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【薬剤師が解説】乳児の湿疹に効く市販薬は?おすすめ4選を紹介

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2023/7/7
203,125
皮膚の表面に炎症を起こす病気の総称を湿疹と呼びます。湿疹の約6割は、生後1年以内に発症すると言われています【1】。

特に生後3か月ごろに発症することの多い湿疹が乳児脂漏性湿疹です【2】。乳児脂漏性湿疹は痒みを伴うことが少なく、その多くは自然に治癒します。とはいえ、小さな子どもでは、どのような対応をすればよいのか、戸惑ってしまうこともあるでしょう。

この記事では乳児の湿疹で気を付けるべきポイントや、市販薬の使い分けについて解説します。

くすりの窓口医師・薬剤師が
選んだ市販薬を紹介

  • 経験① 現場でよく聞かれる質問
    経験① 現場でよく聞かれる質問
    現場で聞かれる薬の効果や副作用、飲み合わせの注意点等をご説明します。
  • 経験② 現場で教える医薬品
    経験② 現場で教える医薬品
    悩みに合った薬や普段から自分が案内する薬など、現場で案内するものを教えます。
  • 視点① ユーザー目線で解説
    視点① ユーザー目線で解説
    実際にどう使うのかや、ユーザー目線で
    必要な情報をお伝えします。
  • 医師・薬剤師が悩みにお答えします!

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【乳児の湿疹に】薬の選び方・ポイント


薬剤師

青島 周一さんのコメント

乳児の湿疹の多くは、適切なスキンケアで自然に治ります。

乳児の湿疹に対する薬の効果を検討した研究でも、薬の使用にかかわらず、湿疹は自然に改善することが報告されています【3】。そのため、湿疹が出ているだけであれば、適切なスキンケアで十分です【4】。

ただし、皮膚の乾燥が目立つ場合や、痒みがある場合などでは、市販の薬を使ってもよいでしょう。

ポイント①:顔に湿疹が出たときは白色ワセリンに注目



生まれたばかりの赤ちゃんは、表皮の発達が不十分で、薬の成分が皮膚から吸収されやすい傾向にあります【5】。また、顔の皮膚は、他の場所の皮膚と比べても薬の成分が吸収されやすく【6】、複数の薬剤成分を配合した塗り薬はおすすめしません。

薬を使わなくても自然に治癒することの多い乳児の湿疹には、皮膚の乾燥が目立つ場合にのみ白色ワセリンのような保湿剤を使うのが良いと考えられます。湿疹に対する保湿剤は、炎症や痒みを和らげる効果が期待できます【7】。

なお、アトピー性皮膚炎の子どもを対象とした研究【8】では、白色ワセリンの治療効果が、高価なセラミドを配合したクリームや、炎症を抑える成分を配合した軟膏薬とほぼ同等であったと報告されています。湿疹に伴う皮膚の炎症においても、白色ワセリンはコストパフォーマンスに優れた治療効果が期待できます。

ポイント②:お腹などの全身に湿疹がでたときはジフェンヒドラミンに注目



全身に湿疹が出ているときは、アレルギーによる影響なども考えられるため、医療機関の受診をおすすめします。

ただし、湿疹が体の一部に限定されている場合で、痒みや皮膚の赤みが目立つ場合には、ジフェンヒドラミンという成分が配合された塗り薬で様子を見ても良いでしょう。

ジフェンヒドラミンは、アレルギーの原因となるヒスタミンの働きを抑える抗ヒスタミン薬です。アレルギー反応を抑えることで皮膚の痒みや炎症を緩和します。抗ヒスタミン薬は花粉症の治療薬として有名ですが、病院では小さな子どもにも処方されることが多い薬です。

【厳選】おすすめの市販薬 4選


薬剤師

青島 周一さんのコメント

乳児の湿疹は薬を使わなくても自然に治癒することがほとんどです。

顔にできた湿疹で皮膚の乾燥が目立つ場合、体にできた湿疹で痒みや皮膚の赤みが目立つ場合に、市販の塗り薬を使ってみるのは良いと思います。 乳児にも使用できる市販薬をご紹介します。

顔に湿疹が出たときにおすすめ 1選

白色ワセリンは黄色ワセリンを精製して不純物を取り除いたものです。肌がデリケートな乳児には、不純物がより少ない製品がおすすめです。

薬剤師おすすめ
第一三共ヘルスケア

プロペト ピュアベール

最安値 660

スキンケア全般に使える万能保湿剤

白色ワセリンをさらに精製することで不純物を少なくした純度の高いワセリンです。防腐剤などの添加物も配合されておらず、乳児にも使えます。

分類 第3類医薬品
有効成分(含有量)/主成分(含有量) 白色ワセリン
効果・効能 手足のヒビ、アカギレ、皮膚のあれ、その他皮膚の保護
薬のタイプ 軟膏
使用が可能な年齢 制限なし
1回の使用あたりのコスト(目安) 2円程度
塗ったあとのべたつき あり
使用してからの効果時間 記載なし
スーッとする成分の有無 なし

