目次
逆流性食道炎の症状の緩和ができる市販薬の選び方・ポイント
プロトンポンプ阻害薬は市販薬として販売されていません。また、胃食道逆流症を放置するとバレット食道と呼ばれる食道粘膜の変化が起こることもあります【1】。
バレット食道は食道がんのリスクとなることが知られており、胸やけや呑酸の症状が日常的に発生している場合では、速やかな医療機関の受診がすすめられます。
逆流性食道炎は医師による内視鏡検査(いわゆる胃カメラ)で、食道の炎症が確認されて初めて診断される病気です【1】。そのため、市販の漢方薬で対応できる症状は、日常的ではない軽度の胸やけや呑酸に限られます。
このような症状に対する漢方薬は、胃腸の動きの改善、胃の粘膜保護、喉の異物感の改善という3つの観点に注目すると選びやすいでしょう。
ポイント①:胃腸の動きの改善を重視する

食欲不振や胃もたれなど、胃や腸の不調に用いられることが多い漢方薬に六君子湯(りっくんしとう)があります。
六君子湯は、弱っている胃の容積・排出機能を改善する効果が報告されています【2】【3】。また、六君子湯は食欲を高めるグレリンというホルモンの分泌を促し、胃の運動機能を高めることが知られています【4】。胃の運動機能が高まることで胃酸の逆流が減り、逆流症状の緩和が期待できます。
実際、胸やけ症状があるプロトンポンプ阻害剤を服用中の47人を対象とした研究【5】では、六君子湯を追加投与することで、胸やけ症状の改善が認められたと報告されています。
ポイント②:胃の粘膜保護作用を重視する

半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)と小柴胡湯(しょうさいことう)という漢方薬は、胃の粘膜を保護する作用が知られています【6】。
小柴胡湯はまた、食欲不振、腹部膨満、嘔吐、胃痛などに効果的である可能性も報告されています【7】。半夏瀉心湯は、抗がん剤など薬の副作用による口内炎の緩和に用いられることもあり、胃や食道粘膜の炎症を抑える効果も期待できます【8】。
実際、胃食道逆流症の患者さんを対象とした研究【9】では、半夏瀉心湯の服用で逆流症状の改善が報告されています。
ポイント③:喉の異物感の改善を重視する

喉に異物感がある人に用いられることの多い漢方薬に半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)があります。
半夏厚朴湯は、咳や喉の違和感が残る胃食道逆流症の患者さん19人を対象とした研究【10】で、違和感の改善を認めたことが報告されています。
【厳選】逆流性食道炎の症状を緩和するのにおすすめの漢方 9選
なお、これらの漢方薬は胃散の逆流に伴う症状の緩和に効果が期待できますが、逆流性食道炎に対する効能効果はありません。
逆流性食道炎は医師の診断に基づく病名であり、日常的に逆流症状が出てしまう方は医療機関を受診してください。
ポイント①:胃腸の動きの改善をを重視した市販薬 3選
胃腸の運動機能を高める六君子湯が効果的です。六君子湯は漢方薬の中では珍しく、その有効性に関する研究報告が豊富です。逆流症状の緩和目的で漢方薬を選ぶとしたら、まずは六君子湯が有力候補となります。

