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【薬剤師が解説】葛根湯は肩こりに効果的?漢方のメリット・デメリット、副作用も

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2024/9/25
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首から肩にかけてガチガチに凝り固まった「肩こり」に悩む人がたくさんいらっしゃいます。デスクワークなどでずっと同じ姿勢でいたり、運動不足や慢性的なストレスなどは肩こりの原因となりますので、現代人は肩こりになりやすいと言えるでしょう。そんなツライ肩こりには「葛根湯」が効くと聞いたことはありませんか?

本記事では、肩こりに葛根湯は効くのかどうか、また漢方薬について全般的な説明をしていきます。肩こりの症状別に効果的な漢方薬もご紹介していますので、ぜひご一読ください。

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肩こりについて


薬剤師

田代 のぞみさんのコメント

肩こりは、首すじから肩や背中にかけて張った・凝ったような感覚があるものです。
主に首の後ろから肩・背中にかけてある僧帽筋(そうぼうきん)という筋肉の緊張状態が続くことで、血行が悪くなり、筋肉が固まってしまうことで、凝ったような状態になります。

肩こりがひどくなると、肩のあたりに痛みが出てきたり、さらに頭痛や吐き気を伴うこともあります。

肩こりの種類・原因

肩こりの原因は先にも説明したように、首~肩~背中にかかる筋肉の緊張状態が続き、血行が悪くなってしまうことです。筋肉の緊張状態が続くと、筋肉の疲労物質がたまって筋肉を硬くします。筋肉が硬くなると、血管を圧迫して血液循環を悪くさせたり、末梢神経を傷つけたりします。これが肩こりの凝りや痛みの原因です。

血行不良になると、筋肉へ栄養成分が届きにくくなるため、余計に筋肉疲労を起こしやすくなり、肩こりが悪化するといった悪循環に陥ります。これが慢性的な肩こりにつながるのです。

また、高血圧や貧血、眼精疲労、心筋梗塞などの別の病気が原因で肩こりになっている場合もありますし、精神的な不安やストレスが続くと肩こりを誘発するとも言われています。

肩こりに葛根湯は効果的?

肩こりに効くと謳う市販薬はいくつかあり、葛根湯もそのひとつです。

葛根湯は7種類の生薬からなる漢方薬で、主に風邪のひき始めに服用するものですが、肩こりにも効果が期待できます。これは、葛根湯が身体を温める作用があるためです。葛根湯が風邪のひき始めに効果的なのは、身体を温めて風邪の原因となるウイルスなどの増殖を抑え、悪寒や痛みなどを緩和させるためです。

身体の冷えなどによる血行不良などで肩こりがひどい場合は、特に葛根湯がよく効きます。葛根湯が身体を温め、血行を改善させて首や肩のこりをほぐすのです。


漢方薬のメリット・デメリット


漢方薬のメリット・デメリット

葛根湯などの漢方薬に対して、「なんだか体によさそう」「副作用もほとんどない」といった良いイメージだけを持つ人もいらっしゃいますが、漢方薬にはデメリットもあります

そもそも漢方薬は服用することで体質そのものを改善して、さまざまな症状に効果を発揮する薬です。
治したい症状の具合や、患者の体質(体力の有無、水分代謝の様子など)などの東洋医学独特の観点から、その人に合った漢方薬を選びます。治療の対象は「その症状をもつ患者=人」という考え方です。漢方薬は、体質などに影響される慢性的な疾患や、原因がはっきりしない不調(いわゆる「未病」という状態)に対して効果が期待できます。

しかし、個人の体質に合ったものを服用しなければ、期待する効果を感じることはできません。さらに効果を実感するまでには時間がかかりますし、もちろん副作用があらわれるおそれもあります。


その他の治療方法のメリット・デメリット


対して、西洋医学では起きている症状や検査結果などを分析して、原因である病気をみつけ、それに合わせた薬(西洋薬)を使用します。「病気そのもの」が治療の対象であるという考え方です。

一般的には、漢方薬の方が副作用が少なくて服用しやすい薬とされていますが、効果が出るのは西洋薬の方がはるかに早いのも事実です。また、注意する飲み合わせは西洋薬の方が多く、漢方薬の方が幅広い薬との組み合わせができると言えます。漢方薬と西洋薬、どちらが良いというわけではありません。医師の診察により、漢方薬と西洋薬を併用して服用することもよくあり、上手く組み合わせて使うことが大切です。