お腹などの全身に湿疹がでたときにおすすめ 3選

ジフェンヒドラミンを配合した塗り薬は数多く市販されていますが、ここではステロイドが配合されておらず、乳児にも使える塗り薬をご紹介します。

薬剤師おすすめ
興和

新レスタミンコーワ軟膏 30g

最安値 458

痒み止め塗り薬の定番

有効成分がジフェンヒドラミンのみと、シンプルな痒み止めの塗り薬です。湿疹によって生じた痒みや炎症に効果が期待できます。一般的な虫刺されなどにも効果が期待できます。乳剤性の軟膏で塗りやすいことも特徴です。

分類 第3類医薬品
有効成分(含有量)/主成分(含有量) <1g中>
ジフェンヒドラミン塩酸塩20mg
効果・効能 湿疹、皮膚炎、かゆみ、かぶれ、あせも、ただれ、しもやけ、虫さされ、じんましん
薬のタイプ 軟膏
使用が可能な年齢 制限なし
1回の使用あたりのコスト(目安) 2円程度
塗ったあとのべたつき あり
使用してからの効果時間 記載なし
スーッとする成分の有無 なし

薬剤師おすすめ
佐藤製薬

ポリベビー(ラミネート) 30g

最安値 377

痒みや炎症を抑えて皮膚を保護する

痒みや炎症を抑えるジフェンヒドラミンの他、皮膚症状の治りを助けるビタミンAやD、細菌の感染を防ぐ効果が期待できる殺菌剤のトリクロロカルバニリドを配合しています。

分類 第3類医薬品
有効成分(含有量)/主成分(含有量) <10g中>
ビタミンA油10mg(ビタミンAとして10,000I.U.)
エルゴカルシフェロール(ビタミンD2)0.01mg
トリクロロカルバニリド(T.C.C)30mg
ジフェンヒドラミン50mg
酸化亜鉛1,000mg
効果・効能 おむつかぶれ、あせも、湿疹、皮膚炎、ただれ、かぶれ、かゆみ、しもやけ、虫さされ、じんま疹。
薬のタイプ 軟膏
使用が可能な年齢 制限なし
1回の使用あたりのコスト(目安) 3円程度
塗ったあとのべたつき あり
使用してからの効果時間 記載なし
スーッとする成分の有無 なし

薬剤師おすすめ
池田模範堂

ムヒベビー 15g

最安値 538

2種類の抗炎症成分を配合

痒みや炎症を抑える成分として、ジフェンヒドラミンとグリチルレチン酸の2種類を配合しています。またトコフェロール配合で皮膚の血流を改善し、症状の回復を早める効果も期待できます。

分類 第3類医薬品
有効成分(含有量)/主成分(含有量) <100g中>
ジフェンヒドラミン 1g
グリチルレチン酸 0.5g
イソプロピルメチルフェノール1.5g
トコフェロール酢酸エステル0.5g
効果・効能 かゆみ、虫さされ、あせも、かぶれ、湿疹、じんましん、皮膚炎、しもやけ、ただれ
薬のタイプ 軟膏
使用が可能な年齢 生後1か月以上を目安
1回の使用あたりのコスト(目安) 4円程度
塗ったあとのべたつき あり
使用してからの効果時間 記載なし
スーッとする成分の有無 なし

【比較一覧表】この記事で紹介している商品

商品画像
第一三共ヘルスケア

興和

佐藤製薬

池田模範堂
商品名 プロペト ピュアベール 新レスタミンコーワ軟膏 30g ポリベビー(ラミネート) 30g ムヒベビー 15g
特徴 スキンケア全般に使える万能保湿剤 痒み止め塗り薬の定番 痒みや炎症を抑えて皮膚を保護する 2種類の抗炎症成分を配合
最安値