こんな方に
食欲がない方に
胸やけや呑酸の症状がある方に
胃酸の逆流による胸やけ症状の緩和に効果的
一般的には胃炎、消化不良、食欲不振などに用いられる漢方薬です。医療の現場では、逆流性食道炎の補助的な治療薬として用いられることが多く、その有効性に関する研究データも少なくありません。胃酸の逆流による胸やけや呑酸の症状の緩和に効果的な漢方薬です。
| 分類 | 第2類医薬品 |
| 有効成分(含有量)/主成分(含有量) | 2包(3.75g)中 六君子湯エキス(1/2量) 2g (ソウジュツ・ニンジン・ハンゲ・ブクリョウ各2g、タイソウ・チンピ各1g、カンゾウ0.5g、ショウキョウ0.25g) |
| 効果・効能 | 体力中等度以下で、胃腸が弱く、食欲がなく、みぞおちがつかえ、疲れやすく、貧血性で手足が冷えやすいものの次の諸症:胃炎、胃腸虚弱、胃下垂、消化不良、食欲不振、胃痛、嘔吐 |
| 用法・用量 | 次の量を、食前に水または湯で服用。 [年齢:1回量:1日服用回数] 成人(15歳以上):1包(1.875g):2回 7歳以上15歳未満:2/3包:2回 4歳以上7歳未満:1/2包:2回 2歳以上4歳未満:1/3包:2回 2歳未満:服用しない |
| 薬のタイプ | 顆粒 |
| 妊娠中・授乳中の使用 | 服用前に医師、薬剤師または登録販売者に相談 |
| 小・中・高校生の使用 | 2歳以上 |
| 1回の使用あたりのコスト(目安) | 180円 |
| 薬の風味 | 苦みあり |
| 眠くなる成分の有無 | × |

こんな方に
食欲がない方に
胸やけや呑酸の症状がある方に
胃腸の働きを改善して逆流症状を緩和
ツムラの六君子湯と同様、胃酸の逆流による胸やけや呑酸の緩和に効果が期待できます。六君子湯が胃や腸の運動機能を改善することについては、複数の研究報告があります。食欲を高める効果も期待できるので、食欲がない方にもおすすめです。
| 分類 | 第2類医薬品 |
| 有効成分(含有量)/主成分(含有量) | 3包(3.6g)中 六君子湯エキス(1/2量) 2,050mg (ニンジン・ビャクジュツ・ブクリョウ・ハンゲ各2.0g、チンピ・タイソウ各1.0g、カンゾウ0.5g、ショウキョウ0.25gより抽出。) |
| 効果・効能 | 体力中等度以下で、胃腸が弱く、食欲がなく、みぞおちがつかえ、疲れやすく、貧血性で手足が冷えやすいものの次の諸症:胃炎、胃腸虚弱、胃下垂、消化不良、食欲不振、胃痛、嘔吐 |
| 用法・用量 | 次の量を1日3回食前又は食間に水又は白湯にて服用。 [年齢:1回量:1日服用回数] 成人(15才以上):1包:3回 15才未満7才以上:2/3包:3回 7才未満4才以上:1/2包:3回 4才未満2才以上:1/3包:3回 2才未満:1/4包:3回 |
| 薬のタイプ | 顆粒 |
| 妊娠中・授乳中の使用 | 服用前に医師、薬剤師または登録販売者に相談 |
| 小・中・高校生の使用 | 生後3か月以上。1才未満の乳児には、医師の診療を受けさせることを優先し、止むを得ない場合にのみ服用。 |
| 1回の使用あたりのコスト(目安) | 110円 |
| 薬の風味 | 苦みあり |
| 眠くなる成分の有無 | × |

こんな方に
顆粒剤が苦手な方に
胸やけや呑酸の症状がある方に
飲みやすい錠剤タイプの六君子湯
ツムラ、クラシエの六君子湯と同様、胃酸の逆流による胸やけや呑酸の緩和に効果が期待できます。顆粒タイプの漢方薬は飲みにくいことが欠点の一つですが、DHCの六君子湯は錠剤タイプで飲みやすいことが特徴です。
| 分類 | 第2類医薬品 |
| 有効成分(含有量)/主成分(含有量) | 18錠中 六君子湯エキス(1/2量) 1200mg (カンゾウ0.5g、ショウキョウ0.25g、タイソウ・チンピ各1g、ニンジン・ハンゲ・ビャクジュツ・ブクリョウ各2g) |
| 効果・効能 | 体力中等度以下で、胃腸が弱く、食欲がなく、みぞおちがつかえ、疲れやすく、貧血性で手足が冷えやすいものの次の諸症:胃炎、胃腸虚弱、胃下垂、消化不良、食欲不振、胃痛、嘔吐 |
| 用法・用量 | 次の量を食前又は食間に水又は白湯にて服用。 [年令:1回量:服用回数] 成人(15才以上):6錠:1日3回 7才以上15才未満:4錠:1日3回 5才以上7才未満:3錠:1日3回 5才未満:服用しないこと |
| 薬のタイプ | 錠剤 |
| 妊娠中・授乳中の使用 | 服用前に医師、薬剤師または登録販売者に相談 |
| 小・中・高校生の使用 | 5歳以上 |
| 1回の使用あたりのコスト(目安) | 245円 |
| 薬の風味 | 苦みあり |
| 眠くなる成分の有無 | × |
ポイント②:胃の粘膜保護作用を重視した市販薬 3選
胃粘膜の保護作用を期待いたい方では、半夏瀉心湯や小柴胡湯がおすすめです。