【症状別】肩こりに有効な漢方の種類


肩こりに効果的な漢方薬は葛根湯だけではありません。肩こりの原因別(冷えからくるこわばりが原因/運動不足からくる血行不良が原因/高血圧や肥満が原因)におすすめの漢方薬をそれぞれご紹介します。

『冷えが原因のこわばりが原因』の症状には葛根湯

「冷えからくるこわばりが原因」の肩こりには葛根湯がおすすめです。

先にも説明したように、葛根湯が身体を温めて血行を改善させ、首や肩のこりをほぐします。風邪のひき始めに肩や頭の重苦しい感じがあったり、しびれるような感じがする時は葛根湯が最適です。

『運動不足が原因の血行不良が原因』の症状には桂枝茯苓丸・当帰芍薬散

「運動不足がからくる血行不良が原因」の肩こりには桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)がおすすめです。

桂枝茯苓丸、当帰芍薬散はともに血液循環を改善させる漢方薬で、昔から女性特有の不調(更年期障害、冷え性、むくみなど)に用いられてきました。血液循環を改善させて、肩こりにも効果が認められています。

『高血圧や肥満が原因』の症状には防風通聖散

「高血圧や肥満が原因」の肩こりには防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)がおすすめです。

防風通聖散は、近年ダイエット効果があるとして有名になった漢方薬で、脂肪細胞を活性化させて、気になるお腹の脂肪を燃焼・分解することで「つい食べ過ぎてしまって肥満気味のお腹の脂肪を落とす」効果があります。

高血圧や肥満が原因である肩こりは、そもそもの高血圧や肥満を改善させなければいけません。また、肥満気味の方は高血圧にもなりやすいので、まずは肥満改善を目指す必要があります。この防風通聖散は、服用を続けることで気になるお腹周りの脂肪の解消が期待できます。

【参考】肩こりに有効な漢方 4選

薬剤師 田代 のぞみさん厳選

漢方薬について、肩こりの原因別におすすめの商品をご紹介します。それぞれの商品を特徴と併せてご紹介していますので、商品を選ぶ際の参考にしてくださいね。

薬剤師おすすめ
クラシエ

「クラシエ」漢方葛根湯エキスEX錠 96錠

最安値 1,433

寒気を感じるような風邪のひき始めに

発熱して体がゾクゾクするような寒気を感じる風邪のひき始めに効果的な漢方薬です。

漢方薬に慣れていない方でも服用しやすいように、味やにおいをマスキングするフィルムコーティング錠であるのもポイントです。

分類 第2類医薬品
形状 錠剤
1回服用量 後段と重複するため記載してません
用法・用量 次の量を1日3回食前又は食間に水又は白湯にて服用。
成人(15才以上):1回4錠
15才未満7才以上:1回3錠
7才未満5才以上:1回2錠
5才未満は服用しないこと
1日の服用回数 1日3回
服用対象年齢 5歳以上
効能効果 体力中等度以上のものの次の諸症:感冒の初期(汗をかいていないもの)、鼻かぜ、鼻炎、頭痛、肩こり、筋肉痛、手や肩の痛み
内容量 96錠

薬剤師おすすめ
ツムラ

ツムラ漢方 桂枝茯苓丸料 エキス顆粒A 20包

最安値 1,512

のぼせるのに足は冷えるような女性の不調に

のぼせやすい方、顔はほてるけれど足は冷える方に適した漢方薬です。桂枝茯苓丸はエネルギーである「気」を降ろし、滞った「血」のめぐりを改善させて、生理痛や肩こり、しみなどの症状に用いられます。

分類 第2類医薬品
形状 顆粒剤
1回服用量 後段と重複するため記載してません
用法・用量 次の量を、食前に水またはお湯で服用してください。
成人(15歳以上):1回1包
7歳以上15歳未満:1回2/3包
4歳以上 7歳未満:1回1/2包
2歳以上 4歳未満:1回1/3包
1日の服用回数 1日2回
服用対象年齢 2歳以上
効能効果 比較的体力があり、ときに下腹部痛、肩こり、頭重、めまい、のぼせて足冷えなどを訴えるものの次の諸症:月経不順、月経異常、月経痛、更年期障害、血の道症、肩こり、めまい、頭重、打ち身(打撲症)、しもやけ、しみ、湿疹・皮膚炎、にきび
内容量 20包

