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【医師執筆】そのしびれは「坐骨神経痛」?症状とチェック項目を解説

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2023/5/8
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坐骨神経痛とは、診断のつかない、もしくは医療機関に受診前のお尻から足にかけて坐骨神経の走行に沿った部位の圧迫や刺激により生ずる腰下肢痛(ようかしつう)の総称です。

実際に受診し、椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症や梨状筋症候群など、病名がつけばそれは坐骨神経痛ではなくなります。しかしながら、実際の臨床では医師の診療や画像検査で診断のつかない腰下肢痛は約85%と多いです。

今回の記事では、セルフチェックや市販の治療薬や望ましい対処などについて記載しました。

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  • 経験① 現場でよく聞かれる質問
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坐骨神経痛とは




坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)とは、お尻から足にかけて坐骨神経の走行に沿った部位の圧迫や刺激により生ずる症状名です。

主な原因は、腰椎椎間板(ようついついかんばん)ヘルニアと腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)です。

症状



坐骨神経は脊髄から枝のようにのびる末梢神経のなかで、下肢で最も太く長い神経で、お尻から太ももの後ろ側を通り、ふくらはぎや足先へとつながります。

坐骨神経痛とは、それらの圧迫や損傷に関連して生じる痛みの総称です。坐骨神経痛の代表的な原因は、「腰椎椎間板ヘルニア」と「腰部脊柱管狭窄症」です。

その他頻度は低いものの閉塞性動脈硬化症の血管性病変、脊髄腫瘍などの腫瘍性病変や化膿性脊椎炎に関連するものもあります。

原因



坐骨神経痛の症状は、お尻から足にかけて鋭い痛みや痺れが圧迫や損傷の部位により様々な症状があらわれます。

症状の出現に関して、座るなど安静時が楽、歩くなど運動している時の方が楽、など患者様により様々です。腰部脊柱間狭窄症では、休み休みの歩行で症状が楽になるが、長時間の連続した歩行は困難(間歇性跛行/かんけつせいはこう)という状況が見られることがあります。

一方、腰部椎間板ヘルニアでは、ヘルニアの部位により、症状出現の多くは左右のうち片側で、多くの場合腰部痛以外に耐え難い下肢の痛みや痺れの訴えがあります。たとえば、第4/5腰椎の間のヘルニアでは、第5腰椎神経根が圧迫され、ふくらはぎの外側や足の甲・親指にかけて痛みやしびれが起きます。

それって「坐骨神経痛」?


医師

吉川 博昭さんのコメント

下肢(お尻〜足先)の痛みや痺れにより、過去にできていた日常労作(散歩・買い物など)が出来にくくなる状態は坐骨神経痛を考える目安になります。

受診前のセルフチェックリスト



チェックリストは初診時に医師が聞くこと多い内容です。自分の症状がどういったものであるか、把握した上で受診することをおすすめさせていただいております。
<原因>
・痛みの出現は片側か両側か?
・長い距離を歩かないといけない時、休み休みなら少し楽になるか?
・前かがみと後ろにそる姿勢では、どちらが痛みに関して強いか?
・腰の痛みの他、下肢の痺れや感覚の障害があるか?
<症状>
・初発時期(はじめてその箇所が痛くなったのはいつか?)
・安静時痛の有無(安静時か動いている時に痛いか?睡眠時に痛いか?)
・立っているのと座っているのとはどちらが楽か?
・痛くなる場所はいつも同じ箇所か?
・痛みの強さに、日や時間帯によって強弱はあるか?
・腰痛以外に、身体の不調な部位は他に存在するか?
<生活状況>
・その痛みは日常の活動にどの程度支障はあるか?
・その痛みにより、心理的に前向きになれないなど抑うつ状況があるか?
・腰痛以外に生活で困っていることはあるかないか?(経済面・介護などストレスの有無)
<治療>
・腰痛に関して、市販のコルセットで固定すると、痛みは楽になるか?
・市販の痛み止めのうち効果のあるものは何か?
・お風呂とか温めると腰痛は楽になるか?

間違いやすい別の病気




坐骨神経痛の原因には整形外科的脊椎の疾患(腰部脊柱管狭窄症・腰痛椎間板ヘルニア)の他、頻度は低いものの閉塞性動脈性硬化症などの血管性病変、脊髄腫瘍やガンの脊椎転移など腫瘍に関連したものや化膿性脊椎炎など炎症性疾患など、一部に重篤な腰痛(red flag)と呼ばれる放置することにより急激に悪化するものが含まれます。

特に基礎疾患がある人やガンの既往のある人、症状の強い人、高熱などがある場合は、症状出現の早期の段階で医療機関を受診することを推奨しております。

坐骨神経痛におすすめ商品




坐骨神経痛におすすめの市販薬 4選

医師

吉川 博昭さんのコメント

以下にドラックストアなどで販売されているもののうち、比較的坐骨神経痛に効果的な内服薬と貼付剤を列挙します。快方に向かえば良いのですが、難しい場合には医療機関の受診をおすすめしております。
薬剤師おすすめ
第一三共ヘルスケア