こんな方に
お腹がゆるめの方に
吐き気がある方に
胃の粘膜の保護作用が期待できる漢方薬
一般的には、胃腸炎や下痢症状、消化不良、二日酔、げっぷ、胸やけ、口内炎などの緩和に用いられる漢方薬です。胃酸の逆流による胸やけ症状の緩和に加え、胃の粘膜の保護作用が期待できます。特に、お腹が緩めの方や、吐き気などがある場合に効果的です。
| 分類 | 第2類医薬品 |
| 有効成分(含有量)/主成分(含有量) | 2包(3.75g)中 半夏瀉心湯エキス(1/2量) 2.25g(ハンゲ2.5g、オウゴン・カンキョウ・カンゾウ・タイソウ・ニンジン各1.25g、オウレン0.5g) |
| 効果・効能 | 体力中等度で、みぞおちがつかえた感じがあり、ときに悪心、嘔吐があり食欲不振で腹が鳴って軟便又は下痢の傾向のあるものの次の諸症:急・慢性胃腸炎,下痢・軟便、消化不良、胃下垂、神経性胃炎、胃弱、二日酔、げっぷ、胸やけ、口内炎、神経症 |
| 用法・用量 | 次の量を、食前に水またはお湯で服用。 [年齢:1回量:1日服用回数] 成人(15歳以上):1包(1.875g):2回 7歳以上15歳未満:2/3包:2回 4歳以上7歳未満:1/2包:2回 2歳以上4歳未満:1/3包:2回 2歳未満:服用しない |
| 薬のタイプ | 顆粒 |
| 妊娠中・授乳中の使用 | 服用前に医師、薬剤師または登録販売者に相談 |
| 小・中・高校生の使用 | 2歳以上 |
| 1回の使用あたりのコスト(目安) | 180円 |
| 薬の風味 | 苦みあり |
| 眠くなる成分の有無 | × |

こんな方に
食欲がない方に
口の中に苦味を感じる方に
食欲が低下している方に効果的な漢方薬
一般的には、食欲不振、はきけ、胃炎、胃痛などの緩和に用いられる漢方薬です。胃酸の逆流による胸やけ症状に加え、胃の粘膜の保護作用が期待できます。口に苦味を感じたり、食欲がない方におすすめです。
| 分類 | 第2類医薬品 |
| 有効成分(含有量)/主成分(含有量) | 2包(3.75g)中 小柴胡湯エキス(1/2量) 2.25g(サイコ3.5g、ハンゲ2.5g、オウゴン・タイソウ・ニンジン各1.5g、カンゾウ1g、ショウキョウ0.5g) |
| 効果・効能 | 体力中等度で、ときに脇腹(腹)からみぞおちあたりにかけて苦しく、食欲不振や口の苦味があり、舌に白苔がつくものの次の諸症:食欲不振、はきけ、胃炎、胃痛、胃腸虚弱、疲労感、かぜの後期の諸症状 |
| 用法・用量 | 次の量を、食前に水またはお湯で服用。 [年齢:1回量:1日服用回数] 成人(15歳以上):1包(1.875g):2回 7歳以上15歳未満:2/3包:2回 4歳以上7歳未満:1/2包:2回 2歳以上4歳未満:1/3包:2回 2歳未満:服用しない |
| 薬のタイプ | 顆粒 |
| 妊娠中・授乳中の使用 | 服用前に医師、薬剤師または登録販売者に相談 |
| 小・中・高校生の使用 | 2歳以上 |
| 1回の使用あたりのコスト(目安) | 120円 |
| 薬の風味 | 苦みあり |
| 眠くなる成分の有無 | × |