薬剤師おすすめ
クラシエ薬品

当帰芍薬散料エキス顆粒 45包

最安値 1,865

古くから女性の不調に用いられてきた漢方薬

当帰芍薬散は、冷えや貧血ぎみの方の肩こりやむくみに効果を示します。

顆粒タイプの商品なので、錠剤を飲み込むのが苦手な方におすすめです。

分類 第2類医薬品
形状 顆粒剤
1回服用量 後段と重複するため記載してません
用法・用量 1日3回食前または食間に水または白湯にて服用。
成人(15才以上):1回1包
15才未満7才以上:1回2/3包
7才未満4才以上:1回1/2包
4才未満2才以上:1回1/3包
2才未満:1回1/4包
1日の服用回数 1日3回
服用対象年齢 生後3ヶ月以上
効能効果 体力虚弱で、冷え症で貧血の傾向があり疲労しやすく、ときに下腹部痛、頭重、めまい、肩こり、耳鳴り、動悸などを訴えるものの次の諸症:月経不順、月経異常、月経痛、更年期障害、産前産後あるいは流産による障害(貧血、疲労倦怠、めまい、むくみ)、めまい・立ちくらみ、頭重、肩こり、腰痛、足腰の冷え症、しもやけ、むくみ、しみ、耳鳴り
内容量 45包

薬剤師おすすめ
ロート製薬

ロート防風通聖散錠満量a 360錠

最安値 4,980

満量処方の防風通聖散で気になる脂肪を燃焼

皮下脂肪が多く、便秘がちな方の肥満症・肥満にともなう便秘などに効く防風通聖散を満量処方した商品です。

使用する生薬の量や、成分の抽出にもこだわり、蓄積されたお腹の脂肪を内側からしっかり分解・燃焼させます。

分類 第2類医薬品
形状 錠剤
1回服用量 後段と重複するため記載してません
用法・用量 1回6錠、1日2回、食前(食事の10~30分くらい前)または食間(食後2~3時間)に服用してください。
1日の服用回数 1日2回
服用対象年齢 15歳以上
効能効果 体力充実して、腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの次の諸症:高血圧や肥満に伴う動悸・肩こり・のぼせ・むくみ・便秘、蓄膿症(副鼻腔炎)、湿疹・皮膚炎、ふきでもの(にきび)、肥満症
内容量 360錠

商品比較表


商品名

クラシエ「クラシエ」漢方葛根湯エキスEX錠  96錠

ツムラツムラ漢方 桂枝茯苓丸料 エキス顆粒A 20包

クラシエ薬品当帰芍薬散料エキス顆粒 45包

ロート製薬ロート防風通聖散錠満量a 360錠

最安値

1,433

送料:別 Yahoo! 詳細を見る

1,512

送料:無料 Yahoo! 詳細を見る

1,865

送料:別 Yahoo! 詳細を見る

4,980

送料:無料 Yahoo! 詳細を見る
特徴 寒気を感じるような風邪のひき始めに のぼせるのに足は冷えるような女性の不調に 古くから女性の不調に用いられてきた漢方薬 満量処方の防風通聖散で気になる脂肪を燃焼
商品リンク


それぞれの漢方の注意点・副作用について


薬剤師

田代 のぞみさんのコメント

市販薬は服用する前に商品パッケージなどをしっかり読んで、正しく服用することが重要です。
それぞれの漢方薬を服用する際に注意するポイントを解説していきます。

葛根湯

葛根湯は、風邪のひき始めのタイミングで服用する方が多いかもしれません。先にも説明したように、葛根湯は身体を温めて風邪の原因となるウイルスなどの増殖を抑え、悪寒や痛みなどを緩和させます。そのため、すでに熱が高く、発汗した状態での葛根湯の服用は、必要以上に体温を上げて体力を消耗させてしまうおそれがありますので注意が必要です。

また、葛根湯でよくみられる副作用としては、発汗過多、発疹、発赤、不眠、頻脈、動悸などがあります。服用後の体調の変化にも注意してみましょう。

桂枝茯苓丸

桂枝茯苓丸は、体力がある人に適した漢方薬です。そのため、体力が衰えていたり、虚弱体質な方は服用に不向きですので、ご注意ください。(服用してはいけないわけではありませんので、どうしても服用したい方は薬剤師等に事前に相談しましょう。)

