見る 2,979円(税込) 送料要確認
こんな方に
健康が気になる方に
たんぱく質を調整した栄養補助飲料
摂取を控えたいたんぱく質、ナトリウム、カリウム、リンの量を抑えながら、食事療法では不足しがちなエネルギーおよび食物繊維、各栄養素を補給できます。1パック125mlの飲みきりサイズで、朝食にも取り入れやすい乳酸飲料風味の飲み物です。
| 分類 | 栄養機能食品(亜鉛・ビタミンE) |
| 成分 | デキストリン/難消化性デキストリン/植物油/ラクチュロース(ミルクオリゴ糖)/ラフィノース/精製魚油/カルニチン/乾燥酵母/カゼインナトリウム/香料/セルロース/pH調整剤/乳化剤/グルコン酸亜鉛/ビタミンE/甘味料(アセスルファムK、スクラロース)/ジェランガ |
| 摂取目安 | 1日2パック |
| 有効成分・含有量 | 9点|10点中 |
| 飲みやすさ | 9点|10点中 |
ゆめレトルト たんぱくこだわりカレー 1袋(150g)
最安値 349円 (税込)

こんな方に
健康が気になる方に
タンパク質を控えたレトルトカレー
じっくり炒めた玉ねぎをベースに、果物や香味野菜、スパイスをほどよく組み合わせた、味わい深く香り高いカレーです。たんぱく質を控えながら、塩分、リンを調整したレトルト食品です。温めるだけで調理も簡単です。
| 分類 | タンパク質調整食品(食品) |
| 成分 | 野菜(にんじん(中国)、ばれいしょ)/オニオンソテー/デキストリン/りんごピューレ/ラード/トマトペースト/ショートニング/カレー粉/にんじんパルプ/ビーフ香味調味料/にんにくペースト/チキンブイヨン/砂糖/しょうがペースト/食塩 / 増粘剤(加工でん粉)/カラメル色素/調味料(アミノ酸等) |
| 摂取目安 | 1回1パック |
| 有効成分・含有量 | 8点|10点中 |
| 飲みやすさ | 10点|10点中 |
減塩習慣 400g(パウチ)
最安値 383円 (税込)

この商品の最安値はこちら! Yahoo!ショッピングで見る 383円(税込) +送料別
楽天カード利用でポイント5倍 楽天で見る 498円(税込) 送料要確認
こんな方に
ナトリウムの摂取を控えたい方に
食塩に比べ塩化ナトリウム分を50%カット
塩分が気になる方に、美味しさそのまま塩分を50%カットしています。瀬戸内の海水から作った、粒の揃った塩を使用して、毎日の食卓、料理に使用できます。
| 分類 | 食用塩(食品) |
| 成分 | 海水(瀬戸内)/塩化カリウム、リン酸三カルシウム、クエン酸 |
| 摂取目安 | 適宜 |
| 有効成分・含有量 | 9点|10点中 |
| 飲みやすさ | 10点|10点中 |
やさしくラクケア サトウの低たんぱくごはん1/25
最安値 374円 (税込)

この商品の最安値はこちら! Yahoo!ショッピングで見る 374円(税込) +送料別
楽天カード利用でポイント5倍 楽天で見る 453円(税込) 送料要確認
こんな方に
健康が気になる方に
たんぱく質を1/25に低減した国産米の米飯
たんぱく質の摂取制限を必要とする方におすすめの食品です。国産コシヒカリ米を特殊酵素処理により、たんぱく質を25分の1に低減した無菌包装米飯です。 電子レンジ又は湯せんで温めるだけで食べられ、1食180gあたり、たんぱく質は0.18gです。
| 分類 | タンパク質調整食品(食品) |
| 成分 | うるち米(国産米)/酸味料 |
| 摂取目安 | 1食1パック |
| 有効成分・含有量 | 10点|10点中 |
| 飲みやすさ | 10点|10点中 |
名糖 たんぱく調整チョコレート136g
最安値 490円 (税込)

この商品の最安値はこちら! Yahoo!ショッピングで見る 490円(税込) +送料別
楽天カード利用でポイント5倍 楽天で見る 563円(税込) 送料要確認
こんな方に
健康が気になる方に
たんぱく質等を調整したチョコレート
チョコレート本来のおいしさにこだわり、たんぱく質・食塩相当量・カリウム・リンを調整し、少量で無理なくエネルギーを補給することができます。
| 分類 | タンパク質調整食品(食品) |
| 成分 | ココアバター(マレーシア製造)、砂糖、乳糖、植物油脂、カカオマス、全粉乳、デキストリン/乳化剤(大豆由来)、香料 |
| 摂取目安 | 適宜 |
| 有効成分・含有量 | 10点|10点中 |
| 飲みやすさ | 10点|10点中 |
運動習慣を身につけよう