こんな方に
食欲がない方に
口の中に苦味を感じる方に
胃腸が弱り食欲がない方におすすめ
ツムラの小柴胡湯と同様、食欲不振、はきけ、胃炎、胃痛などの緩和に用いられる漢方薬です。胃腸が弱り、食欲がないなどの症状にも効果が期待できます。
| 分類 | 第2類医薬品 |
| 有効成分(含有量)/主成分(含有量) | 3包(4.5g)中 小柴胡湯エキス(1/2量) 2,700mg(サイコ3.5g、ハンゲ2.5g、ショウキョウ0.5g、オウゴン・ニンジン・タイソウ各1.5g、カンゾウ1.0gより抽出。) |
| 効果・効能 | 体力中等度で、ときに脇腹(腹)からみぞおちあたりにかけて苦しく、食欲不振や口の苦味があり、舌に白苔がつくものの次の諸症:食欲不振、吐き気、胃炎、胃痛、胃腸虚弱、疲労感、かぜの後期の諸症状 |
| 用法・用量 | 次の量を1日3回食前又は食間に水又は白湯にて服用。 [年齢:1回量:1日服用回数] 成人(15才以上):1包:3回 15才未満7才以上:2/3包:3回 7才未満4才以上:1/2包:3回 4才未満:服用しない |
| 薬のタイプ | 顆粒 |
| 妊娠中・授乳中の使用 | 服用前に医師、薬剤師または登録販売者に相談 |
| 小・中・高校生の使用 | 4歳以上 |
| 1回の使用あたりのコスト(目安) | 130円 |
| 薬の風味 | 苦みあり |
| 眠くなる成分の有無 | × |
ポイント③:喉の異物感の改善を重視した市販薬 3選
胃酸の逆流によって生じた喉の異物感には、半夏厚朴湯がおすすめです。

こんな方に
喉に違和感がある方に
胃酸の逆流によって咳が出る方に
胃酸の逆流による喉の違和感を改善
一般的には、不安神経症、神経性胃炎、せき、しわがれ声、のどのつかえ感などの緩和に用いられる漢方薬です。胃酸が逆流すると、喉の奥に違和感を覚えたり、慢性的な咳の原因となることがあります。半夏厚朴湯は胃酸の逆流に伴う喉の違和感に効果が期待できます。
| 分類 | 第2類医薬品 |
| 有効成分(含有量)/主成分(含有量) | 2包(3.75g)中 半夏厚朴湯エキス(1/2量) 1.25g (ハンゲ3g,ブクリョウ2.5g,コウボク1.5g,ソヨウ1g,ショウキョウ0.5g) |
| 効果・効能 | 体力中等度をめやすとして、気分がふさいで、咽喉・食道部に異物感があり、ときに動悸、めまい、嘔気などを伴う次の諸症:不安神経症、神経性胃炎、つわり、せき、しわがれ声、のどのつかえ感 |
| 用法・用量 | 次の量を,食前に水またはお湯で服用。 [年齢:1回量:1日服用回数] 成人(15歳以上):1包(1.875g):2回 7歳以上15歳未満:2/3包:2回 4歳以上7歳未満:1/2包:2回 2歳以上4歳未満:1/3包:2回 2歳未満:服用しない |
| 薬のタイプ | 顆粒 |
| 妊娠中・授乳中の使用 | 使用可能 |
| 小・中・高校生の使用 | 2歳以上 |
| 1回の使用あたりのコスト(目安) | 120円 |
| 薬の風味 | 苦みあり |
| 眠くなる成分の有無 | × |