ロキソニンSプラス 12錠

最安値 528 (税込)

痛みの原因になる炎症を抑える薬効があります

炎症により誘導されるシクロオキシゲナーゼ(COX)を抑制し、抗炎症効果による坐骨神経痛の症状の軽減が期待できます。ただし胃への負担が副作用として問題になることがあります。

分類 第1類医薬品
有効成分 ロキソプロフェンナトリウム水和物/酸化マグネシウム
タイプ 錠剤
何歳から服用可能か 15歳以上
服用回数 1回1錠2回まで

薬剤師おすすめ
小林薬品工業

アセトアミノフェンK錠

最安値 545 (税込)

痛み止めの中でも消化器への負担の少ない薬剤です

アセトアミノフェンの鎮痛機序は中枢性(痛みを感じる脳に働きかける)とされておりますが、副作用も少なく、小児や高齢者などへも使用しやすい痛み止めです。

分類 第2類医薬品
有効成分 アセトアミノフェン
タイプ 錠剤
何歳から服用可能か 5歳以上
服用回数 成人(15歳以上):1回3錠3回まで
11歳〜14歳:1回2錠3回まで
5歳〜10歳:1回1錠3回まで

薬剤師おすすめ
第一三共ヘルスケア

ロキソニンSテープL 7枚

最安値 1,080 (税込)

圧痛のある部位への貼付が効果的です

痛みの部位に貼付することにより、その周辺部位の筋肉に対して痛みの原因となっている発痛物質を抑え、抗炎症効果が期待できます。その薬理作用により痛みを和らげる効果が期待できます。

分類 第2類医薬品
有効成分 ロキソプロフェンナトリウム水和物
タイプ 貼付剤
何歳から服用可能か 15歳以上
服用回数 1日あたり2枚まで

薬剤師おすすめ
クラシエ薬品

クラシエ疎経活血湯エキス錠 96錠

最安値 1,161 (税込)

漢方の生薬により温めたり、利水により除痛に効果的です

漢方薬で血行や水分のバランスを整えることで、症状の改善をはかってゆきます。東洋医学においては血・水のバランスがよくない一症状として痛みが存在し、それらを整えることで結果的に痛みも楽になる効果が期待できます。

分類 第2類医薬品
有効成分 ジオウ・トウキ・トウニン・センキュウ・ブクリョウ・ビャクジュツ・ゴシツ・リュウタン・チンピ・キョウカツ・イレイセン・ボウイ_ボウフウ・ショウキョウ などの生薬
タイプ 錠剤
何歳から服用可能か 5歳以上
服用回数 成人(15才以上):1回4錠3回まで
15才未満7才以上:1回3錠3回まで
7才未満5才以上:1回2錠3回まで

坐骨神経痛のおすすめグッズ 3選

坐骨神経痛の自身でのメンテナンスに関して、自分の体重をかけて腰部を支配する筋肉に適度な負荷をかけることは効果的で怪我や負担の少ない手法です。筋トレをイメージしていただければわかりやすいかもしれません。筋トレそのもの以外に食事や睡眠が大切になることはいうまでもありません。

坐骨神経痛についても、医療機関の受診だけでは完全とはいえず、自宅などでできる「自助努力」が大切になります。

以下に今日からでも実践できるものを紹介します。

薬剤師おすすめ
第一三共ヘルスケア

パテックス機能性サポーター 腰用 黒M

最安値 5,652 (税込)

上半身の体重負荷を分散させる効果が期待できます

サポーターの装着により上半身を支える腰の可動を制限することで、腰への負担の軽減する効果が期待できます。坐骨神経痛の予防や痛みの軽減双方に有用です。内側はやわらかく、外側はしっかりした素材で、腹筋と背筋のバランスをサポートし、腰を安定させ、動きやすくし、腰への負担を和らげます。

タイプ サポーター
サイズ ウエスト76~84cm
※男性用ML/女性用MLのサイズ展開あり

薬剤師おすすめ

バランスボール

骨盤周りの血流を良くすることに効果的です

サポーターの装着により上半身を支える腰の可動を制限することで、腰への負担の軽減する効果が期待できます。坐骨神経痛の予防や痛みの軽減双方に有用です。 ここでは具体的な商品は紹介しませんので、ご自身の環境・体型にあった商品をお探しください。

タイプ ボール(ボールの固さは適度)

薬剤師おすすめ

マッサージボール

痛む箇所に刺激を加えることで血流改善効果が期待できます

自身の体重を筋肉にかけ体動を加えることにより、腰周囲の血流改善や筋膜リリースの効果による痛みの軽減が期待できます。簡便で怪我の少ないわりに効果を実感しやすいためおすすめです。 ここでは具体的な商品は紹介しませんので、ご自身の環境・体型にあった商品をお探しください。