以前は腎臓病になると、運動せず安静にしていることが善しとされていました。運動することで腎臓病が悪化すると考えられていたためです。
しかし現在では安静にしている必要がなく、むしろ運動を適切に取り入れることで「生活の質の向上」、「生命予後の延長」、「腎臓機能の改善による人工透析の開始時期を先延ばしにする」などの効果が確認されています。食事療法に加えて取り組むべき運動についてポイントをご紹介します。
原則運動禁止の人

人工透析を行っている方でも、運動を行うことで、透析効率が良くなる、心臓の働き、運動能力、疲れやすさ、睡眠、不安・うつ、生活の質の改善などの効果が認められています。
一方で、次の方は運動が原則禁止とされています。
・心不全や狭心症などの心臓病で症状が安定しない
・収縮期血圧 180mmHg以上
・空腹時血糖値 250mg/dL以上
・極端な肥満
他にも、足腰に痛みがある方、足がむくんでいる方などは運動するにあたって注意が必要ですので、医師の指示のもと行いましょう。
腎臓疾患に適した運動は?

運動療法としては、有酸素運動と筋力トレーニングが良いでしょう。運動の習慣がなかった方は、1日1万歩を目安にして、徐々に増やしていきましょう。
有酸素運動は、速足でのウォーキング、ジョギング、サイクリング、水泳、エアロバイクなど、普段よりも酸素を体内に多く取り込みながら行う運度です。目安は1日20分から60分、「楽である」から「ややきつい」と感じられる強度、週に3日から5日です。
さらに筋力トレーニングでは、ダンベル体操、スクワット、腕立て伏せ、腹筋など、筋力トレーニングと呼ばれる運動を週2日から3日行うとよいでしょう。
腎臓病の食事療養に関するQ&A

腎臓病の食事療法を始めると基本は分かっていても、色々な苦労や疑問が湧いてきます。食事療法を始めた方々が抱く疑問を解消しておきましょう。

例えば、マグロの赤身よりもトロの部位、鶏のささみよりも牛ロースといった具合です。ふだんの食事では不健康とされる食材でも、制限や摂取すべきものが変われば、推奨される食材になることもあります。


また、たんぱく質やカリウムが多く含まれていないかどうかを確認しながら、甘いデザートを食べてカロリー摂取するのもおすすめです。


腎臓の働きが低下すると、水分を尿として十分に排泄できなくなり、体内に溜まってしまったり、逆に尿の量が増えてしまう場合があります。
水分の過剰摂取も良くないので、腎臓の状態や尿量に合わせて調節しないといけませんが、水分を取らなすぎると脱水状態になって腎臓に負担をかけてしまうこともあります。
摂取すべき水分量については、医師の指示に従い、食事内容と同じように、水分も適切な量を摂取するようにしてください。




インターネットで検索すると和食、洋食、中華と様々な弁当を見つけることができ、見た目や種類も豊富です。負担の大きい、食事療法用のメニューまたは調理の負担を軽減してくれる心強いアイテムとして利用されています。

まとめ

腎臓病の治療や進行を遅らせるためには「食事療法」が重要です。
特にタンパク質はクレアチニンや尿素など腎臓でしか排泄できない代謝物を体内で作るため、制限が必要になります。タンパク質の制限量は腎臓病の種類や進行度合いにもよって異なるため、医師の指導をしっかりと受けることが必要です。
その他、ナトリウムやカリウムの過剰摂取も腎臓の負担になってしまうため、摂取制限が必要です。特にナトリウムは高血圧の原因となり、高血圧は腎臓病の悪化の原因となるため、日ごろから意識して摂取量を減らすようにしましょう。
※掲載内容は執筆時点での情報です。
-

大見 貴秀 医師
執筆者プロフィールはこちらフリーランスの医師として就業する傍ら、「医師による医療行為以外のサービス」を提供する株式会社DoctorsWorksを設立。ライターとしてヘルスケアや医療に関する情報を幅広く提供している。得意分野はサプリメントや生活...

