こんな方に
喉に違和感がある方に
胃酸の逆流によって咳が出る方に
胸やけに加え喉の違和感がある方に
ツムラの半夏厚朴湯と同様、不安神経症、神経性胃炎、せき、しわがれ声、のどのつかえ感などの緩和に用いられる漢方薬です。胃酸の逆流による胸やけ症状に加え、のどに違和感がある方におすすめです。
| 分類 | 第2類医薬品 |
| 有効成分(含有量)/主成分(含有量) | 3包(3.0g)中 半夏厚朴湯エキス(1/2量) 750mg (ハンゲ3.0g,ブクリョウ2.5g,コウボク1.5g,ソヨウ1.0g,ショウキョウ0.65gより抽出。) |
| 効果・効能 | 体力中等度をめやすとして、気分がふさいで、咽喉・食道部に異物感があり、ときに動悸、めまい、嘔気などを伴う次の諸症:不安神経症、神経性胃炎、つわり、せき、しわがれ声、のどのつかえ感 |
| 用法・用量 | 次の量を1日3回食前又は食間に水又は白湯にて服用。 [年齢:1回量:1日服用回数] 成人(15才以上):1包:3回 15才未満7才以上:2/3包:3回 7才未満4才以上:1/2包:3回 4才未満2才以上:1/3包:3回 2才未満:1/4包:3回 |
| 薬のタイプ | 顆粒 |
| 妊娠中・授乳中の使用 | 使用可能 |
| 小・中・高校生の使用 | 生後3か月以上。1才未満の乳児には、医師の診療を受けさせることを優先し、止むを得ない場合にのみ服用。 |
| 1回の使用あたりのコスト(目安) | 92円 |
| 薬の風味 | 苦みあり |
| 眠くなる成分の有無 | × |

こんな方に
喉に違和感がある方に
顆粒剤が苦手な方に
飲みやすい錠剤タイプの半夏厚朴湯
飲みやすい錠剤タイプの半夏厚朴湯です。顆粒剤の半夏厚朴湯と同様、胃酸の逆流に伴う胸やけ症状に加え、喉の違和感や、ながびく咳、声枯れの症状がある方におすすめです。
| 分類 | 第2類医薬品 |
| 有効成分(含有量)/主成分(含有量) | 12錠(3600mg)中 半夏厚朴湯エキス(1/2量) 750mg (ハンゲ3g,ブクリョウ2.5g,コウボク1.5g,ソヨウ1g,ショウキョウ0.65g) |
| 効果・効能 | 体力中等度をめやすとして、気分がふさいで、咽喉・食道部に異物感があり、ときに動悸、めまい、嘔気などを伴う次の諸症:不安神経症、神経性胃炎、つわり、せき、しわがれ声、のどのつかえ感 |
| 用法・用量 | 1日3回食前又は食間に水又は白湯にて服用。 成人(15才以上):1回4錠 15才未満7才以上:1回3錠 7才未満5才以上:1回2錠 5才未満は服用しない |
| 薬のタイプ | 錠剤 |
| 妊娠中・授乳中の使用 | 使用可能 |
| 小・中・高校生の使用 | 5歳以上 |
| 1回の使用あたりのコスト(目安) | 220円 |
| 薬の風味 | 苦みあり |
| 眠くなる成分の有無 | × |
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市販薬を使用するときのポイントや注意点について
なお、繰り返しになりますが、この記事で紹介している市販の漢方薬には、逆流性食道炎に対する効能効果がありません。逆流性食道炎は医師の診断に基づく病名であり、日常的に逆流症状が出てしまう方は医療機関を受診してください。
使用するときのポイント

漢方薬は症状が気になった時点から服用を開始します。各製品の用法用量に従って服用してください。妊娠中や子どもに対する漢方薬の服用については、質の高い研究データが報告されていません。妊娠中は可能な限り服用を避けることが一般的な対応です。
子どもが服用できる漢方薬は多いものの、製品によって服用可能な年齢が異なります。添付文書の注意事項を厳守してください。
授乳中の漢方薬についても、質の高い研究データは限られています。ただし、母乳中に移行する生薬成分量がわずかであることを考えれば、漢方薬を授乳中に飲むことは問題が少ないでしょう。
なお、この記事で紹介した漢方薬には配合されていませんが、ダイオウと呼ばれる生薬成分は母乳へ移行することが知られています。そのためダイオウを配合した漢方薬を服用する際には授乳を中止するか、漢方薬の服用を避けてください。
副作用はあるの?