タイプ ボール(基本硬い)

こんな時には病院へ


医師

吉川 博昭さんのコメント

坐骨神経痛のうち、医療機関の受診を強くおすすめさせていただいているケースを紹介します。


・症状の経過
急性的な症状の悪化、安静時や睡眠時の強い痛みの出現などで日常生活における活動が著しく制限される場合

・基礎疾患や随伴症状の有無
基礎疾患としてガンの既往、コントロール不良の糖尿病、随伴症状として38度以上の高熱、体重減少、尿が意図して出しにくい(膀胱直腸障害)の出現などを有する場合。

・症状が軽快しないとき 
市販の薬で症状が軽快しない状況や、腰下肢痛により心理・社会的に本人や家族だけで対応が難しい場合。

・急性・慢性の経過を問わず、症状に対する対処や判断が難しい場合。

坐骨神経痛にかからないために予防法はある?




坐骨神経痛の予防に関して、推奨されることと避けた方が望ましいことを記載してみます。共通して日々の生活習慣が大切です。

急性の坐骨神経痛の予防には、適度な有酸素運動による筋力維持や、日々のストレッチやマッサージなどカラダ全体の筋肉を固くしない日々のメンテナンスが大切です。慢性の坐骨神経痛に発展しないためには、過重労働・睡眠不足・喫煙など心理的ストレスを避ける工夫が大切になります。

普段しないハードな運動を急に行うことは、坐骨神経痛発症を伴うリスクがあります。適度な運動は予防に効果的ですが、重いものを急に持ったり運んだり負担のかかる姿勢を長時間続けることはリスクになります。やってはいけない行動はないですが、坐骨神経痛の患者様が避けるべき行動は存在します。

坐骨神経痛に関するQ&A




坐骨神経痛関連でよく医療関係者が耳にする質問とその答えについてまとめてみました。

坐骨神経痛は何科に行けばいい?
坐骨神経痛に関しては、整形外科かペインクリニック内科を受診することが一般的です。整形外科では急性・慢性の経過を問わず、画像検査やその評価により手術を治療の選択に含めた患者様が受診することが多いです。

一方ペインクリニック内科においては、症状の経過が比較的慢性に近く市販薬や一般的な治療薬で軽快しない腰痛・神経ブロックなど手術以外の治療を希望される方を中心に、痛みに対する専門的でかつ幅広い診療を得意としています。
医療機関・接骨院・マッサージ・鍼灸などどこが一番効果的ですか?
どの治療でも最終的に満足度が得られれば良いと思います。

しかし高度な診断や治療に関して医療機関でしかできないものがあります。重篤な疾患を見逃さないために、まずは医療機関の受診をおすすめしています。
坐骨神経痛の原因が検査をしてもわからない時は治りませんか?
画像診断などを用いた診断で、原因が特定できる腰痛(特異的腰痛)は約15%程度で、その他は原因の特定できない腰痛(非特異的腰痛)となります。重篤な疾患を除外することや、急性・慢性の痛みを和らげる治療は、薬物・神経ブロック・理学的療法などさまざまあり単独もしくは組み合わせにより、たとえ原因が明らかでなくとも痛みを和らげることは可能です。

「歩けない期間」や「早く治す方法」などは、それぞれの病態により異なります。判断が難しい場合は、専門医へ相談しましょう。
急性の経過と慢性の経過の坐骨神経痛では、何が違いますか?
坐骨神経痛を発症したのがいつなのか?ということで急性か慢性かの区別になります。発症から4週間以内のものを急性腰痛症と定義されています。

3ヶ月以上のものを慢性腰痛症と定義されています。急性腰痛症では安静や薬物療法や神経ブロックなどの治療により痛みが消失することは多いですが、慢性腰痛症では薬物療法や神経ブロックに加え、認知行動療法など心理学や運動器の廃用を避けるためのリハビリなど集学的な治療介入を検討していく必要があります。

まとめ




坐骨神経痛に関して、原因・症状・対処につきまとめました。現代社会において、坐骨神経痛を含めた「腰痛」は近年肩こりとならんで、国民の訴えの中でも多いです。

予防や症状出現時の早期の対処が慢性化を避ける観点からは重要です。また重篤な疾患の見落としを避けるため、セルフケアで症状が軽快しない場合は整形外科やペインクリニック内科への受診を勧めています。

「人生100年時代」において、読者の皆様にとって「坐骨神経痛の予防やセルフケアや受診のヒント」となることを、また健康で健やかな日々を目指すことの一助になることを望んでいます。

※掲載内容は執筆時点での情報です。

  • 吉川 博昭 医師

    執筆・監修者

    2004年都内医学部を卒業し、初期研修医ののちは麻酔科・ペインクリニック科を専攻し臨床業務に従事。近年は総合診療や美容医療など診療の幅を広げるとともに、医療に関する記事を中心に執筆や監修も担当。

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