また、桂枝茯苓丸の一般的な副作用として、発疹や食欲不振、皮膚のかゆみなどの報告があります。まれに発熱や全身の倦怠感などが現れる場合があり、肝機能障害を起こしているおそれがあるので、すぐに服用を中止して医療機関を受診してください。

当帰芍薬散

当帰芍薬散は、比較的体力が衰えていたり、虚弱体質な方でも服用できる漢方薬です。とは言え、本当に胃腸が弱っている人には服用に向きませんので、ご注意ください。

また、当帰芍薬散でよくみられる副作用は、発疹や皮膚のかゆみ、食欲不振や胃の不快感などがあります。

防風通聖散

防風通聖散には、便通をよくする効果があります。人によっては、軟便になりすぎたり腹痛を感じる場合もあるので、ご注意ください。

また、防風通聖散でよく見られる副作用としては以下のものがあります。
発疹、発赤、かゆみ、吐き気、嘔吐、食欲不振、腹部膨満感、下痢、腹痛、めまい、発汗、動悸、むくみ、頭痛

まれに、間質性肺炎や偽アルドステロン症、肝機能障害などの重篤な副作用が起こる場合もありますので、服用後の体調の変化を気にするようにしましょう。

こんなときは病院へ

一般的に、漢方薬は服用してから効果を実感するまでに時間がかかります。効いてないかな?と思っても、最低でも2週間~1ヶ月ほどは服用を継続して、様子をみてもよいでしょう。それ以上服用しても何の効果も感じられないような場合は、漢方薬が体質に合っていないかもしれません。服用を中止し、医師や薬剤師に相談してみることをおすすめします。

また、先に説明したような副作用や気になる症状が現れた場合は速やかに服用を中止し、医療機関を受診するようにしてください。


『肩こり』『漢方』に関するQ&A


『肩こり』『漢方』に関するQ&A

「肩こり」や「漢方薬」について、よくお問い合わせいただく内容をご紹介します。あなたのお悩みに対しても回答できるかもしれませんので、確認してみてください。

漢方は毎日長期間飲んでもいい?
漢方薬を長期間服用することが基本なので、毎日服用し続けることは大きな問題ではありませんが、効果を感じられない場合や気になる別の症状などが現れた場合は、速やかに服用を中止するようにしましょう。気になる場合は、医師や薬剤師、登録販売者などに相談することをおすすめします。
妊娠中や授乳中でも服用できる?
漢方薬の種類によって、妊娠中や授乳中は服用ができないものがあります。


例えば防風通聖散は、妊娠・授乳中の方は服用できません。これは防風通聖散を構成している生薬の一つである大黄に子宮収縮作用があり、早産や流産のリスクがあるためです。また、授乳中は母乳に大黄が移行し、母乳を飲んだ赤ちゃんが下痢を起こすおそれがあるとされています。

妊娠中や授乳中の方は、服用可能かどうか必ず服用前に商品パッケージなどで確認するようにしてください。わからない場合は、薬剤師や登録販売者や薬剤師に相談しましょう。
どのタイミングで服用するのがいい?
多くの漢方薬の用法・用量は「食前又は食間に服用」とされています。

食前とは「食事の1時間~30分前」で、食間とは「食事と食事の間、だいたい食事を終えてから2時間後」です。(「食間」は食事の最中に服用することではありませんので、ご注意ください。)これは、空腹のときに服用する方が成分の吸収がよかったり、食事の影響を受けないようにするためです。

製品パッケージに記載されている用法・用量を守って服用するようにしましょう。

「食前」「食間」の服用だとつい飲み忘れてしまうかもしれません。服用を忘れてしまった場合は、食後に服用するようにしましょう。漢方薬は飲み方にこだわるよりも服用を継続することが重要です。

まとめ


まとめ

肩こりは予防が大切です。日頃から長時間同じ姿勢にならないようにしたり、適度に体を動かす、身体を温めることを意識してみましょう。

どうしても肩こりになってしまいがちの方は、体質から改善を目指すために漢方薬の服用もおすすめです。本記事でご紹介したような漢方薬を服用して、肩こりのセルフケアをしていきましょう。

※掲載内容は執筆時点での情報です。

  • 田代 のぞみ 薬剤師

    執筆・監修者

    薬剤師。医薬品開発業務受託機関(CRO)にて、主に安全性情報管理業務に従事。

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