一般的に漢方薬は副作用が少ない薬だと考えられています。
ただし、六君子湯、半夏瀉心湯、小柴胡湯には、甘草(かんぞう)と呼ばれる生薬が配合されており、まれに手足の脱力感や痙攣が起こることもあります。このような症状が現れた場合は、直ちに漢方薬の服用を中止して、かかりつけの医師や薬剤師にご相談ください。
漢方の副作用として、ごくまれに起こる間質性肺炎や肝機能障害にも注意が必要です。特に小柴胡湯では、肝機能障害を発症した症例も報告されています【11】。
また、医療用の小柴胡湯製剤では、間質性肺炎による死亡例も報告されています【12】。漢方薬を服用中に、息切れや咳、かゆみ、発疹、黄疸、倦怠感などの症状が現れた場合は、直ちに漢方薬の服用を中止して、かかりつけの医師や薬剤師にご相談ください。
こんなときは病院へ

胸やけや呑酸の症状が改善しない場合や、症状の回数が増える場合には、速やかな医療機関の受診をおすすめします。
逆流性食道炎を放置すると、食道の炎症がひどくなったり、食道がんのリスクを高めるバレット食道と呼ばれる状態になることもあります。
『逆流性食道炎』『漢方』に関するQ&A

胃酸の逆流による症状と漢方薬について、よくある質問にお答えします。

逆流性食道炎は市販薬の服用に関わらず自然治癒することもありますが、薬による治療が必要かどうかは、逆流性食道炎を診断した医師の判断によります。少なくとも、市販薬で自然に完治するというものではありません。


また、逆流性食道炎に効くとされる生薬成分について、質の高い研究データは報告されていません。


ただし、半夏厚朴湯はつわり症状の緩和を目的に妊婦にも用いられることがあります。


なお、胃酸の逆流による症状(胸やけ、吞酸)の緩和には、胃酸の分泌を抑えるファモチジンが効果的です。
まとめ

逆流性食道炎は内視鏡検査によって診断される病名です。市販薬で対応できる症状は日常的ではない軽度の胸やけや呑酸に限られます。
これらの症状の緩和には、胃腸の動きの改善、胃の粘膜保護、喉の異物感の改善という3つの観点に注目して漢方薬を選ぶと良いでしょう。
参考文献
・【1】Mo Med. 2018 May-Jun; 115(3): 214–218.
・【2】Drugs Exp Clin Res. 1999;25(5):211-8.
・【3】J Pharmacol Sci. 2005 Jun;98(2):161-7.
・【4】FASEB J . 2004 Mar;18(3):439-56.
・【5】J Clin Biochem Nutr . 2017 Mar;60(2):143-145
・【6】Biol Pharm Bull. 1997 Nov;20(11):1155-9.
・【7】Evid Based Complement Alternat Med. 2021 Apr 29;2021:6693677.
・【8】Sci Rep. 2020 Jan 17;10(1):62
・【9】J Gastroenterol. 2019 Nov;54(11):972-983.
・【11】LiverTox: Clinical and Research Information on Drug-Induced Liver Injury [Internet].
・【12】日本東洋医学雑誌1996 年 47 巻 1 号 p. 1-4
・株式会社DHC DHC漢方 六君子湯(りっくんしとう)エキス錠
※掲載内容は執筆時点での情報です。
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青島 周一 薬剤師
執筆・監修者プロフィールはこちら2004年城西大学薬学部卒。 保険薬局勤務を経て2012年より病院勤務。 NPO法人アヘッドマップ(http://aheadmap.or.jp/)共同代表。






