660

送料:別 Yahoo! 詳細を見る

458

送料:別 Yahoo! 詳細を見る

377

送料:別 Yahoo! 詳細を見る

538

送料:別 Yahoo! 詳細を見る
商品リンク


使用するタイミング・ポイント


薬剤師

青島 周一さんのコメント

一般的に保湿剤を皮膚に塗布した場合、その効果は4時間ほど持続し、8時間ほどで表面の保湿剤濃度が半減するといわれています【9】【10】 。

乳児では薬剤成分が吸収されやすいこと、乳児の湿疹に必ずしも薬が必要ではないことを考えると、症状に応じて1日2〜3回を目安に塗布すると良いように思います。

乾燥が目立つ場合では、お風呂上りに塗布すると良いでしょう。

使用するときの注意点


薬剤師

青島 周一さんのコメント

乳児の湿疹の多くは自然に治癒します。必ずしも薬が必要なわけではありません。

また、健康な乳幼児の場合、塗り薬を湿疹の予防薬として使っても効果はありません【11】【12】。症状が出た時のみに、必要に応じで塗布するようにしてください。

副作用について



ワセリンやジフェンヒドラミンの塗り薬は、副作用が起きることは極めて稀です。

ただし、薬を塗布した後に皮膚の炎症がひどくなったり、湿疹が広がる場合は、薬によるアレルギーの可能性もあります。そのような場合は直ちに使用を中止して、医療機関の受診をおすすめします。

使用に注意が必要な人・NGな人は?



湿疹が全身の広範囲に表れている場合、痒みや炎症がひどい場合、またアトピー性皮膚炎やその疑いのある方では、ステロイドによる治療など適切な処置が必要です。

市販の薬で対応するのではなく、医療機関を受診してください。 

こんなときは病院へ



乳児の湿疹は、その後の喘息や鼻炎の発症と関連していることが知られています【13】【14】。

早期に適切な治療を受けるためにも、湿疹が長引いている場合、市販薬を使っても症状が改善しない場合、湿疹が体の広範囲に出ている場合、ご両親が喘息の治療を受けていた場合、アトピー性皮膚炎の診断を受けている場合には、湿疹の程度によらず、医療機関の受診をおすすめします。

また、湿疹ともに熱が出ている場合は感染症の可能性もあります。速やかに医療機関を受診しましょう。

『乳児 湿疹』に関するQ&A




乳児の湿疹について、よくある質問をご紹介します。

湿疹に効果のある石鹼はありますか?
湿疹の改善や予防に効果が認められた石鹸はありません【3】【12】。

石鹸の種類はあまり重要ではなく、皮膚を清潔に保つことが重要だと考えられます【15】【16】。 どのような石鹸でも構わないので、よく泡立ててから、手でこすらずにやさしく洗ってください。

湿疹にはワセリンがよいのですか?
湿疹の原因や症状にもよりますが、乳児の湿疹は適切なスキンケアで十分です。皮膚の乾燥が目立つ場合であっても、白色ワセリンのみで効果を期待することができます。

子どもが指などをなめて、薬が口に入ってしまいます。どうすればよいですか?
ワセリンやジフェンヒドラミンが、手や指を介して口の中に入っても、副作用の心配はほとんどありません。 薬が口に入ってしまうことが心配でしたら、乳児が寝ている間に塗布するなどで対応すると良いでしょう。


全身に湿疹が出た場合、顔用の薬を使えばいいですか?それとも体用の薬をつかえばいいですか? 
全身に湿疹が出た場合、市販薬で対応するのではなく、医療機関の受診をおすすめします。 乳児の湿疹は顔や頭に出ることが多く、体に出る場合でも、全身ではなく、その一部であることがほとんどです。

また、一般的な塗り薬は「顔用」、「体用」という明確な使い分けが決められているものでもありません。

乳児の湿疹は何歳までに治るものでしょうか?
乳児に多い乳児脂漏性湿疹の場合、薬を使わなくても、生後6〜12か月の間に自然に治ります【17】。

ただし、アトピー性皮膚炎と見分けのつかないことも多く、湿疹が長引く場合や、症状がひどい場合では医療機関の受診をおすすめします。

まとめ




乳児の湿疹の多くは、薬を使わなくても自然に治癒します。皮膚の乾燥が目立つ場合や、痒みや炎症が目立つ場合にのみ市販の塗り薬を使うと良いでしょう。その場合でも白色ワセリンなどの保湿剤で十分な効果を期待することができます。

ただし、乳児の湿疹はアトピー性皮膚炎と見分けがつかないことが多く、症状が長引いていたり、体の広範囲に湿疹が出ている場合では医療機関を受診しましょう。

※掲載内容は執筆時点での情報です。

  • 青島 周一 薬剤師

    執筆・監修者

    2004年城西大学薬学部卒。 保険薬局勤務を経て2012年より病院勤務。 NPO法人アヘッドマップ(http://aheadmap.or.jp/)共同代表。

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